ルネサス 10工場を売却・閉鎖 社員の士気低下で再建は前途多難化か? 2012年7月12日 今日の口コミ&年収 ツイート ルネサスエレクトロニクスは今月3日、難航していた経営再建計画を発表した。昨年3月の東日本大震災により8工場が操業停止に追い込まれるなどの被害を受け、今年3月期の最終損益は626億円の赤字と2期連続の赤字を計上した。 今回の再建計画では、今後3年間で全国18工場のうち、10工場を売却または閉鎖し、5000人規模の早期退職者募集を実施。事業規模を縮小する。一方で、自動車向けを中心に好調なマイコン事業へ経営資源を集中する。 ルネサスは不振だった日立製作所と三菱電機の半導体部門を分離・統合し、「ルネサステクノロジ」として、2003年に設立された会社。2010年にはNECエレクトロニクスとの合併し、現社名に変更した。 計画を発表した赤尾泰社長は「マイコンの圧倒的優位の地位をさらに強化し、強靭な収益構造を実現する」と、経営再建に自信を見せた。経営再建は成功するのだろうか。キャリコネの口コミから同社の内情を見てみた。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 30代後半の男性社員は、直近の社内について、こう書き込んでいる。 「みんなやる気が感じられない。エンジニアも一部を除いて完全にやる気なし。(略)部長クラスは会議ばかりで、そのくせ何も進まない」 さらに「優秀な人間はすでに転職済み」ともべている。 また、30代前半の男性社員は「会議と報告書作成に時間をかけすぎ」と述べている。 「平均すると1日の3分の1は会議に参加し、もう3分の1で報告書を作成し、残りの3分の1で実際の作業を行うようなイメージ。新入社員から部長までとにかく内向けの作業ばかりに力を注いでいる。社員の1日の仕事の時間配分を見ると、顧客に対して付加価値を作り出せるような仕事には、ほとんど時間を割いていない」 20代後半の男性社員は、業績不振の要因は「経営方針の誤り」と次のように指摘している。 「経営方針で明確にしている柱となる製品と世界市場での動きがマッチしておらず、明らかな選択ミスがあった」 赤尾社長は業績不振の要因として「東日本大震災の被害とその後の景気悪化、リーマンショック後の世界市場の冷え込み」などを挙げている。つまりすべて外部要因のせいにしている。 しかし、野村克也氏(野球解説者)の語録に「負けに不思議なし」があるように、同社の業績不振は内部要因の方が大きいようだ。 「親会社3社に経営を束縛され、結局は3社の下請けのような事業展開しかできなかったのが根源的な不振要因」と、関係者は話している。 今回の再建計画も「3社間の駆け引きで決まったようなその場しのぎの内容。採算性が低いシステムLSI事業を整理できる見通しも立っておらず、強靭な収益構造実現とはほど遠い」と証券関係者は見ている。日立で半導体事業畑一筋を歩んできた赤尾社長の真価が注目される。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年6月末現在、45万社、18万件の口コミが登録されています。
ルネサス 10工場を売却・閉鎖 社員の士気低下で再建は前途多難化か?
ルネサスエレクトロニクスは今月3日、難航していた経営再建計画を発表した。昨年3月の東日本大震災により8工場が操業停止に追い込まれるなどの被害を受け、今年3月期の最終損益は626億円の赤字と2期連続の赤字を計上した。
今回の再建計画では、今後3年間で全国18工場のうち、10工場を売却または閉鎖し、5000人規模の早期退職者募集を実施。事業規模を縮小する。一方で、自動車向けを中心に好調なマイコン事業へ経営資源を集中する。
ルネサスは不振だった日立製作所と三菱電機の半導体部門を分離・統合し、「ルネサステクノロジ」として、2003年に設立された会社。2010年にはNECエレクトロニクスとの合併し、現社名に変更した。
計画を発表した赤尾泰社長は「マイコンの圧倒的優位の地位をさらに強化し、強靭な収益構造を実現する」と、経営再建に自信を見せた。経営再建は成功するのだろうか。キャリコネの口コミから同社の内情を見てみた。
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30代後半の男性社員は、直近の社内について、こう書き込んでいる。
「みんなやる気が感じられない。エンジニアも一部を除いて完全にやる気なし。(略)部長クラスは会議ばかりで、そのくせ何も進まない」
さらに「優秀な人間はすでに転職済み」ともべている。
また、30代前半の男性社員は「会議と報告書作成に時間をかけすぎ」と述べている。
「平均すると1日の3分の1は会議に参加し、もう3分の1で報告書を作成し、残りの3分の1で実際の作業を行うようなイメージ。新入社員から部長までとにかく内向けの作業ばかりに力を注いでいる。社員の1日の仕事の時間配分を見ると、顧客に対して付加価値を作り出せるような仕事には、ほとんど時間を割いていない」
20代後半の男性社員は、業績不振の要因は「経営方針の誤り」と次のように指摘している。
「経営方針で明確にしている柱となる製品と世界市場での動きがマッチしておらず、明らかな選択ミスがあった」
赤尾社長は業績不振の要因として「東日本大震災の被害とその後の景気悪化、リーマンショック後の世界市場の冷え込み」などを挙げている。つまりすべて外部要因のせいにしている。
しかし、野村克也氏(野球解説者)の語録に「負けに不思議なし」があるように、同社の業績不振は内部要因の方が大きいようだ。
「親会社3社に経営を束縛され、結局は3社の下請けのような事業展開しかできなかったのが根源的な不振要因」と、関係者は話している。
今回の再建計画も「3社間の駆け引きで決まったようなその場しのぎの内容。採算性が低いシステムLSI事業を整理できる見通しも立っておらず、強靭な収益構造実現とはほど遠い」と証券関係者は見ている。日立で半導体事業畑一筋を歩んできた赤尾社長の真価が注目される。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年6月末現在、45万社、18万件の口コミが登録されています。