NHKが「ネット就活」批判 就職情報サイトの利用やめた企業を取材 2014年2月17日 キャリコネ調査班 ツイート 2014年2月14日の「ニュースウォッチ9」では、「過熱する”ネット就活”」という特集を設けていました。 “ネット就活”で学生がまず行うのが、就職情報サイトへの「ネットエントリー」。最近では企業数が40~50社という学生は当たり前。放送では、100社を超すエントリーを行ったという学生も登場していました。 ロート製薬では30人の枠に3万人が応募 就職情報サイトでは1つの企業にエントリーすると、すぐに「あわせてエントリーしておきたい企業」の「おすすめ」10社のリストが表示されます。 「エントリー数を増やせ」というプレッシャーが掛かった学生は、ついでに新しい企業に登録するうちに、エントリーは雪だるま式に膨らみます。番組に登場した学生も「際限ない」と言っていました。 企業側も大変です。ロート製薬では30人の採用枠に対し、3万人あまりがエントリー。これを4人の採用担当者でさばかなければなりません。こうなると「どうやっていい学生を採用しようか」というより「いかに落とすか」ということに注力する結果となります。 担当者は「たくさん集まった人をいかに絞るか、そこだけに注力することになってしまう。それは、本当にすべき努力なのか」と悩んでいました。そこで就職情報サイトへの掲載をやめ、学生向けの説明会に参加しないとエントリーできない仕組みにしました。 一括エントリーで「応募の記憶ない」学生も 関西の中堅不動産会社も、就職情報サイトに300万円ほどかけて掲載したところ、1700あまりの応募がありました。しかし、応募のあった学生に電話をかけても出てもらえず、「(一括エントリーで)応募したことを覚えていない」という学生も多かったそうです。 そこで担当者は、大学を直接訪問し、部活動やイベントに参加して、懇親会を開催するなどして優秀な学生をスカウトする形に切り替えていました。担当者は「(学生と会社が)お互いにとって無駄のない会い方ができている」と手ごたえを語っていました。 「ネットエントリー」が当たり前になっている最近の就活戦線を批判的に取り上げた、NHKならではの硬派なコーナーでした。NHK特集などで、さらに詳しく取材して欲しいなと思いました。(ライター:ナイン) あわせてよみたい:大学キャリアセンターは「ブラック企業入り」阻止しない
NHKが「ネット就活」批判 就職情報サイトの利用やめた企業を取材
2014年2月14日の「ニュースウォッチ9」では、「過熱する”ネット就活”」という特集を設けていました。
“ネット就活”で学生がまず行うのが、就職情報サイトへの「ネットエントリー」。最近では企業数が40~50社という学生は当たり前。放送では、100社を超すエントリーを行ったという学生も登場していました。
ロート製薬では30人の枠に3万人が応募
就職情報サイトでは1つの企業にエントリーすると、すぐに「あわせてエントリーしておきたい企業」の「おすすめ」10社のリストが表示されます。
「エントリー数を増やせ」というプレッシャーが掛かった学生は、ついでに新しい企業に登録するうちに、エントリーは雪だるま式に膨らみます。番組に登場した学生も「際限ない」と言っていました。
企業側も大変です。ロート製薬では30人の採用枠に対し、3万人あまりがエントリー。これを4人の採用担当者でさばかなければなりません。こうなると「どうやっていい学生を採用しようか」というより「いかに落とすか」ということに注力する結果となります。
担当者は「たくさん集まった人をいかに絞るか、そこだけに注力することになってしまう。それは、本当にすべき努力なのか」と悩んでいました。そこで就職情報サイトへの掲載をやめ、学生向けの説明会に参加しないとエントリーできない仕組みにしました。
一括エントリーで「応募の記憶ない」学生も
関西の中堅不動産会社も、就職情報サイトに300万円ほどかけて掲載したところ、1700あまりの応募がありました。しかし、応募のあった学生に電話をかけても出てもらえず、「(一括エントリーで)応募したことを覚えていない」という学生も多かったそうです。
そこで担当者は、大学を直接訪問し、部活動やイベントに参加して、懇親会を開催するなどして優秀な学生をスカウトする形に切り替えていました。担当者は「(学生と会社が)お互いにとって無駄のない会い方ができている」と手ごたえを語っていました。
「ネットエントリー」が当たり前になっている最近の就活戦線を批判的に取り上げた、NHKならではの硬派なコーナーでした。NHK特集などで、さらに詳しく取材して欲しいなと思いました。(ライター:ナイン)
あわせてよみたい:大学キャリアセンターは「ブラック企業入り」阻止しない