ブラック企業をのさばらせる「社畜」度チェック
ブラック企業問題がクローズアップされるにしたがって、「社畜」という言葉もよく耳にするようになりました。実は、社畜はブラック企業と切っても切れない関係にあり、「社畜がブラック企業をのさばらせている」という批判も少なくありません。そもそも社畜とは何か、社畜になりやすいのはどんな人かを考えてみましょう。
社畜とは?
社畜は昭和期に誕生した造語であるため、その意味はまだ明確には定義されていません。しかし多くの場合、「会社に飼いならされている家畜」、「会社の言うことを何でも聞く奴隷」といった皮肉を込めて用いられています。
「会社人間」や「仕事中毒(ワーカホリック)」などの言葉と違い、「自分の考えや信念、良心を放棄し、命じられるままに働く」という意味合いが強く込められているのが特徴です。さらにそこから、「セルフマネジメントできない」、「効率よく働くことができない」、「みんなと一緒でなければ行動できない」といったネガティブな意味も込められるようになっています。
なぜ社畜がブラック企業をのさばらせるのか
上記の通り、社畜は自分で考え、行動することができません。セルフマネジメントも作業の効率化も苦手です。上司や経営者が命じた通りに働くことしかできないので、自分のキャリアやワークライフバランスを批判的に検討・改善することもありません。これはブラック企業にとって非常に「都合のいい社員」です。
また社畜は自分の頭で判断できないので、周囲に合わせて動こうとします。それだけならいいのですが、社畜は他の人にも集団行動を強いる傾向があります。「みんな休日出勤してるんだからお前も出勤しろ!」、「一人だけ飲み会不参加なんてありえない」といった言葉で個人行動を批判するわけです。これもまた、ブラック企業にとっては都合のいいことです。
「自分の頭で考えない」、「個人行動を許さない」といった社畜たちが社内で増えると、過重労働や恐怖マネジメント、パワハラ・セクハラなどを正そうとする現場からの声は次第になくなっていきます。その結果的、ブラック企業をのさばらせてしまうのです。
社畜になりやすいタイプの特徴
以下のリストに、社畜になりやすい人の特徴をまとめてみました。まずは自分に当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。
- 有給休暇を取るのに罪悪感がある
- 病気で休んでいる同僚に怒りを覚えることがある
- どんな内容でも、会社の命令には従うのは社会人として当然だ
- 上司が残業しているのなら、部下も残業すべきだと思う
- 会社の飲み会は全員参加するべきだと思う
- みんなが我慢しているのなら、自分も我慢しようと考える
- 新入社員が残業代を請求することは甘えだと思う
- 今の会社で定年まで雇ってもらえるはずだ
- 転職した人は逃げ出しただけだと思う
- サービス残業・休日出勤している自分が誇らしい
- 仕事で時間的余裕がなくなることが多い
このリストに4つ以上当てはまれば社畜予備軍、6つ以上当てはまればすでに社畜である可能性が高いです。知らず知らずのうちに、ブラック企業を手助けしている可能性があります。
社畜にならないために
社畜にならないためには、自分の頭で物事を考えるようにすることが重要です。「もっと効率的なやり方はないのか」、「本当にこのままでいいのか」など、自分に問いかけながら働く姿勢を身につけましょう。特に時間の使い方は重要です。自分で「この業務はこの時間内に終わらせる!」と、日ごろから訓練しておくといいでしょう。
その上で、現在の勤務先に依存しない働き方を模索してみてください。今の職場をクビになっても他社でやっていけるか? やっていけないとしたら、どんなスキル・経験を身につけなければいけないのか? 「会社から放り出されても生きていける自分」を確立することが、社畜から脱出するための第一歩です。