• ヤフーの「爆速」すぎる経営改革 社員は「上がりやすく下がりやすい給与」に不安

    ヤフーといえば、言わずと知れた日本最大のポータルサイト「Yahoo!JAPAN」を運営する会社だ。2012年に長らく経営を率いてきた井上雅博社長が退陣し、宮坂学代表取締役社長と川邊健太郎副社長最高執行責任者のツートップ体制へと移行した。

    就任当時、宮坂氏は45歳、川邊氏は38歳という若さが注目されたが、2人は「爆速」をキーワードに事業の大幅な改革を推進。カルチュア・コンビニエンス・クラブやグリー、LINE、クックパッド、アスクルといった有名サービスと次々に提携を進めてきた。

    昇格は「4つのバリュー」に照合して判断

    2013年10月には「Yahoo!ショッピング」の毎月の出店料や売上ロイヤルティの無料化と、「ヤフオク!」のストア出店料・個人の出品手数料の無料化を発表し、Eコマース業界に衝撃を与えた。

    こうした積極的な姿勢は、業績にも好影響を及ぼしているようだ。2014年3期の連結決算は売上高3862億円、営業利益1974億円で、2012年3月期からそれぞれ27%増、19%増の伸びを見せ、サービス開始以来17期連続増収増益を達成している。

    しかし企業のビジネスが急スピードで加速し続けるとき、その内部で社員が疲弊したり、ついていけなくなったりすることも珍しくない。果たして現場の人は「爆速」経営をどのように考えているのか、生の声を探った。

    ヤフーのアナリストとして、入社7年目を数えるDさん。

    年収は約710万円、そのうち賞与が170万円と、IT系の仕事としては高収入を実現している。毎月の給与は約45万円で、健康保険や年金、住民税などの控除を差し引くと、手取りは35万円ほどだ。

    昇給や昇級は、基本的に上司の判断がカギになる。上司が判断するのは、ヤフーが持つ「4つのバリュー(価値)」に沿っているかどうかだ。

    「4つのバリューとは、『課題解決』『爆速』『フォーカス』、そして『ワイルド』です。それぞれ、ソリューション型の仕事をしているか、スピード感があるか、選択と集中ができているか、何事にも挑戦しているか、という意味です」

    入社数年の年収も「350万円から500万円」と格差

    このバリューは宮坂社長の就任以降、2012年10月ごろに採用されたものだという。具体例を挙げると、同じ額の利益を生んでいるサービスが2つあれば、顧客のニーズを解決するサービスの方が評価される。また、たとえ失敗しても困難な案件にチャレンジしての結果であれば評価される。

    「それと、上司だけでなく部下や同僚による『360度評価』という制度も昇給やランクアップに関わってきます。部下が10名いる管理職は10名全員から評価されるので、人事評価に偏りが出にくいんじゃないでしょうか」

    言いかえれば、自分の上司だけにいい顔をしていてもダメということだ。評価の公正性を保つ意味では意欲的な仕組みと言えるかもしれない。給与はYS/YM/YPの「コース」と、YM1、YM2…という「等級」で決まっていく。

    この後、Dさんの実物の給与明細を公開!

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