• 代わり映えしない地味なネタ、取材する意味あるの? 若き地方紙記者の苦悩

    毎日、目の前の仕事をこなしていると、ふと「この仕事に意味はあるのか」と考えてしまうこともあるだろう。それが淡々とした業務であれば、なおさらだ。

    3月4日のはてな匿名ダイアリーにも、そんな疑問に陥った人の投稿があった。「地方のマスゴミだけど、もう仕事辞めたい」と題したエントリーでは、新聞記者をしていると思われるユーザーが、仕事内容にグチをこぼしている。

    「取材する意味あんの?伝える意味あんの?」

    地方の新聞社か、全国紙の地方局に勤務していると思われる投稿者は、「地方のマスゴミ」が伝えている内容は「全然必要じゃない情報」だと嘆く。

    「田舎の展示会のニュースとか、やる前から結果が分かっているような選挙とか、絶対J1に上がれないであろうクラブチームとか、伝統を受け継ぐ若者とか、(中略)防災を自治会とかNPOとかで頑張っている人とか、人助けをした高校生を表彰とか、お年寄りが生きがいのために人形作ったりとか、給食に特産品をいれたりとか、障害者の作品展とか、有効求人倍率とか、ガソリンの値段の上下とか、とか、とか、とか、もう飽きたよ!」

    確かにあげているのは、日本の地方新聞が取り上げる典型的なトピックばかり。日々繰り返される代わり映えしないネタを書くことに、嫌気がさしてしまったのだろうか。ヒステリックな感じで、

    「取材する意味あんの? 伝える意味あんの? どうせ読んでないだろ、見てないだろ! 意味ないよ!」

    と書きなぐっている。この投稿に対しては、はてな内やツイッターで投稿者を冷ややかに諭すような内容が目についた。

    「(地方としては)高収入なんだから割り切って仕事すればいいじゃない」
    「どんな仕事だってルーティンだろ」
    「普通につまんなそうだし、俺なら辞める。まあ安定と面白さを両立するのは基本無理だよ」

    励ましの言葉に「この仕事やってて良かった」

    しかし中には、投稿者を励ますような書き込みもあった。

    「私はあなたが列挙した類の情報、知りたいと思ってるよ。地域のニュース好きだから」
    「その積み重ねに価値を感じるなぁ」

    こうした書き込みを見て、投稿者は元気を取り戻したようだ。現状では読者の反応がダイレクトに分からないので、「果たして今自分がやっている仕事は社会的に意義があるんだろうか」などと思うこともしばしば、と前置きしたうえで、

    「地域のニュースを気にしてくれる方もいるんですね! 本当にありがとう!この仕事やってて、少しは良かったと思えました!」

    と、エントリーに明るく追記している。

    日本でもローカルニュースを取り上げるタウン誌が、首都圏を中心に業績を伸ばしているという話もある。投稿者も自分の仕事を見つめなおすことで、新たな可能性を発見できたのかもしれない。その一方で、読者からは、

    「オワコン地方で燻る人の絶望…」
    「解毒できてよかったね。まあただ将来性はなさそうだけど」
    「ネットメディアへ移行すれば?と純粋に思う」

    など、地方紙には根深い問題が残されていると指摘する人もいた。

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