富士通の早期退職者募集に2500人 「残業天国」の外でやっていけるのか 2013年5月31日 今日の口コミ&年収 ツイート 富士通が早期退職者を募集したところ、想定人数を大きく上回る2454人の応募があったという。幹部社員は想定応募者300人に対して491人、半導体事業では1600人のところ1963人にのぼったというから、会社としても驚いたのではないか。 応募者には割増退職金が支払われ、再就職支援サービスも提供される。かなり手厚い支援を受けながら転職先を見つけることができそうだ。ただ、ひとつ気になることがある。それは富士通がまれに見る「残業天国」であり、そのスタイルが他社でも通用するのかということである。 口コミサイトのキャリコネを見ても、とにかく「残業」に関する書き込みが非常に多い。成果を伴わない残業が許されない他社では、平均年収800万円といわれる高収入(もちろん残業代込み)を維持できる人は少ないのではないだろうか。 残業代の支払いについて、研究開発部門で働く40代男性は「残業時間を1分刻みで合計してくれるのは、他社には見られない良い点」と高く評価している。 しかし、残業時間の過ごし方には怪しいものも含まれている。30代前半のシステムエンジニアによると、社内には「残業代を稼ぐべく無駄にダラダラと残業する社員が多かった」という。 「逆に言うと基本給はそれほど高くはないので、残業代で稼いでいるという感じ。残業代がつかないとやってられないと感じる人も多かったのではないか」 物流サービス部門の20代後半の男性も、青天井の残業代をもらいながら「終業後もパソコンで遊んでいる人がいるなど、仕事にだらしない人を生んでいるのも事実」と、生産性の低さを認めている。 残業があまりにも多いので「固定給(基本給)と同じくらいの残業手当になる」という人も。部署によって忙しさが異なるので「残業代の有無によって同期(入社の)間で(年収)100万円の差も出る」場合もあるという。 残業規制で「手取りが新卒の時と変わらなくなった」人も どんなダラダラ残業でも残業代が無限に出る会社なら、希望退職に応じる人は少ないはずだ。それなのに、なぜ想定を超えたのか。ある人事コンサルタントは「メンタルヘルス不全の長期休職者も含まれていたのでは」と推測する。 大企業の場合、社内ルールの休職期間が満了になっても、さまざまなリスクを鑑み、何かと理由をつけて休職者をなかなか辞めさせないケースもあるという。そこで割増退職金を支払う早期退職者募集の期間にあわせて、退職勧奨をすることもあるようだ。 確かに口コミの中にも、「精神疾患については特に配慮している」という書き込みが見られる。 「あるOBから伺ったところによると、休職や制度を使って3~4年遊んで暮らしている社員もいらっしゃるとのことです。これはかなり信頼できる筋の情報です」 また、最近では残業時間に対する規制が厳しくなり、それによって収入(残業代)が大きく減少したという不満も見られる。ひとたび残業規制がかかると「手取りが新卒の時と変わらなくなってしまうこともある」と嘆く声もある。 残業漬けの日々を反省し、家族のための時間を確保しようと考えを改めた人もいるだろう。プロジェクトマネジャーを務めていた30代後半の男性は、退職後に数年前までの自分の働き方をこう振り返る。 「当時は(残業代込みの給与に)結構満足していましたが、ワークバランスの観点では大分家族との時間を犠牲にしていた事が多かった事を考えると、一概に良かったのか分かりません」 なお、富士通の子会社である富士通エフサスでは、「長時間残業抑止ソリューション」というサービスを販売している。「勤怠管理システム」と「パソコンログオン認証システム」を連携し、無駄な残業を抑止して職場環境を改善するシステムだ。親会社でもぜひ実際に使ってみるといいのではないだろうか。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】
富士通の早期退職者募集に2500人 「残業天国」の外でやっていけるのか
富士通が早期退職者を募集したところ、想定人数を大きく上回る2454人の応募があったという。幹部社員は想定応募者300人に対して491人、半導体事業では1600人のところ1963人にのぼったというから、会社としても驚いたのではないか。
応募者には割増退職金が支払われ、再就職支援サービスも提供される。かなり手厚い支援を受けながら転職先を見つけることができそうだ。ただ、ひとつ気になることがある。それは富士通がまれに見る「残業天国」であり、そのスタイルが他社でも通用するのかということである。
口コミサイトのキャリコネを見ても、とにかく「残業」に関する書き込みが非常に多い。成果を伴わない残業が許されない他社では、平均年収800万円といわれる高収入(もちろん残業代込み)を維持できる人は少ないのではないだろうか。
残業代の支払いについて、研究開発部門で働く40代男性は「残業時間を1分刻みで合計してくれるのは、他社には見られない良い点」と高く評価している。
しかし、残業時間の過ごし方には怪しいものも含まれている。30代前半のシステムエンジニアによると、社内には「残業代を稼ぐべく無駄にダラダラと残業する社員が多かった」という。
「逆に言うと基本給はそれほど高くはないので、残業代で稼いでいるという感じ。残業代がつかないとやってられないと感じる人も多かったのではないか」
物流サービス部門の20代後半の男性も、青天井の残業代をもらいながら「終業後もパソコンで遊んでいる人がいるなど、仕事にだらしない人を生んでいるのも事実」と、生産性の低さを認めている。
残業があまりにも多いので「固定給(基本給)と同じくらいの残業手当になる」という人も。部署によって忙しさが異なるので「残業代の有無によって同期(入社の)間で(年収)100万円の差も出る」場合もあるという。
残業規制で「手取りが新卒の時と変わらなくなった」人も
どんなダラダラ残業でも残業代が無限に出る会社なら、希望退職に応じる人は少ないはずだ。それなのに、なぜ想定を超えたのか。ある人事コンサルタントは「メンタルヘルス不全の長期休職者も含まれていたのでは」と推測する。
大企業の場合、社内ルールの休職期間が満了になっても、さまざまなリスクを鑑み、何かと理由をつけて休職者をなかなか辞めさせないケースもあるという。そこで割増退職金を支払う早期退職者募集の期間にあわせて、退職勧奨をすることもあるようだ。
確かに口コミの中にも、「精神疾患については特に配慮している」という書き込みが見られる。
「あるOBから伺ったところによると、休職や制度を使って3~4年遊んで暮らしている社員もいらっしゃるとのことです。これはかなり信頼できる筋の情報です」
また、最近では残業時間に対する規制が厳しくなり、それによって収入(残業代)が大きく減少したという不満も見られる。ひとたび残業規制がかかると「手取りが新卒の時と変わらなくなってしまうこともある」と嘆く声もある。
残業漬けの日々を反省し、家族のための時間を確保しようと考えを改めた人もいるだろう。プロジェクトマネジャーを務めていた30代後半の男性は、退職後に数年前までの自分の働き方をこう振り返る。
「当時は(残業代込みの給与に)結構満足していましたが、ワークバランスの観点では大分家族との時間を犠牲にしていた事が多かった事を考えると、一概に良かったのか分かりません」
なお、富士通の子会社である富士通エフサスでは、「長時間残業抑止ソリューション」というサービスを販売している。「勤怠管理システム」と「パソコンログオン認証システム」を連携し、無駄な残業を抑止して職場環境を改善するシステムだ。親会社でもぜひ実際に使ってみるといいのではないだろうか。
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