• 「圧迫面接問答集」に採用担当者が反論 「こんなの圧迫でもなんでもない」

    就活準備中の学生応援サイト「就活スタイル」が、「実録!圧迫面接問答集」という記事を配信している。内定者362人にアンケートを取ったところ、「圧迫面接をされたことがある」と答えた人の割合は23.0%だったという。

    圧迫面接とは、面接担当者が就活生の対応能力を試すために、わざと否定的な態度をとったり、意地悪な質問をしたりすること。マニュアル的な回答をする求職者の増加に対抗し、感情的にゆさぶりをかけて本音を引き出す手法とされる。

    「なぜそう思った?」の連続に嫌気がさした男性も

    記事では「経歴や志望動機を否定される」「第一希望じゃないと責められる」などの分類でさまざまな体験談が紹介されている。

    学生時代に頑張ったエピソードを話したら「たいしたことないね」とばっさり切り捨てられたり、志望動機を説明しても「本当にウチでしかできないの?」「君のしたいことは○○でもやっている。そっちのほうがいいんじゃない?」などと突っ込まれた人は少なくない。

    ある男性は、ある会社で質問に対して答えると、とにかく「なぜそう思った?」と追求されたことに嫌気がさしたそうだ。

    「君さぁ、なんで内定もらえないかわかる?」

    「働きたいっていう情熱が伝わってこないんだよねぇ」

    とやたら説教をされて終わった、と不満顔の女性もいる。

    以前は「採用のためならどんなことでも許容する」という人もいたが、最近では学生の権利意識が高まっている。圧迫面接に対しても「応募者と企業とは本来対等な関係にあるはず」「社会人的常識から脱した失礼な行為」という見解が増えている。

    ネット掲示板などでも「あそこは圧迫(面接を)やってるからブラック」という情報が即座に共有される。しかし企業の採用担当者側には、このような学生の反論を「冗談じゃない。噴飯ものだ」とする見解もある。

    「なぜなぜを圧迫という人に働くなんてムリ」

    とある中堅商社の採用担当者A氏はキャリコネ編集部に対し、不必要な圧迫面接はしないように心掛けているが、学生が不満を抱いたという事例は「もともと圧迫面接でも何でもない」と苦笑する。

    「なぜそう思ったかを何度も繰り返したから、圧迫面接? 冗談じゃないですって。会社に入れば、どこに行ったって求められるスキルでしょう。それができない人は弾く、という正当な選別方法ですよ」

    元トヨタの大野耐一氏の著書「トヨタ生産方式」にも、5回の「なぜ」を自問自答することで、物事の因果関係や本当の原因を突き止めることができると書かれている。

    「いまの学生は、怠惰な消費者の生活にどっぷり浸かり、『お客さま』の世界しか知らない。製品の生産側とかサービスの提供側が、どれだけ汗水たらして工夫しているかなんて知らない。就職するとは、こっちの世界に来るということ。なぜなぜを圧迫という学生には、働くなんて所詮ムリな話です」

    本当にウチの会社でしかできないのかと尋ねられて、正面から理由を答えられる人から優先して採用するのも当然のこと。「働きたいっていう情熱が伝わってこない」と言われて、本当に情熱があるのなら、それをアピールすればいいだけだという。

    「うちの会社はキツイから来ない方がいい、というのだって単なる情報提供。事実を伝えて、それでも働きたいのならアピールして下さい、ということに過ぎませんよ」

    そういう姿勢で面接していると、ネットで悪評が立つこともあるが、本当に欲しい人材の採用に影響が出ているとは思えないという。「何でも圧迫としか捉えられない人材は、もともと眼中にない」ということのようだ。

    あわせてよみたい:面接で飛び出した20の「ヘンな質問」  

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