かんぽ生命 新社長に損保ジャパン副社長 がんばっても給与上がらずと社員 2012年5月21日 今日の口コミ&年収 ツイート かんぽ生命保険は山下泉社長が会長に退き、損保ジャパンの石井雅実副社長を後任社長に迎える役員人事を決めた。遠藤丈介会長は退任する。6月の株主総会後の取締役会で正式決定する。 東京海上火災保険出身の遠藤会長と日銀出身の山下社長は、2006年の郵政民営化で発足した同社初代の会長と社長。遠藤会長は在任6年となり、また、難航した改正郵政民営化法が4月に成立したことから退任の意向を示したという。 2010年度末の同社の保険料収入は約7兆円で、2000年度の約15兆円をピークに減少し続けている。 同社の主力商品の養老保険が貯蓄型保険であるため、少子高齢化の進展でニーズが減少していることと、「郵政民営化後の法的束縛と、長年染み付いたお役所体質により市場ニーズの変化に対応できないのが要因」(関係者)といわれている。 実際は、どんな会社なのだろうか。キャリコネに寄せられた口コミを見てみよう。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 同社の雰囲気について派遣社員の40代前半の女性は、「全体的にのんびりしている」と述べ、「役所時代からの用語や仕事のやり方がそのまま引き継がれていて、少々独特」と、話している。 民間会社になっても中身は郵政時代とほとんど変わっていないようだ。しかし、給料だけは民間並みに下がった。そのためか、同社の口コミには給料に関する不満が多い。例えば、23歳の女性社員はこう書き込んでいる。 「給料は低いし、上がらない。上に行っても給料は低いままで、責任だけ増える。(略)天下りが多過ぎる」 また、28歳の男性社員は、どんなに頑張ってもさぼっても給与に大差がつかないと嘆いている。 「形式的には人事評価結果(A-Dの4段階)が給与に反映されるが、A評価でもボーナスにプラス10%程度、D評価でもマイナス10%程度とほとんど差がない」 さらに、旧態依然の役所体質が社員のモチベーションをなえさせているようだ。 「毎日毎日同じ手順で事務処理をすることに飽きてきたので、『少し手順を変えてみたらどうか』と提案したら、ベテラン職員に『天狗になるな』と怒られてしまった」と、20代後半の男性社員は書き込んでいる。 また、こう訴えている。 「決められたことを淡々とこなすしかないところが、この職場に数多くある辛いことの1つ」 この男性社員は、さらにこう断言している。 「この企業で仕事の面白みを見つけるのは至難の業。(略)向上心の強い人は決して入社すべきでない」 山下社長はある新聞のインタビューに「社員が明るく元気な、風通しの良い『いい会社』を作り上げてゆくことが非常に重要」と答えている。しかし、同社の口コミからは、そのために具体的な努力をした形跡がうかがえない。関係者は「民営化後の社内改革より霞が関との政治対応に忙殺されていたようだ」と話す。 これは、30代後半女性社員が次のように指摘していることからも推察できる。 「経営方針が現場に全く浸透せず、現場の管理職は経営の危機的状況をどうやれば打破できるのかを微塵も感じていない。また、やり方やノウハウもない」 関係者は「小泉政権により郵政事業が市場原理主義推進の道具にされて以来、自公民3党の政治的駆け引きに利用されるなど郵政事業は政治に翻弄され続けている」と語っている。 政治に翻弄される同社を政治から引き離し、いかにして民間の生保会社に立て直して行くのか、石井新社長の経営手腕が注目される。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年4月末現在、45万社、17万件の口コミが登録されています。
かんぽ生命 新社長に損保ジャパン副社長 がんばっても給与上がらずと社員
かんぽ生命保険は山下泉社長が会長に退き、損保ジャパンの石井雅実副社長を後任社長に迎える役員人事を決めた。遠藤丈介会長は退任する。6月の株主総会後の取締役会で正式決定する。
東京海上火災保険出身の遠藤会長と日銀出身の山下社長は、2006年の郵政民営化で発足した同社初代の会長と社長。遠藤会長は在任6年となり、また、難航した改正郵政民営化法が4月に成立したことから退任の意向を示したという。
2010年度末の同社の保険料収入は約7兆円で、2000年度の約15兆円をピークに減少し続けている。
同社の主力商品の養老保険が貯蓄型保険であるため、少子高齢化の進展でニーズが減少していることと、「郵政民営化後の法的束縛と、長年染み付いたお役所体質により市場ニーズの変化に対応できないのが要因」(関係者)といわれている。
実際は、どんな会社なのだろうか。キャリコネに寄せられた口コミを見てみよう。
【その他の口コミ&年収記事はこちら】
同社の雰囲気について派遣社員の40代前半の女性は、「全体的にのんびりしている」と述べ、「役所時代からの用語や仕事のやり方がそのまま引き継がれていて、少々独特」と、話している。
民間会社になっても中身は郵政時代とほとんど変わっていないようだ。しかし、給料だけは民間並みに下がった。そのためか、同社の口コミには給料に関する不満が多い。例えば、23歳の女性社員はこう書き込んでいる。
「給料は低いし、上がらない。上に行っても給料は低いままで、責任だけ増える。(略)天下りが多過ぎる」
また、28歳の男性社員は、どんなに頑張ってもさぼっても給与に大差がつかないと嘆いている。
「形式的には人事評価結果(A-Dの4段階)が給与に反映されるが、A評価でもボーナスにプラス10%程度、D評価でもマイナス10%程度とほとんど差がない」
さらに、旧態依然の役所体質が社員のモチベーションをなえさせているようだ。
「毎日毎日同じ手順で事務処理をすることに飽きてきたので、『少し手順を変えてみたらどうか』と提案したら、ベテラン職員に『天狗になるな』と怒られてしまった」と、20代後半の男性社員は書き込んでいる。
また、こう訴えている。
「決められたことを淡々とこなすしかないところが、この職場に数多くある辛いことの1つ」
この男性社員は、さらにこう断言している。
「この企業で仕事の面白みを見つけるのは至難の業。(略)向上心の強い人は決して入社すべきでない」
山下社長はある新聞のインタビューに「社員が明るく元気な、風通しの良い『いい会社』を作り上げてゆくことが非常に重要」と答えている。しかし、同社の口コミからは、そのために具体的な努力をした形跡がうかがえない。関係者は「民営化後の社内改革より霞が関との政治対応に忙殺されていたようだ」と話す。
これは、30代後半女性社員が次のように指摘していることからも推察できる。
「経営方針が現場に全く浸透せず、現場の管理職は経営の危機的状況をどうやれば打破できるのかを微塵も感じていない。また、やり方やノウハウもない」
関係者は「小泉政権により郵政事業が市場原理主義推進の道具にされて以来、自公民3党の政治的駆け引きに利用されるなど郵政事業は政治に翻弄され続けている」と語っている。
政治に翻弄される同社を政治から引き離し、いかにして民間の生保会社に立て直して行くのか、石井新社長の経営手腕が注目される。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年4月末現在、45万社、17万件の口コミが登録されています。