シャープ 社長交代と定期昇給凍結 給与・仕事に社員は不満足 2012年3月15日 今日の口コミ&年収 ツイート シャープは14日、奥田隆司常務執行役員(58)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。片山幹雄社長は会長に就任する。また、2012年春の労使交渉で定期昇給(定昇)の一時凍結を労働組合に申し入れた。 同社は12年3月期の連結最終損益が2900億円の赤字となる見通し。経営体制の刷新と、コスト削減を急ぐ考えだ。 液晶事業に注力し、薄型テレビや携帯電話といったAV・デジタル家電業界をリードして来たシャープ。 しかし、需要が一巡し、韓国サムスン電子などの海外勢の追い上げもあって、成長の波が止まった格好だ。 厳しい事態に直面しているシャープだが、社内はどのような状況なのだろうか。キャリコネに寄せられた口コミから見てみよう。 ◇ シャープの平均給与は710万円(2011年3月末)。報酬について、海外営業の男性社員(38)は 「同業と比較して、低い。世間での評価が報酬に反映されていない」 と不満を漏らしている。この男性はその理由を次のように説明している。 「組合が全く機能しておらず、報酬に関しては、ほとんど会社のいいなり状態で主張がない」 こうした状況を見ると、今回の定昇の一時凍結もほぼ避けられないようだ。 一方、業績の立て直しには、世界をリードしてきたと言われる液晶をはじめとする技術が今後も重要なになってくるが、この点について、20代前半のAVシステム技術の男性社員はビックリするような意見を述べている。 「純粋な技術をやりたい人は絶対に入社してはいけない会社、それがシャープです」 この男性社員の話が続く。 「主力製品である液晶テレビの設計でさえ設計開発の業務を担当している人はいません。やってる内容は製品化のために必要な各種書類業務ばかり。技術部、開発部とは名ばかりで実際は設計などの業務はやらない。そのため回路設計やソフト開発の仕事に強い魅力を感じて入社してくるやる気のある有名大学出身の若手がよく辞めて、別のメーカーへ転職していく」 さらに、生産現場でも苦労が多いという。 「非常に短期間で量産するという指示が突然トップダウンで下りてくる。しかし、それに見合った体制・ルールが組まれていない上に、逆らうことが許されない」 と話すのは30代後半の男性社員だ。この男性社員の話が続く。 「守れないことがあると末端の担当者まで責められるため、モチベーションが上がらない。管理職は現場の状況を分かってはいるが、上には逆らえない雰囲気があるため、皺寄せを部下に押し付けてくる」 どうやら現場はかなり疲弊しているようだ。 過去AV・家電分野においてさまざまなヒット商品で実績を上げてきたシャープ。しかし、社員の目線は厳しいようだ。経理の男性社員(24)は自社について次のように指摘している。 「色々な独特な企業文化を持ったため成長してきたと言われているが、企業戦略の方向性が定まっておらず、正直なところ液晶が当たったため運良く成長できた企業のように感じる。言わば大きな中小企業であるため、将来的に真の大企業に脱皮できるか非常に疑わしい」 新体制で業績の立て直しを図るシャープだが、赤字の液晶テレビのテコ入れや海外展開の拡大だけではなく、社員の士気向上にも目を向ける必要があるだろう。奥田新体制に求められるものは多大だ。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年2月末現在、45万社、16万6000件の口コミが登録されています。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】
シャープ 社長交代と定期昇給凍結 給与・仕事に社員は不満足
シャープは14日、奥田隆司常務執行役員(58)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。片山幹雄社長は会長に就任する。また、2012年春の労使交渉で定期昇給(定昇)の一時凍結を労働組合に申し入れた。
同社は12年3月期の連結最終損益が2900億円の赤字となる見通し。経営体制の刷新と、コスト削減を急ぐ考えだ。
液晶事業に注力し、薄型テレビや携帯電話といったAV・デジタル家電業界をリードして来たシャープ。
しかし、需要が一巡し、韓国サムスン電子などの海外勢の追い上げもあって、成長の波が止まった格好だ。
厳しい事態に直面しているシャープだが、社内はどのような状況なのだろうか。キャリコネに寄せられた口コミから見てみよう。
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シャープの平均給与は710万円(2011年3月末)。報酬について、海外営業の男性社員(38)は
「同業と比較して、低い。世間での評価が報酬に反映されていない」
と不満を漏らしている。この男性はその理由を次のように説明している。
「組合が全く機能しておらず、報酬に関しては、ほとんど会社のいいなり状態で主張がない」
こうした状況を見ると、今回の定昇の一時凍結もほぼ避けられないようだ。
一方、業績の立て直しには、世界をリードしてきたと言われる液晶をはじめとする技術が今後も重要なになってくるが、この点について、20代前半のAVシステム技術の男性社員はビックリするような意見を述べている。
「純粋な技術をやりたい人は絶対に入社してはいけない会社、それがシャープです」
この男性社員の話が続く。
「主力製品である液晶テレビの設計でさえ設計開発の業務を担当している人はいません。やってる内容は製品化のために必要な各種書類業務ばかり。技術部、開発部とは名ばかりで実際は設計などの業務はやらない。そのため回路設計やソフト開発の仕事に強い魅力を感じて入社してくるやる気のある有名大学出身の若手がよく辞めて、別のメーカーへ転職していく」
さらに、生産現場でも苦労が多いという。
「非常に短期間で量産するという指示が突然トップダウンで下りてくる。しかし、それに見合った体制・ルールが組まれていない上に、逆らうことが許されない」
と話すのは30代後半の男性社員だ。この男性社員の話が続く。
「守れないことがあると末端の担当者まで責められるため、モチベーションが上がらない。管理職は現場の状況を分かってはいるが、上には逆らえない雰囲気があるため、皺寄せを部下に押し付けてくる」
どうやら現場はかなり疲弊しているようだ。
過去AV・家電分野においてさまざまなヒット商品で実績を上げてきたシャープ。しかし、社員の目線は厳しいようだ。経理の男性社員(24)は自社について次のように指摘している。
「色々な独特な企業文化を持ったため成長してきたと言われているが、企業戦略の方向性が定まっておらず、正直なところ液晶が当たったため運良く成長できた企業のように感じる。言わば大きな中小企業であるため、将来的に真の大企業に脱皮できるか非常に疑わしい」
新体制で業績の立て直しを図るシャープだが、赤字の液晶テレビのテコ入れや海外展開の拡大だけではなく、社員の士気向上にも目を向ける必要があるだろう。奥田新体制に求められるものは多大だ。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年2月末現在、45万社、16万6000件の口コミが登録されています。
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