富士フイルム リコピンのナノ化に成功 具体性乏しい経営計画に社員は混乱 2012年6月19日 今日の口コミ&年収 ツイート 富士フイルムは、抗酸化機能の高い健康成分で知られるリコピンを、世界最小クラスの70ナノメートルまで安定的にナノ化した「ナノリコピン」を開発した。 富士フイルムはリコピンの抗酸化機能に着目し、安定的にナノ化するための研究してきた。その過程でリコピンがグルタチオン(皮膚細胞内の抗酸化成分)の産生を促進し、酸化ダメージによる皮膚細胞傷害を抑制することがわかった。 さらに、抗酸化機能を持つアスタキサンチンに「ナノリコピン」を浸透させると、アスタキサンチンの抗酸化持続性が3倍ほど向上することも発見した。 今後は「ナノリコピン」を使った紫外線などの酸化ダメージによる皮膚の老化を防ぐエイジングケア化粧品の開発を進める計画だ。 同社はデジタル化の影響で市場が世界的に縮小したことで、主力事業だった写真フィルム事業が2000年以降、売り上げが急速に減少。創業以来の経営危機に見舞われた。しかし、2005~6年度、2009~10年度の2度にわたるリストラにより写真フィルム事業を大幅に縮小。危機を回避した。 現在は創業80周年の13年度に向け策定した中期経営計画で新成長分野への事業構造転換を進めている。そんな同社の社内事情をキャリコネの口コミから見てみた。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 中期経営計画推進中の社内に関して、20代後半の男性社員は、次のように書き込んでいる。 「方針が頻繁に変わる。その度に納期が変更される。そのため、常に納期直前のような雰囲気であり、常時忙しい感じだ。残業も月80時間程度がサービス残業。その結果、社内は疲弊し切っており、社内の雰囲気もギスギスしている」 一方、30代後半の女性社員は、急な環境変化に対応できない上司や同僚に辟易している様子だ。 「新規事業に方向転換しようとしているのに、(従来の仕事に)凝り固まっている人が多い。また、無駄な仕事を増やす人が多く、人の足を引っ張るのが得意な人が多い。根本を理解せず、ルールを作ることに生き甲斐を感じている人が多く、本来の仕事をする時間が少ない」 経営陣に対する苦言もある。例えば、50代後半の男性社員は次のように指摘している。 「この事業は何が何でも推進すると言ったメッセージが聞こえてこない。そのため、一人で色々な課題を持つケースが多く、どれが重要な課題なのかわからないので、簡単に達成できそうな課題ばかりやることになりやすい。トップからは『選択と集中』の言葉が踊るが、実際の課題ではまったく選択されていない」 この男性の口コミからは、事業構造転換を先頭に立って進めている古森重隆社長自身も、試行錯誤で指揮を取っている様がうかがえる。 20代前半の女性社員の声は、若いだけにもっと直截的で辛らつだ。 「とにかく経営計画が数字ありきで、具体的な戦略が不十分。数値目標はトップダウンで策定されるものの実態がついてきていない。『何とか気合いで乗り切ろう!』の雰囲気。もっと市場、顧客、現場と対話して、地に足の着いた戦略を立案すべきであると感じる」 古森社長はある雑誌の取材に対して、二度にわたる1万人の大リストラで「筋肉質な会社に生まれ変わった」と話している。また「上司も口先だけでなく、現場で一緒に戦わなければならない」という“古森語録”もある。 だが、口コミを見ると、社員はトップの試行錯誤的な判断や具体性のない戦略に疑心暗鬼の様子だ。関係者は「リストラ前は社内の『方針理解と認識共有』を大事にする文化があり、社内論議が活発だった。リストラでこの文化が壊された。失ったものの代償は大きい」と話している。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年5月末現在、45万社、18万件の口コミが登録されています。
富士フイルム リコピンのナノ化に成功 具体性乏しい経営計画に社員は混乱
富士フイルムは、抗酸化機能の高い健康成分で知られるリコピンを、世界最小クラスの70ナノメートルまで安定的にナノ化した「ナノリコピン」を開発した。
富士フイルムはリコピンの抗酸化機能に着目し、安定的にナノ化するための研究してきた。その過程でリコピンがグルタチオン(皮膚細胞内の抗酸化成分)の産生を促進し、酸化ダメージによる皮膚細胞傷害を抑制することがわかった。
さらに、抗酸化機能を持つアスタキサンチンに「ナノリコピン」を浸透させると、アスタキサンチンの抗酸化持続性が3倍ほど向上することも発見した。
今後は「ナノリコピン」を使った紫外線などの酸化ダメージによる皮膚の老化を防ぐエイジングケア化粧品の開発を進める計画だ。
同社はデジタル化の影響で市場が世界的に縮小したことで、主力事業だった写真フィルム事業が2000年以降、売り上げが急速に減少。創業以来の経営危機に見舞われた。しかし、2005~6年度、2009~10年度の2度にわたるリストラにより写真フィルム事業を大幅に縮小。危機を回避した。
現在は創業80周年の13年度に向け策定した中期経営計画で新成長分野への事業構造転換を進めている。そんな同社の社内事情をキャリコネの口コミから見てみた。
【その他の口コミ&年収記事はこちら】
中期経営計画推進中の社内に関して、20代後半の男性社員は、次のように書き込んでいる。
「方針が頻繁に変わる。その度に納期が変更される。そのため、常に納期直前のような雰囲気であり、常時忙しい感じだ。残業も月80時間程度がサービス残業。その結果、社内は疲弊し切っており、社内の雰囲気もギスギスしている」
一方、30代後半の女性社員は、急な環境変化に対応できない上司や同僚に辟易している様子だ。
「新規事業に方向転換しようとしているのに、(従来の仕事に)凝り固まっている人が多い。また、無駄な仕事を増やす人が多く、人の足を引っ張るのが得意な人が多い。根本を理解せず、ルールを作ることに生き甲斐を感じている人が多く、本来の仕事をする時間が少ない」
経営陣に対する苦言もある。例えば、50代後半の男性社員は次のように指摘している。
「この事業は何が何でも推進すると言ったメッセージが聞こえてこない。そのため、一人で色々な課題を持つケースが多く、どれが重要な課題なのかわからないので、簡単に達成できそうな課題ばかりやることになりやすい。トップからは『選択と集中』の言葉が踊るが、実際の課題ではまったく選択されていない」
この男性の口コミからは、事業構造転換を先頭に立って進めている古森重隆社長自身も、試行錯誤で指揮を取っている様がうかがえる。
20代前半の女性社員の声は、若いだけにもっと直截的で辛らつだ。
「とにかく経営計画が数字ありきで、具体的な戦略が不十分。数値目標はトップダウンで策定されるものの実態がついてきていない。『何とか気合いで乗り切ろう!』の雰囲気。もっと市場、顧客、現場と対話して、地に足の着いた戦略を立案すべきであると感じる」
古森社長はある雑誌の取材に対して、二度にわたる1万人の大リストラで「筋肉質な会社に生まれ変わった」と話している。また「上司も口先だけでなく、現場で一緒に戦わなければならない」という“古森語録”もある。
だが、口コミを見ると、社員はトップの試行錯誤的な判断や具体性のない戦略に疑心暗鬼の様子だ。関係者は「リストラ前は社内の『方針理解と認識共有』を大事にする文化があり、社内論議が活発だった。リストラでこの文化が壊された。失ったものの代償は大きい」と話している。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年5月末現在、45万社、18万件の口コミが登録されています。