増える「Facebookやめた宣言」 「リア充アピール」がうざい理由 2013年11月3日 キャリコネ調査班 ツイート アウンコンサルティングの調査によると、日本のFacebook人口は2013年5月時点で約1380万人。25歳から64歳までの日本国民の4人に1人は、アカウントを持っている計算になる。 ところが13年1月には、前年9月からマイナス10.97%という大幅減少を示していた。1月から5月までは横ばいだが、かつての増加の勢いは影を潜めた。おそらく新しく始める人と、やめる人が拮抗しているのだろう。 楽しい近況の共有が「劣等感」を刺激する 都内で勤務する会社員の女性(29)は、2年続けたFacebookをやめた。友人とコミュニケーションが取れなくなる不安はあったが、交流が切れる友人は「その程度の関係だった」と割りきってアカウントを消した。 「大切な友人とは、今ではメールや電話、LINEを使って連絡し、実際に会うことを大事にしています。人間関係がすっきりしましたね」 ブログやTwitterにも「Facebookめんどい」「いろいろとだるいからやめたい」といった書き込みが見られ、「私も!」と同意する意見もある。そんな人が増えている理由を、心理カウンセラーの山田耕治さんに聞いてみると…。 「本来楽しかったはずの他者とのつながりを止めたくなる理由には、Facebookが劣等感の刺激になっていることが考えられます」 Facebookの機能のポイントは、日記のように日付をつけて出来事を書き込めること。それを他人が見ているページに挿入できるので、お互いの近況を確実に共有するには便利だが、他人から押し付けられたと感じることもある。 Twitterのように140字という制約もなく、思う存分書き込める。写真を掲載できる機能もあるので、「楽しかったこと」「嬉しかったこと」を他人と共有したい気持ちに火を点ける。 (最新記事はこちら) 他人のリア充アピールなんて「どうでもいい」 それ自体は悪いことではないが、行き過ぎるといわゆる「リア充アピール」につながりやすいのだ。特に悩みを抱えた人や、退屈な休日を過ごさざるをえない人には、それを目にすることは煩わしい。 最初は楽しんでいた人も、いつしか「他人が何食べてるとか何してるとか、どうでもいい」という心境になってしまうのである。 それでもFacebookが、これまで大勢の人に広まっていたのは事実。この理由を山田さんはこう説明する。 「人は『リア充アピール』で自分の存在価値を証明しようとします。それを一方的に発信して価値を既成事実にできるうえ、『いいね!』という肯定的な反応によって承認してもらえるところが、爆発的に広まった要因だと思います」 リア充アピールできない人も、有名人とつながりを持ち、書き込みに「いいね!」やコメント返しをし、「おっしゃる通りです!」「シェアさせていただきます!」と書くことで「リア充の仲間入り」をした気分になる。 それがいつしか負担に感じ、疲れにつながってしまう。誰かに喜んでもらおう、応援したいと頑張ってコミュニケーションを取る人に、そうした傾向は強い。 スルーしても「許される世界」にしておくことが大事 「元々は本当に『いいね!』と思って押していたのが、いつのまにか強迫観念になってしまい、『いいねしないと、あの人に嫌われるんじゃないか。存在が肯定されないんじゃないか』などと思ってしまうんです」 そのうち、本当は自分が有名人でも何でもないことや、単なる支持者として利用されていることに気づき、行為が虚しく思えてくる。自分ひとりが「いいね!」を押さなくても、有名人は何ひとつ変わらない。 実は「リア充アピール」する側にも劣等感があるので、周囲はそんなことに振り回される必要はないのだが。 山田さんはFacebookを過剰にチェックするのをやめるなど、友達と心理的に「くっつきすぎない」ことを勧める。自分には自分の使い方があり、他人とは違うことを恐れる必要はない。 「お互い適度にスルーできる関係は大事です。それが相互に許される世界にしておきましょう。信頼関係があれば、完全な双方向のコミュニケーションでなくともいいはずです」 (最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)
増える「Facebookやめた宣言」 「リア充アピール」がうざい理由
アウンコンサルティングの調査によると、日本のFacebook人口は2013年5月時点で約1380万人。25歳から64歳までの日本国民の4人に1人は、アカウントを持っている計算になる。
ところが13年1月には、前年9月からマイナス10.97%という大幅減少を示していた。1月から5月までは横ばいだが、かつての増加の勢いは影を潜めた。おそらく新しく始める人と、やめる人が拮抗しているのだろう。
楽しい近況の共有が「劣等感」を刺激する
都内で勤務する会社員の女性(29)は、2年続けたFacebookをやめた。友人とコミュニケーションが取れなくなる不安はあったが、交流が切れる友人は「その程度の関係だった」と割りきってアカウントを消した。
ブログやTwitterにも「Facebookめんどい」「いろいろとだるいからやめたい」といった書き込みが見られ、「私も!」と同意する意見もある。そんな人が増えている理由を、心理カウンセラーの山田耕治さんに聞いてみると…。
Facebookの機能のポイントは、日記のように日付をつけて出来事を書き込めること。それを他人が見ているページに挿入できるので、お互いの近況を確実に共有するには便利だが、他人から押し付けられたと感じることもある。
Twitterのように140字という制約もなく、思う存分書き込める。写真を掲載できる機能もあるので、「楽しかったこと」「嬉しかったこと」を他人と共有したい気持ちに火を点ける。
(最新記事はこちら)
他人のリア充アピールなんて「どうでもいい」
それ自体は悪いことではないが、行き過ぎるといわゆる「リア充アピール」につながりやすいのだ。特に悩みを抱えた人や、退屈な休日を過ごさざるをえない人には、それを目にすることは煩わしい。
最初は楽しんでいた人も、いつしか「他人が何食べてるとか何してるとか、どうでもいい」という心境になってしまうのである。
それでもFacebookが、これまで大勢の人に広まっていたのは事実。この理由を山田さんはこう説明する。
リア充アピールできない人も、有名人とつながりを持ち、書き込みに「いいね!」やコメント返しをし、「おっしゃる通りです!」「シェアさせていただきます!」と書くことで「リア充の仲間入り」をした気分になる。
それがいつしか負担に感じ、疲れにつながってしまう。誰かに喜んでもらおう、応援したいと頑張ってコミュニケーションを取る人に、そうした傾向は強い。
スルーしても「許される世界」にしておくことが大事
そのうち、本当は自分が有名人でも何でもないことや、単なる支持者として利用されていることに気づき、行為が虚しく思えてくる。自分ひとりが「いいね!」を押さなくても、有名人は何ひとつ変わらない。
実は「リア充アピール」する側にも劣等感があるので、周囲はそんなことに振り回される必要はないのだが。
山田さんはFacebookを過剰にチェックするのをやめるなど、友達と心理的に「くっつきすぎない」ことを勧める。自分には自分の使い方があり、他人とは違うことを恐れる必要はない。
(最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)