「体育会系」大和ハウスによる「都会派」コスモスイニシアの買収 水と油でうまくいかない? 2013年5月9日 今日の口コミ&年収 ツイート 大和ハウス工業は、マンション開発・分譲のコスモスイニシア(旧リクルートコスモス)を買収する。6月27日にコスモスが実施する第三者割当を全て引き受け、発行済み株式数の64.1%を取得して子会社化する。 戸建て住宅が主力の大和ハウスは、12年のマンション発売戸数で5位となったが、その半数以上が首都圏・近畿圏以外の地方での発売。一方、コスモスは近年全体での発売戸数を減らしているものの、12年の首都圏では8位と強みを持っている。 首都圏は言わずと知れた国内最大のマーケット。人口減や少子高齢化の影響で住宅市場が縮小する中、大和ハウスにとっては首都圏での比率をあげることは急務だ。 2009年に債務超過に陥り、事業再生ADRによる再生計画期間を終えたばかりのコスモスにとっても、買収は財務基盤の強化につながる。 両者の思惑が合致し、新たな「首都圏ブランド」を確立できれば、野村不動産や三井不動産レジデンシャルなどの業界上位に食い込むことは確実のようにも見える。 しかし住宅業界の事情通は、大和ハウスとコスモスの社風は「水と油」であり、異なる社風に馴染めない優秀な社員から退職するのではないかと危惧している。 キャリコネの口コミを見ると、それを裏付ける書き込みが確かに見られる。30代で派遣社員として働いた女性社員は、大阪・梅田に本社を置く大和ハウスの雰囲気をこう振り返る。 「朝から全員でラジオ体操必須、朝礼は社訓を全員で読み上げる、よく言えば体育会系の元気のある社風、悪く言えば軍隊のような会社でした。関西系なので、社風も商人気質が強い感じがしました。お洒落でスマート系な会社ではないことは確かでした(笑)」 男性の経理社員も、関西出身者が多いので社内には関西弁が飛び交っており、「非関西出身者も周囲に触発されて次第に関西訛りになっていく傾向がある」と明かす。 大和ハウスの会長兼CEOは「社員にビンタ」で物議 一方、20代のころにコスモスで働いていた女性派遣社員は、大和ハウスと対照的な社風について感想を述べている。 「社風は、都会的で自由で、オシャレな感じがします。若い従業員も多いです。でも、自由だから、なあなあなのかという感じではなく、きちんと、やることはやっているという感じです。高学歴で、頭の良い人が多い印象です」 女性の出世についても、事業再生時に一気に数は減ったものの、「女だから裏方の仕事をするという感じは全くなく、同等の扱い」だったという。30代の女性契約社員も、女性の働きやすさへの配慮を強く感じたという。 「育児休暇を取得する女性社員はとても多く、会社も理解がある。過去に男性社員が育児休暇を取得したこともある」 このような自由な社風は、買収後も維持されるのだろうか。大和ハウスの樋口武男会長兼CEOは、かつて日本経済新聞の「私の履歴書」で、遅刻をする社員にビンタをしたり営業目標を達成できなかった管理職の胸ぐらをつかんで責め立てたと書き、非難を浴びた。 今回は合併ではなく子会社化なので、独立性はある程度保たれるだろうが、暴力的なマネジメントが導入されようものなら、コスモスの優秀な社員から辞めていくことはあるかもしれない。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】
「体育会系」大和ハウスによる「都会派」コスモスイニシアの買収 水と油でうまくいかない?
大和ハウス工業は、マンション開発・分譲のコスモスイニシア(旧リクルートコスモス)を買収する。6月27日にコスモスが実施する第三者割当を全て引き受け、発行済み株式数の64.1%を取得して子会社化する。
戸建て住宅が主力の大和ハウスは、12年のマンション発売戸数で5位となったが、その半数以上が首都圏・近畿圏以外の地方での発売。一方、コスモスは近年全体での発売戸数を減らしているものの、12年の首都圏では8位と強みを持っている。
首都圏は言わずと知れた国内最大のマーケット。人口減や少子高齢化の影響で住宅市場が縮小する中、大和ハウスにとっては首都圏での比率をあげることは急務だ。
2009年に債務超過に陥り、事業再生ADRによる再生計画期間を終えたばかりのコスモスにとっても、買収は財務基盤の強化につながる。
両者の思惑が合致し、新たな「首都圏ブランド」を確立できれば、野村不動産や三井不動産レジデンシャルなどの業界上位に食い込むことは確実のようにも見える。
しかし住宅業界の事情通は、大和ハウスとコスモスの社風は「水と油」であり、異なる社風に馴染めない優秀な社員から退職するのではないかと危惧している。
キャリコネの口コミを見ると、それを裏付ける書き込みが確かに見られる。30代で派遣社員として働いた女性社員は、大阪・梅田に本社を置く大和ハウスの雰囲気をこう振り返る。
「朝から全員でラジオ体操必須、朝礼は社訓を全員で読み上げる、よく言えば体育会系の元気のある社風、悪く言えば軍隊のような会社でした。関西系なので、社風も商人気質が強い感じがしました。お洒落でスマート系な会社ではないことは確かでした(笑)」
男性の経理社員も、関西出身者が多いので社内には関西弁が飛び交っており、「非関西出身者も周囲に触発されて次第に関西訛りになっていく傾向がある」と明かす。
大和ハウスの会長兼CEOは「社員にビンタ」で物議
一方、20代のころにコスモスで働いていた女性派遣社員は、大和ハウスと対照的な社風について感想を述べている。
「社風は、都会的で自由で、オシャレな感じがします。若い従業員も多いです。でも、自由だから、なあなあなのかという感じではなく、きちんと、やることはやっているという感じです。高学歴で、頭の良い人が多い印象です」
女性の出世についても、事業再生時に一気に数は減ったものの、「女だから裏方の仕事をするという感じは全くなく、同等の扱い」だったという。30代の女性契約社員も、女性の働きやすさへの配慮を強く感じたという。
「育児休暇を取得する女性社員はとても多く、会社も理解がある。過去に男性社員が育児休暇を取得したこともある」
このような自由な社風は、買収後も維持されるのだろうか。大和ハウスの樋口武男会長兼CEOは、かつて日本経済新聞の「私の履歴書」で、遅刻をする社員にビンタをしたり営業目標を達成できなかった管理職の胸ぐらをつかんで責め立てたと書き、非難を浴びた。
今回は合併ではなく子会社化なので、独立性はある程度保たれるだろうが、暴力的なマネジメントが導入されようものなら、コスモスの優秀な社員から辞めていくことはあるかもしれない。
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