売上増の東横イン、低コスト運営と現場丸投げの本部に社員は疲弊 2012年9月12日 今日の口コミ&年収 ツイート 格安ビジネスホテルの代表的存在となった東横イン。国内外で245店舗を展開する(2012年6月現在)。 同社の魅力は宿泊の安さだ。「宿泊特化型ホテル」をコンセプトに、自社サイトのみで予約を受け付けたり、客室設備を統一し簡素化するなどで、徹底的にコストを圧縮。低価格の料金を実現した。 この戦略は成功している。2011年度の決算は、売上高は621億4900万円。前年度比で59億1400万円の増収だった。稼働率は前年度比6.3%増の71.9%と伸びた。 一方、同社を巡っては近年さまざまな問題もあった。 2006年には、ホテル施設内のバリアフリー設備を行政の検査後に、違法改造によって撤去していたことが発覚。当時の西田憲正社長が無責任な発言をしたことで世間から批判を浴びた。 東日本大震災直後には、岩手、宮城、福島、茨城県にある同社ホテルで、宿泊客に対し、「地震で生ずる断水などの被害については、自己責任であり、損害賠償請求を行うことは一切ありません」などの内容の誓約書を署名させ、損害賠償請求の放棄を要求していたことが明らかになった。 業績は堅調だが、不祥事も起こしている東横イン。実際はどんな会社なのだろうか。キャリコネの口コミから見てみよう。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 東横インでは女性が中心の職場だと言う。フロアスタッフで働く20代前半の男性が、こう説明する。 「スタッフ、管理職、支配人がほとんど女性の会社です。ここ最近男性スタッフの採用を始めているが一店舗につき多くて3人くらいだと思います」 安い料金を提供するためにローコストオペレーションを徹底している同社だが、その分、社員一人への負担は大きい。40代前半の女性社員は、こう言う。 「小さな店舗だと店舗の管理は全部支配人がする。人事や建物の管理、スタッフの育成、報告書等がありほとんど接客ができない状態」 一方、各ホテルの運営を管理する本部は、現場のこうした苦労を知らないようだ。20代前半の女性社員は、こう話している。 「社内環境は本部が決定したことをホテルにやれ、とまる投げなのでホテル内の温度と本部の温度は違いすぎる。ホテル内はある意味団結していると思う」 地方では格安ホテルチェーンの競争が加熱している。他ホテルに勝つためには本部とホテルとの連携、労働環境の改善による接客サービスの充実といった点がリピートされ続けるためのポイントになるだろう。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年8月末現在、45万社、19万件の口コミが登録されています。
売上増の東横イン、低コスト運営と現場丸投げの本部に社員は疲弊
格安ビジネスホテルの代表的存在となった東横イン。国内外で245店舗を展開する(2012年6月現在)。
同社の魅力は宿泊の安さだ。「宿泊特化型ホテル」をコンセプトに、自社サイトのみで予約を受け付けたり、客室設備を統一し簡素化するなどで、徹底的にコストを圧縮。低価格の料金を実現した。
この戦略は成功している。2011年度の決算は、売上高は621億4900万円。前年度比で59億1400万円の増収だった。稼働率は前年度比6.3%増の71.9%と伸びた。
一方、同社を巡っては近年さまざまな問題もあった。
2006年には、ホテル施設内のバリアフリー設備を行政の検査後に、違法改造によって撤去していたことが発覚。当時の西田憲正社長が無責任な発言をしたことで世間から批判を浴びた。
東日本大震災直後には、岩手、宮城、福島、茨城県にある同社ホテルで、宿泊客に対し、「地震で生ずる断水などの被害については、自己責任であり、損害賠償請求を行うことは一切ありません」などの内容の誓約書を署名させ、損害賠償請求の放棄を要求していたことが明らかになった。
業績は堅調だが、不祥事も起こしている東横イン。実際はどんな会社なのだろうか。キャリコネの口コミから見てみよう。
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東横インでは女性が中心の職場だと言う。フロアスタッフで働く20代前半の男性が、こう説明する。
「スタッフ、管理職、支配人がほとんど女性の会社です。ここ最近男性スタッフの採用を始めているが一店舗につき多くて3人くらいだと思います」
安い料金を提供するためにローコストオペレーションを徹底している同社だが、その分、社員一人への負担は大きい。40代前半の女性社員は、こう言う。
「小さな店舗だと店舗の管理は全部支配人がする。人事や建物の管理、スタッフの育成、報告書等がありほとんど接客ができない状態」
一方、各ホテルの運営を管理する本部は、現場のこうした苦労を知らないようだ。20代前半の女性社員は、こう話している。
「社内環境は本部が決定したことをホテルにやれ、とまる投げなのでホテル内の温度と本部の温度は違いすぎる。ホテル内はある意味団結していると思う」
地方では格安ホテルチェーンの競争が加熱している。他ホテルに勝つためには本部とホテルとの連携、労働環境の改善による接客サービスの充実といった点がリピートされ続けるためのポイントになるだろう。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年8月末現在、45万社、19万件の口コミが登録されています。