「あなたはなぜ生きているの?」 面接で飛び出した20の「ヘンな質問」 2013年9月10日 差がつく転職裏事情 ツイート 採用面接の場では、実にさまざまな質問が投げかけられる。あらかじめ質問を予想して面接に挑んでいても、思わずとまどってしまう質問や、意図がわからない質問を受けることもあるだろう。 ときには「なんだこりゃ!?」と首をかしげたくなる質問もあるが、「わかりません」と答えたのではアピールのチャンスが台無しだ。キャリコネに投稿された面接体験の口コミから、実際に転職者が受けた「ヘンな質問」をタイプ別に分類しながら紹介してみよう。 フェルミ推定系 ~論理的思考と数字のカンの良さを計る~ まず目につくのが「フェルミ推定」と呼ばれるもの。「米シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」「東京ドームを満杯にするには、野球のボールがいくつ必要か?」など、実際に調べることが難しい数値を短時間で推論、概算する問題だ。 「住んでいる地域で1日に流されるトイレの水の量を推測してください」(アマゾンジャパン) 「焼き芋屋は1年に何本の焼き芋を売っているか」(アクセンチュア) 「日本にゴキブリは何匹いると思うか」(インテリジェンス) 「現在飛んでいるゴルフボールの数を答えてください」(デロイト トーマツ コンサルティング) 「日本で年間いくつのメガネが売られているか」(野村総合研究所) こうした問題に答えるためには、推論の手掛かりとなる数値をサッと出し、その場で明快なロジックを示さなければならない。地頭の良さや数字に対するカンの良さを見るための質問とされている。 もっとも、フェルミ推定の元祖のひとつと言われたグーグルの人事責任者が、米ニューヨークタイムズにこの手の質問を「完全に時間の無駄。こんな質問では(求職者の能力について)何の予測もできない」と答えて話題となった。 もちろん答えられればそれに越したことはないが、もしどうしてもムリそうであれば「その質問で何が分かるのでしょうか」と肩をすくめてみせるのが「面接の最新トレンド」と言えるかもしれない。 無茶ぶり系 ~突然の「これやってみて」に耐えられるか?~ 面接試験では「○○をやってみてください」と指示されることも少なくない。言われた通りに実演できればいいのだが、指示の中身が予想のナナメ上だった場合、対応に困る「無茶ぶり系」の質問になってしまう。具体的には次のようなものだ。 「私の心を読んでください」(電通) 「私の話のダメ出しをしてください」(アクセンチュア) 「面白い話をしてください」(パナソニック) 「いまから私を笑わせてください」(ファナック) いずれも白旗を上げたくなるような「無茶ぶり」だが、これらは実際にそれができるかよりも、転職者のとっさの対応力を見ていると考えるべきだ。 ある投稿者は「自分が得意と書いていた趣味について、今実演してと言われた」(任天堂)そうだが、「入社したら歓迎会でやります」と言い切った。面接担当者たちを見事に笑わせ、入社に成功したという。 うまく返答することができればプラスの評価につながるので、「そんなことできません」ではなく、少しでも機転を利かせて返答したいところだ。 ◇ 正解がない系 ~転職者の価値観を知る~ 「答えは人それぞれなのでは?」と思ってしまうのが、「正解がない系」の質問。普遍的な概念や、想像するしかない事柄について問われることが多い。 「あなたにとって、言葉とはどんな存在ですか?」(ヤフー) 「万人への正義って存在すると思う?」(野村證券) 「頭の中身は何色ですか?」(アマゾンジャパン) 「あなたはなぜ生きているのですか?」(佐川急便) 「夢を与えるとはどういう事だと考えますか?」(ファイザー) あやふやな質問に対しては「なんでこんなことを聞いてくるんだ?」とパニックになってしまうこともあるかもしれない。このタイプの質問で面接担当者たちが探りたいのは、転職者の価値観や人となりなど、書類からは計れない内面の部分だ。無理にひねった解釈などせず、ありのままの考えを述べた方がよいだろう。 ただし、相手が期待する答えを想定することを忘れてはならない。野村證券の「万人への正義って存在すると思う?」に、簡単に「あると思います」と答えて大丈夫だろうか? どうでもよさそうな質問にこそ注意 特に風変わりで「なぜこんなことを聞くのか、意図がわからない!」というものもある。最後に紹介するのは、そんな“ホントの「?」系”の質問だ。 「思い通りに、自由自在に使えるものがあったとしたらそれはどんな物ですか?」(アップルジャパン) 「ドラえもんの道具で何が好き?」(リクルート) 「朝はご飯派ですか、パン派ですか」(京セラ) 「面接後の食事はどこで食べる予定ですか?」(ソニー) 「今何を聞かれたら、一番困る?」(日本たばこ産業) この手の質問に緊張感を切らせて、気軽にベラベラ自分の感想を述べてしまってはいけない。これは面接の質問なのである。相手が聞きたいのは内容ではなく、その答え方だ。 どんな質問にも自制の利いた話し方で、自分の好みを明確に答えたうえで、その背景や理由について冷静に筋道立てて答えることができれば、ポイントは高くなるだろう。どうでもいい質問にこそ、罠が仕掛けられているのである。 【働く人に役立つ「企業インサイダー」の記事はこちら】
「あなたはなぜ生きているの?」 面接で飛び出した20の「ヘンな質問」
採用面接の場では、実にさまざまな質問が投げかけられる。あらかじめ質問を予想して面接に挑んでいても、思わずとまどってしまう質問や、意図がわからない質問を受けることもあるだろう。
ときには「なんだこりゃ!?」と首をかしげたくなる質問もあるが、「わかりません」と答えたのではアピールのチャンスが台無しだ。キャリコネに投稿された面接体験の口コミから、実際に転職者が受けた「ヘンな質問」をタイプ別に分類しながら紹介してみよう。
フェルミ推定系 ~論理的思考と数字のカンの良さを計る~
まず目につくのが「フェルミ推定」と呼ばれるもの。「米シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」「東京ドームを満杯にするには、野球のボールがいくつ必要か?」など、実際に調べることが難しい数値を短時間で推論、概算する問題だ。
こうした問題に答えるためには、推論の手掛かりとなる数値をサッと出し、その場で明快なロジックを示さなければならない。地頭の良さや数字に対するカンの良さを見るための質問とされている。
もっとも、フェルミ推定の元祖のひとつと言われたグーグルの人事責任者が、米ニューヨークタイムズにこの手の質問を「完全に時間の無駄。こんな質問では(求職者の能力について)何の予測もできない」と答えて話題となった。
もちろん答えられればそれに越したことはないが、もしどうしてもムリそうであれば「その質問で何が分かるのでしょうか」と肩をすくめてみせるのが「面接の最新トレンド」と言えるかもしれない。
無茶ぶり系 ~突然の「これやってみて」に耐えられるか?~
面接試験では「○○をやってみてください」と指示されることも少なくない。言われた通りに実演できればいいのだが、指示の中身が予想のナナメ上だった場合、対応に困る「無茶ぶり系」の質問になってしまう。具体的には次のようなものだ。
いずれも白旗を上げたくなるような「無茶ぶり」だが、これらは実際にそれができるかよりも、転職者のとっさの対応力を見ていると考えるべきだ。
ある投稿者は「自分が得意と書いていた趣味について、今実演してと言われた」(任天堂)そうだが、「入社したら歓迎会でやります」と言い切った。面接担当者たちを見事に笑わせ、入社に成功したという。
うまく返答することができればプラスの評価につながるので、「そんなことできません」ではなく、少しでも機転を利かせて返答したいところだ。
◇
正解がない系 ~転職者の価値観を知る~
「答えは人それぞれなのでは?」と思ってしまうのが、「正解がない系」の質問。普遍的な概念や、想像するしかない事柄について問われることが多い。
あやふやな質問に対しては「なんでこんなことを聞いてくるんだ?」とパニックになってしまうこともあるかもしれない。このタイプの質問で面接担当者たちが探りたいのは、転職者の価値観や人となりなど、書類からは計れない内面の部分だ。無理にひねった解釈などせず、ありのままの考えを述べた方がよいだろう。
ただし、相手が期待する答えを想定することを忘れてはならない。野村證券の「万人への正義って存在すると思う?」に、簡単に「あると思います」と答えて大丈夫だろうか?
どうでもよさそうな質問にこそ注意
特に風変わりで「なぜこんなことを聞くのか、意図がわからない!」というものもある。最後に紹介するのは、そんな“ホントの「?」系”の質問だ。
この手の質問に緊張感を切らせて、気軽にベラベラ自分の感想を述べてしまってはいけない。これは面接の質問なのである。相手が聞きたいのは内容ではなく、その答え方だ。
どんな質問にも自制の利いた話し方で、自分の好みを明確に答えたうえで、その背景や理由について冷静に筋道立てて答えることができれば、ポイントは高くなるだろう。どうでもいい質問にこそ、罠が仕掛けられているのである。
【働く人に役立つ「企業インサイダー」の記事はこちら】