グーグルが採用で一番重視する「行動面接手法」ってナンだ? 2014年3月10日 キャリコネ調査班 ツイート 何かとユニークな採用手法で話題を集めている米グーグル。2月下旬にニューヨーク・タイムズが掲載した記事では、「グーグルにどうやって採用されるか?」について深く迫っている。 記事では、グーグルの人事部門担当上級副社長・ラズロ・ボック氏にインタビューしている。全社的には「5つの採用基準がある」と説明する中で、すべての職務において第一に重視するのは「一般的な認識能力」なのだという。 そして、その能力を判定するために取り入れているのが「行動面接手法」だ。 行動や思考の特性を見抜く この「行動面接手法」は、NYタイムズの記事では詳しくは書かれていない。これは、面接で候補者の行動特性や思考特性を見抜くために行われるもの。入社した後、その人がどのような行動を取るかを予測するためだ。 具体的な質問を挙げたほうがイメージしやすいかもしれない。特徴は、応募者自身が「過去にとった行動」について、より具体的に質問することだ。 「これまでの経験で、いちばん大変だった状況のことを教えてください」 「そうした中で、誰かと信頼関係を築いたことはありますか」 「チームの中で、あなたはどんな役割を意識して、どのように行動しましたか」 行動面接手法は「STAR面接」とも言う。STARとは、Situation(状況)、Task(職務)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取ったもの。自分がどういう状況や職務のもと、どのような行動を取り、その帰結としてどのような結果になったのかを聞かれる。 質問を過去にひもづけると、面接者にもメリットがある。候補者は嘘をつきにくく、また嘘をついても矛盾をつきやすくなるため、その人のパーソナリティがよりよく分かるようになるのだ。 グーグルで成功するのは「強烈な主張がある人」 グーグルの「一般的な認識能力」のほかの採用基準は、「リーダーシップ」「謙虚さ」「主体性」「潜在能力」だ。ボック氏は言う。 「我々が雇いたいと思う人材、つまりグーグルで成功している人というのは、強烈な主張がある人だ。だが一方で『新しいファクトだよ』と提示された途端、自説を曲げて『あなたのほうが正しい』と言ったりする」 つまり、リーダーシップがあっても独善的ではだめで、そのプロジェクトにとって何が最適かを冷静に判断でき、決めたことをきちんと推進できる人、ということなのだろう。 候補者がこうした性格を持つかどうかを面接で見分けるのは、極めて難易度が高い。しかしだからこそグーグルはおそらく、「リーダーシップ」や「主体性」などについても「行動面接手法」を用い、過去の行動から性格を見出しているのだろう。反面、その業務についての「専門性」についてはほとんど重視しないという。 日本でも重視される「ソフトスキル」 グーグルが採用基準に挙げたものは、専門性(ハードスキル)に対して「ソフトスキル」と呼ばれる。NYタイムズの記事でも、イノベーションは集団行動によって起こるので、世の中ではソフトスキルが重視されるようになっている、としている。 日本でも、指導力や主体性といった「ソフトスキル」は重要視され始めている。リクルートキャリアは2014年のトレンドで、「コーチング能力」や「利害交渉能力」といった、専門性(ハードスキル)ではない能力が必要になると予測している。 特にIT業界、サービス業界といった新興産業では、既に40代以上のミドル層を対象に、ソフトスキルを持つ人の採用が始まっているという。専門性はあまり問われない。「転職しにくい」と言われていた層が「流動化」している。 応募者にとっても「STAR」を意識して、具体的な回答を用意しておくことは重要だ。最終的に面接とは、「この人と一緒に働きたいと思うかどうか」と多くの専門家が言っている。自分の経験をより具体的に、魅力的に伝えることができれば、良い就職や転職がかなえられるかもしれない。 あわせてよみたい:「美人かどうか」だけで採用する企業も…
グーグルが採用で一番重視する「行動面接手法」ってナンだ?
何かとユニークな採用手法で話題を集めている米グーグル。2月下旬にニューヨーク・タイムズが掲載した記事では、「グーグルにどうやって採用されるか?」について深く迫っている。
記事では、グーグルの人事部門担当上級副社長・ラズロ・ボック氏にインタビューしている。全社的には「5つの採用基準がある」と説明する中で、すべての職務において第一に重視するのは「一般的な認識能力」なのだという。
そして、その能力を判定するために取り入れているのが「行動面接手法」だ。
行動や思考の特性を見抜く
この「行動面接手法」は、NYタイムズの記事では詳しくは書かれていない。これは、面接で候補者の行動特性や思考特性を見抜くために行われるもの。入社した後、その人がどのような行動を取るかを予測するためだ。
具体的な質問を挙げたほうがイメージしやすいかもしれない。特徴は、応募者自身が「過去にとった行動」について、より具体的に質問することだ。
行動面接手法は「STAR面接」とも言う。STARとは、Situation(状況)、Task(職務)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取ったもの。自分がどういう状況や職務のもと、どのような行動を取り、その帰結としてどのような結果になったのかを聞かれる。
質問を過去にひもづけると、面接者にもメリットがある。候補者は嘘をつきにくく、また嘘をついても矛盾をつきやすくなるため、その人のパーソナリティがよりよく分かるようになるのだ。
グーグルで成功するのは「強烈な主張がある人」
グーグルの「一般的な認識能力」のほかの採用基準は、「リーダーシップ」「謙虚さ」「主体性」「潜在能力」だ。ボック氏は言う。
つまり、リーダーシップがあっても独善的ではだめで、そのプロジェクトにとって何が最適かを冷静に判断でき、決めたことをきちんと推進できる人、ということなのだろう。
候補者がこうした性格を持つかどうかを面接で見分けるのは、極めて難易度が高い。しかしだからこそグーグルはおそらく、「リーダーシップ」や「主体性」などについても「行動面接手法」を用い、過去の行動から性格を見出しているのだろう。反面、その業務についての「専門性」についてはほとんど重視しないという。
日本でも重視される「ソフトスキル」
グーグルが採用基準に挙げたものは、専門性(ハードスキル)に対して「ソフトスキル」と呼ばれる。NYタイムズの記事でも、イノベーションは集団行動によって起こるので、世の中ではソフトスキルが重視されるようになっている、としている。
日本でも、指導力や主体性といった「ソフトスキル」は重要視され始めている。リクルートキャリアは2014年のトレンドで、「コーチング能力」や「利害交渉能力」といった、専門性(ハードスキル)ではない能力が必要になると予測している。
特にIT業界、サービス業界といった新興産業では、既に40代以上のミドル層を対象に、ソフトスキルを持つ人の採用が始まっているという。専門性はあまり問われない。「転職しにくい」と言われていた層が「流動化」している。
応募者にとっても「STAR」を意識して、具体的な回答を用意しておくことは重要だ。最終的に面接とは、「この人と一緒に働きたいと思うかどうか」と多くの専門家が言っている。自分の経験をより具体的に、魅力的に伝えることができれば、良い就職や転職がかなえられるかもしれない。
あわせてよみたい:「美人かどうか」だけで採用する企業も…