• サイバー、グリー、DeNA… 東大生は本当に「新御三家」を目指すのか

    受験勉強の勝者が集まる東京大学。卒業生の就職先は、少し前まで外資系金融、外資系コンサル、総合商社が御三家と呼ばれていたが、代わりに「新御三家」として台頭している企業があるという。

    週刊東洋経済の2014年4月5日号「激変する東大生の就活」で名前が挙がったのは、サイバーエージェントとDeNA、それにグリーという大手IT企業だ。記事では「メガベンチャー」という呼び名で持ち上げている。

    「社員数2000人規模のメガベンチャーでは、大規模な事業にかかわることができ、潤沢なキャッシュを利用してやれることの幅は広い。大企業とベンチャーのいいとこ取りをできることが、学生たちを引き付けている」

    東洋経済に「3年前の記事かと思った」の声

    「新御三家」という呼び名は、2012年10月8日号のAERAでも使われていた。会社の規模を気にせず、自分の意欲や能力を生かせる企業を探す学生の就職先として、前出の3社を「新御三家」として挙げている。「彼らは、企業ブランドに興味はない」(AERA)。

    確かに、この3社は就活生に人気が高く、東大生の採用実績も増えている。サイバー社は毎年200人前後を採用し、14年卒は9人の東大生を採用。DeNAは28人の東大生を獲得し、いまや東大生に人気がある有数の企業になっている。

    しかし、「新御三家」に対しては、すでに「オワコン(時代遅れ)」との声もある。雑誌サイゾーは3月28日の記事で、「大手でも安心できない!『このゲーム会社』はイヤだ」と題した記事を載せている。

    「GREE、モバゲー(編集部注:DeNA社が運営するポータルサイト)など、スマホゲーム中心の会社はやはり行きたくない。あれくらいのゲームなら、会社でなくても個人で十分作れるはず」

    30代大手開発者は、記事中でこうコメントしている。24時間365日働く業務体制で、離職率が高いという声もあった。

    東洋経済の記事に対しては、「3年くらい前の記事かと思ったら今日付だった衝撃」「オワコン臭が…東大生ならもっと良い所あるだろ…」など、ネット上での反応も芳しくない。

    メガベンチャーは「箔付け」「腰掛け」?

    「御三家」の勢いは、AERAが賞賛した2年前とは変わっている。

    たとえばグリーは13年秋に希望退職を募っているし、最新の四半期決算では純利益45.8%減の98.3億円(10期第2四半期累計)。同じ指標だとDeNAも22.5%減の454.2億円(16期第3四半期累計)、サイバーも36.5%減の20.6億円(17期第1四半期)と、軒並みの減収だ。

    ツイッターなどでは「メガベンチャー」という呼び名に対し、「メガになった時点でベンチャーではないのでは」「大企業に入るのとあまり変わらない気がする」とするつぶやきもある。

    東大生には「その時代の一番人気の企業に入る」という競争意識しかないのかもしれないが、メガベンチャーは東大生の理想の職場になりうるのか。キャリコネの最新の口コミには、厳しい実情を明かす書き込みも見られる。

    「男性でも結構疲弊している人は多く、数年で辞めていく人たちをよく目にする」「仕事のために私生活などを犠牲にすることを強いられる」
    「いい加減にゲームやネットなどしている従業員が大半で、適当にやっている人間のほうが難なく出世したりしています」

    ただしネットには、要領のいい東大卒の優秀な学生にとって、メガベンチャーは自らのキャリアにおける「箔つけ」「腰掛け」の職場だと冷ややかに見る声も少なくなく、周囲の心配には及ばないのかもしれない。

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