過去最高益だからこそ工場閉鎖&希望退職 JT社長の「大リストラ」論 2014年2月4日 企業徹底研究 ツイート 2014年2月2日付け日本経済新聞に、日本たばこ産業(JT)の小泉光臣社長のインタビューが掲載されている。目を引くのは、過去最高益でも大リストラをする理由に言及している部分だ。 「社員に誠意を持って対応できる最高益の今こそ、リストラをやるべきだ」 JTで予定されるリストラの規模は、かなり大きい。国内9工場中4工場の閉鎖に加え、本社従業員の2割弱にあたる1600人の希望退職を募るという。 日本企業のリストラは、経営が立ち行かなくなってから着手するものとされている。会社に少しでも余裕があるうちに整理解雇を行うと、裁判で「不当解雇」といわれるので、倒産するギリギリまで雇用を守らなければならないのだ。 「第二の人生へのサポート」を手厚く しかし小泉社長は、逆の発想をする――。「やってはいけないのは会社が赤字になり、キャッシュがない時にリストラをすることだ」 その理由は、「希望退職を募るにしても、社員の第二の人生へのサポートが手薄になる」から。終身雇用が限界であることを前提に、社員が困窮することのないセイフティネットを準備することに切り替えたようだ。 「第二の人生へのサポート」の内容は書かれていないが、おそらく会社が再就職先をあっせんしてくれたり、必要な教育研修を受けさせてくれる可能性がある。退職金の上乗せなども実施されることだろう。 ブログ「感謝のプログラミング 10000時間」で浅井章一郎氏は、「工場閉鎖は経営者として最も苦しい決断で誰もやりたくないが、何の手も打たなければ不作為の罪で経営者失格だ」という小泉社長の言葉を「経営者として、素晴らしい名言」と絶賛する。 「勝って兜の緒を締めよというか、最高益に浮かれることなく、苦しくて先延ばしにしがちなことに手を付ける。立派な人だ」 会社が再起不能になるまで雇用を死守すべきという主張と、会社が元気なうちに手厚いサポートで社員を送り出した方がいいという主張。どちらが合理的といえるだろうか。 あわせてよみたい:希望退職で「思考能力のない人」だけが残った!
過去最高益だからこそ工場閉鎖&希望退職 JT社長の「大リストラ」論
2014年2月2日付け日本経済新聞に、日本たばこ産業(JT)の小泉光臣社長のインタビューが掲載されている。目を引くのは、過去最高益でも大リストラをする理由に言及している部分だ。
JTで予定されるリストラの規模は、かなり大きい。国内9工場中4工場の閉鎖に加え、本社従業員の2割弱にあたる1600人の希望退職を募るという。
日本企業のリストラは、経営が立ち行かなくなってから着手するものとされている。会社に少しでも余裕があるうちに整理解雇を行うと、裁判で「不当解雇」といわれるので、倒産するギリギリまで雇用を守らなければならないのだ。
「第二の人生へのサポート」を手厚く
しかし小泉社長は、逆の発想をする――。「やってはいけないのは会社が赤字になり、キャッシュがない時にリストラをすることだ」
その理由は、「希望退職を募るにしても、社員の第二の人生へのサポートが手薄になる」から。終身雇用が限界であることを前提に、社員が困窮することのないセイフティネットを準備することに切り替えたようだ。
「第二の人生へのサポート」の内容は書かれていないが、おそらく会社が再就職先をあっせんしてくれたり、必要な教育研修を受けさせてくれる可能性がある。退職金の上乗せなども実施されることだろう。
ブログ「感謝のプログラミング 10000時間」で浅井章一郎氏は、「工場閉鎖は経営者として最も苦しい決断で誰もやりたくないが、何の手も打たなければ不作為の罪で経営者失格だ」という小泉社長の言葉を「経営者として、素晴らしい名言」と絶賛する。
会社が再起不能になるまで雇用を死守すべきという主張と、会社が元気なうちに手厚いサポートで社員を送り出した方がいいという主張。どちらが合理的といえるだろうか。
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