元キャバ嬢、中卒ヤンキーでも「公平評価」 光通信の「完全実力主義」【ブラック企業のいいところ(1)】 2013年9月29日 差がつく転職裏事情 ツイート ついに政府も対策に乗り出したブラック企業問題。ネット上でも連日のように長時間勤務の強制やパワハラといった「負の側面」が取り沙汰されている。 しかし、影あるところに光がある。その企業に勤めた人でないとわからない長所やメリットもあるのではないか。そこでブラックだと批判されている企業での勤務経験がある人たちに取材を行い、ウワサの真偽を探ってみた。 まず登場するのは、光通信で2年ほど営業職を務めていたAさん(40代、男性)。おもな業務は、中小企業に対する業務用携帯電話の販売だ。 ノルマ未達社員は「ゴミ扱い」というのは大げさ 同社は90年代末まで携帯電話の販売代理業などで「ITベンチャーの雄」として知られていた。しかし2000年代に入ると大量の架空販売が発覚。厳しいノルマ主義や社員の激務などの実態も明らかになり、現在では典型的なブラック企業と批判されることが多い。 Aさんは入社3ヶ月でサブマネージャーに、2年目にはマネージャーにまで昇進した。年収は入社当時で約570万円、最後の年は約680万円。30代後半で中途入社したが、新卒プロパーや若手社員との理不尽な待遇の差はまったく感じなかったという。 「光通信は文字通りの完全実力主義。中卒のヤンキー上がりだろうと元キャバ嬢だろうと、会社を倒産させた元経営者のオジサンだろうと、数字を上げれば公正に評価されます。年功序列や学歴・性別による待遇の差は一切なく、報酬や昇進には納得感がありました」 Aさんがかつて勤めていた会社は、営業成績よりも「社内政治」に精を出す方が出世しやすかった。そうした人事評価に不満を抱く人にとっては、光通信の完全実力主義はフェアなものと感じられるだろう。 営業ノルマはシビアだが、Aさんはネット上で言われるような“ノルマを達成できない社員はゴミ扱い”という評判は大げさだと指摘する。 「プレッシャーはありましたが、ノルマ未達成の社員には取り扱い商材や部署を変更し、新たなチャンスが与えられることもありましたよ。それに光通信には『集団成功主義』という企業理念が息づいているので、部署によってある程度の差はありますが、チーム内でフォローし合うことも多かったです」 「体育会系」に耐えれば「使い捨て」される社員はいない ノルマ達成した際には必ずチームや事業部で慰労会を開き、「お互いの頑張りをたたえ合う社風」だったというから、仲間同士で足を引っ張り合うようなこともない。 ただ、こうした慰労の席でハメを外し過ぎてしまうことも少なくなかった。社員旅行などで旅館に泊まればドンチャン騒ぎが始まり、旅館の人に「出て行け!」と怒鳴られることもしばしば。体育会系のノリについていけない人には辛いかもしれない。 日頃から「決起会」なる飲みニケーションも頻繁にあり、お酒が苦手な人にも厳しそうだ。また、不祥事が発覚したことでAさんの所属する事業部が廃止されるなど、コンプライアンス面でルーズだった面も確かにあったようだ。 それでもAさんには、光通信での2年間はプラスになったという。仲間のアポ取りトークを聞きながら試行錯誤して、新規開拓営業のノウハウが得られた。退職後の転職活動でも、電話での新規開拓スキルを高く買ってもらえたという。 「営業としての打たれ強さが身につきましたね。課せられたノルマに対してもへこたれず、地道に開拓してクロージングまで持っていくことができる。しっかり働けば、こうしたスキルと経験が得られると思います」 Aさんは、このような職場が批判されることについて、「個人的には光通信はブラック企業ではないと思います」と言い切る。 「確かに体育会系であり、向いてない人には働きづらいでしょう。しかし自分の成果は報酬として還元されますし、アンフェアな給料で使い捨てされたと感じる社員は少ないのではないでしょうか。基本的な待遇や福利厚生はそろっており、女性社員も産休を取れました」 実績を出せば報酬に反映される公平な評価と、営業職としてのスキルとタフな精神力が身に付く仕事内容。修行の場として、アリなのかもしれない。 【働く人に役立つ「企業インサイダー」の記事はこちら】
元キャバ嬢、中卒ヤンキーでも「公平評価」 光通信の「完全実力主義」【ブラック企業のいいところ(1)】
ついに政府も対策に乗り出したブラック企業問題。ネット上でも連日のように長時間勤務の強制やパワハラといった「負の側面」が取り沙汰されている。
しかし、影あるところに光がある。その企業に勤めた人でないとわからない長所やメリットもあるのではないか。そこでブラックだと批判されている企業での勤務経験がある人たちに取材を行い、ウワサの真偽を探ってみた。
まず登場するのは、光通信で2年ほど営業職を務めていたAさん(40代、男性)。おもな業務は、中小企業に対する業務用携帯電話の販売だ。
ノルマ未達社員は「ゴミ扱い」というのは大げさ
同社は90年代末まで携帯電話の販売代理業などで「ITベンチャーの雄」として知られていた。しかし2000年代に入ると大量の架空販売が発覚。厳しいノルマ主義や社員の激務などの実態も明らかになり、現在では典型的なブラック企業と批判されることが多い。
Aさんは入社3ヶ月でサブマネージャーに、2年目にはマネージャーにまで昇進した。年収は入社当時で約570万円、最後の年は約680万円。30代後半で中途入社したが、新卒プロパーや若手社員との理不尽な待遇の差はまったく感じなかったという。
Aさんがかつて勤めていた会社は、営業成績よりも「社内政治」に精を出す方が出世しやすかった。そうした人事評価に不満を抱く人にとっては、光通信の完全実力主義はフェアなものと感じられるだろう。
営業ノルマはシビアだが、Aさんはネット上で言われるような“ノルマを達成できない社員はゴミ扱い”という評判は大げさだと指摘する。
「体育会系」に耐えれば「使い捨て」される社員はいない
ノルマ達成した際には必ずチームや事業部で慰労会を開き、「お互いの頑張りをたたえ合う社風」だったというから、仲間同士で足を引っ張り合うようなこともない。
ただ、こうした慰労の席でハメを外し過ぎてしまうことも少なくなかった。社員旅行などで旅館に泊まればドンチャン騒ぎが始まり、旅館の人に「出て行け!」と怒鳴られることもしばしば。体育会系のノリについていけない人には辛いかもしれない。
日頃から「決起会」なる飲みニケーションも頻繁にあり、お酒が苦手な人にも厳しそうだ。また、不祥事が発覚したことでAさんの所属する事業部が廃止されるなど、コンプライアンス面でルーズだった面も確かにあったようだ。
それでもAさんには、光通信での2年間はプラスになったという。仲間のアポ取りトークを聞きながら試行錯誤して、新規開拓営業のノウハウが得られた。退職後の転職活動でも、電話での新規開拓スキルを高く買ってもらえたという。
Aさんは、このような職場が批判されることについて、「個人的には光通信はブラック企業ではないと思います」と言い切る。
実績を出せば報酬に反映される公平な評価と、営業職としてのスキルとタフな精神力が身に付く仕事内容。修行の場として、アリなのかもしれない。
【働く人に役立つ「企業インサイダー」の記事はこちら】