朝日新聞が「#すき家ストライキ」に冷淡報道? 本当に「実現せず」だったのか 2014年5月30日 企業徹底研究 ツイート 5月29日は、ネットで話題になっていた「#すき家ストライキ」の決行日だった。朝日新聞はこれを受け、30日に「すき家、ニクの日にスト? ネットで拡散も実現はせず」と報じている。 記事は、ゼンショー広報担当者の「(29日当日は)ストライキで閉店した店はない」とするコメントを引いたうえで、当日はちば合同労組の組合員が「1人が同社工場でストをした」ことのみを紹介し、目に見える動きがなかったことを印象づけている。 法学者は「軽率に応じるべきではない」と諌める見方 もっとも、アルバイト店員らの「#すき家ストライキ」に対する共感の声や、ジャーナリスト・佐々木俊尚氏の「新しい形の労働運動になるか」というツイートにも触れてはいる。 しかし同時に、名古屋大法科大学院の和田肇教授(労働法)による、今回の動きを諌めるようなコメントも載せている。 「法律上はストライキとは言えず、仕事をさぼったのと同じ扱い。賠償を求められかねず、軽率に応じるべきではない」 「#すき家ストライキ」の動きが実効性を持たなかったとする印象が強いが、本当に「(ストは)実現はせず」と断定しても良いものだろうか。 今回の「#すき家ストライキ」は元々先導者がおらず、「会社VS組合」といった明確な対立軸があるものではない。何を持って成功かどうかも明確でない中で呼びかけられたものだ。 それでいて、ネット上で同時多発的に拡散し、自主的な動きが広がっていったところに新しさがある。実際、ネットの投稿を見ると、呼びかけに応じて密かな抵抗をしている人の兆しが見えないでもない。 ネットに相次ぐ「一時閉店」張り紙の投稿 実際ツイッターなどでは、29日付で人手不足による「一部営業」「一時閉店」や「深夜営業不可」の貼り紙が貼られたすき家店舗の写真がいくつもアップされている。 「誠に勝手ながら、人員の不足によりお持ち帰りのみの一部営業とさせていただいております」 「誠に申し訳ございませんが、人員不足のため、本日6時~10時迄閉店とさせていただきます」 「申し訳ございません。ただいま営業を停止しております。本当に申し訳ございません」 すき家は2月ころから慢性的な人員不足に悩まされているので、29日の閉店が「#すき家ストライキ」の影響によるものかどうかは分からない。 しかし、同時にアルバイトの説明会も盛んに実施されており、人手が確保できれば開店できた店もあると見られる。ネットの「#すき家ストライキ」の動きを見てアルバイトへの応募をやめた人がいれば、それも一種の参加者といっていいのかもしれない。 少なくとも会社が労働環境を改善せざるを得ない状況に持っていくという意味で、今回の動きは価値があったと評価する声も少なくない。若い読者の多いニコニコニュースでも、 「これだけ騒ぎがでかくなってるんだからもうスト側の勝利みたいなもんな気もするけど」 「すき屋が必死に火消ししても、実際従業員居なくて店舗閉鎖状態の問題解決してないから、非正規やバイトの雇用状態改善しないと再開出来ない」 といった意見が並ぶ。おとなしい日本の若者はストに参加しない、といわれているが、企業はこうした若者の「反抗」の方法をバカにできなくなっているのではないか。 あわせてよみたい:派遣社員の私は「甘い言葉に浮かれて、まるで不倫してる人みたいだ」 最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします
朝日新聞が「#すき家ストライキ」に冷淡報道? 本当に「実現せず」だったのか
5月29日は、ネットで話題になっていた「#すき家ストライキ」の決行日だった。朝日新聞はこれを受け、30日に「すき家、ニクの日にスト? ネットで拡散も実現はせず」と報じている。
記事は、ゼンショー広報担当者の「(29日当日は)ストライキで閉店した店はない」とするコメントを引いたうえで、当日はちば合同労組の組合員が「1人が同社工場でストをした」ことのみを紹介し、目に見える動きがなかったことを印象づけている。
法学者は「軽率に応じるべきではない」と諌める見方
もっとも、アルバイト店員らの「#すき家ストライキ」に対する共感の声や、ジャーナリスト・佐々木俊尚氏の「新しい形の労働運動になるか」というツイートにも触れてはいる。
しかし同時に、名古屋大法科大学院の和田肇教授(労働法)による、今回の動きを諌めるようなコメントも載せている。
「#すき家ストライキ」の動きが実効性を持たなかったとする印象が強いが、本当に「(ストは)実現はせず」と断定しても良いものだろうか。
今回の「#すき家ストライキ」は元々先導者がおらず、「会社VS組合」といった明確な対立軸があるものではない。何を持って成功かどうかも明確でない中で呼びかけられたものだ。
それでいて、ネット上で同時多発的に拡散し、自主的な動きが広がっていったところに新しさがある。実際、ネットの投稿を見ると、呼びかけに応じて密かな抵抗をしている人の兆しが見えないでもない。
ネットに相次ぐ「一時閉店」張り紙の投稿
実際ツイッターなどでは、29日付で人手不足による「一部営業」「一時閉店」や「深夜営業不可」の貼り紙が貼られたすき家店舗の写真がいくつもアップされている。
すき家は2月ころから慢性的な人員不足に悩まされているので、29日の閉店が「#すき家ストライキ」の影響によるものかどうかは分からない。
しかし、同時にアルバイトの説明会も盛んに実施されており、人手が確保できれば開店できた店もあると見られる。ネットの「#すき家ストライキ」の動きを見てアルバイトへの応募をやめた人がいれば、それも一種の参加者といっていいのかもしれない。
少なくとも会社が労働環境を改善せざるを得ない状況に持っていくという意味で、今回の動きは価値があったと評価する声も少なくない。若い読者の多いニコニコニュースでも、
といった意見が並ぶ。おとなしい日本の若者はストに参加しない、といわれているが、企業はこうした若者の「反抗」の方法をバカにできなくなっているのではないか。
あわせてよみたい:派遣社員の私は「甘い言葉に浮かれて、まるで不倫してる人みたいだ」
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