コンビニ店長の人気ブログ閉鎖 「職場ネタ」はどこまで許されるのか? 2013年11月1日 キャリコネ調査班 ツイート 人気ブログ「24時間残念営業」が2013年10月31日までに閉鎖された。ブログはコンビニ店長の男性が、店での日々のあれこれを綴ったもの。商品などへの苦言もあり、「MK2」というアカウント名でツイッターへの投稿も行っていた。 ところが、31日のツイートで 「今後、いかなるかたちでも、このハンドルでネット上で活動することはありません」 と閉鎖を告知し、ブログも見られなくなってしまった。 匿名だったが、店舗が特定されかねない材料も 閉鎖理由としてMK2氏はツイッターで、 「アカウント削除につきましては、もう本当にどうにもならない事情によるもの」 「やめなきゃいけない理由としては最大のものです。お察しください」 と明かし、第三者による何らかの働きかけがあったことを匂わせた。 過去のエントリーでは鋭い指摘をする一方で、脇が甘い部分も見られた。「コンビニの蝟集(いしゅう)の問題をおしっこ我慢しながら書いた」という記事では、 「(店の前にたむろする若者に対して)それはもう執拗にいやがらせを繰り返しましたので、地域における学生の評価は最低レベル」 と利用者の反発を買いそうな記述をしている。また「コンビニのおにぎりが変わり映えしない理由」というエントリーでは、商品の問題を鋭く指摘する。中には、 「ブランを使ったパンですとかデザートですとか。ほかにもなんかいろいろあったと思うんですけど、売れねえんで全部忘れた」 とフランチャイズ名を特定されかねないものもあった。店舗を特定する情報を集めて、 恨みを募らせた利用者が本部に通報したのかもしれない。ツイッターでも、 「予約商材気に入らないんでまったくやってませんでした。(略)めんどくさいし」 など、店舗指導をするエリアマネジャーが眉をひそめそうな投稿もあった。筆者が特定されれば会社からクレームを受けるおそれはある。 ただ、店舗やフランチャイズの名前を明らかにしたわけではなく、記述としてグレーといえなくもない。 (最新記事はこちら) 実害が出ていなくても「社内ルール違反」で処分可能 そもそも、店長はどこまで店のネタを書いていいのか。職場の問題に詳しい社会保険労務士の藤井恵介氏は、ブログの書き込みによって会社に実害が生じれば、会社から損害賠償を請求されるだろうと指摘する。 また、実際に損害が生じる前でも、社内ルールに反していれば処分を受けることがある。会社は従業員のソーシャルメディアへの書き込みには敏感になっており、 「『2ちゃんねるに会社のことを書かない』とか、『ブログやツイッターで会社のことは書かない』という内容のガイドラインを周知しています」 という大手メーカーもある。社員個人の意見が、会社の見解と取られては困るからだ。 この問題を回避するために、外資系IT企業などではあえて実名と勤務先を明記したソーシャルメディア活用を奨励し、そのうえで「必ずしも会社の立場、戦略、意見を代表するものではありません」と注記することを求めている。 彼が会社の社員ではなく、オーナー店長の場合であっても同様だ。フランチャイズを運営する会社は加盟店とフランチャイズ契約を結び、ネットへの書き込みなどの守秘義務に関する条項を設けている可能性が高い。違反すれば契約解除もありうる。 なお、ネットでは、 「いつでも、どのような形であれ、あなたの文章を楽しみにしています」 と「24時間残念営業」の閉鎖を惜しむ声が複数寄せられている。 (最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)
コンビニ店長の人気ブログ閉鎖 「職場ネタ」はどこまで許されるのか?
人気ブログ「24時間残念営業」が2013年10月31日までに閉鎖された。ブログはコンビニ店長の男性が、店での日々のあれこれを綴ったもの。商品などへの苦言もあり、「MK2」というアカウント名でツイッターへの投稿も行っていた。
ところが、31日のツイートで
と閉鎖を告知し、ブログも見られなくなってしまった。
匿名だったが、店舗が特定されかねない材料も
閉鎖理由としてMK2氏はツイッターで、
と明かし、第三者による何らかの働きかけがあったことを匂わせた。
過去のエントリーでは鋭い指摘をする一方で、脇が甘い部分も見られた。「コンビニの蝟集(いしゅう)の問題をおしっこ我慢しながら書いた」という記事では、
と利用者の反発を買いそうな記述をしている。また「コンビニのおにぎりが変わり映えしない理由」というエントリーでは、商品の問題を鋭く指摘する。中には、
とフランチャイズ名を特定されかねないものもあった。店舗を特定する情報を集めて、 恨みを募らせた利用者が本部に通報したのかもしれない。ツイッターでも、
など、店舗指導をするエリアマネジャーが眉をひそめそうな投稿もあった。筆者が特定されれば会社からクレームを受けるおそれはある。
ただ、店舗やフランチャイズの名前を明らかにしたわけではなく、記述としてグレーといえなくもない。
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実害が出ていなくても「社内ルール違反」で処分可能
そもそも、店長はどこまで店のネタを書いていいのか。職場の問題に詳しい社会保険労務士の藤井恵介氏は、ブログの書き込みによって会社に実害が生じれば、会社から損害賠償を請求されるだろうと指摘する。
また、実際に損害が生じる前でも、社内ルールに反していれば処分を受けることがある。会社は従業員のソーシャルメディアへの書き込みには敏感になっており、
という大手メーカーもある。社員個人の意見が、会社の見解と取られては困るからだ。
この問題を回避するために、外資系IT企業などではあえて実名と勤務先を明記したソーシャルメディア活用を奨励し、そのうえで「必ずしも会社の立場、戦略、意見を代表するものではありません」と注記することを求めている。
彼が会社の社員ではなく、オーナー店長の場合であっても同様だ。フランチャイズを運営する会社は加盟店とフランチャイズ契約を結び、ネットへの書き込みなどの守秘義務に関する条項を設けている可能性が高い。違反すれば契約解除もありうる。
なお、ネットでは、
と「24時間残念営業」の閉鎖を惜しむ声が複数寄せられている。
(最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)