• 中国アリババの「¥マーク」、実は人民元表示なので要注意

    こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。日本企業が中国の製品を輸入する場合、まずは「信頼できる取引先」を確保したいもの。そこで今回は、良い輸入先の中国企業の見つけ方について取り上げてみます。

    輸入したい商品が決まっているなら、まずはネットである程度情報を集めてみます。英語のウェブサイトでも構いませんが、商品によっては種類が限られます。やはり広く探すなら、中国のウェブサイトで探すのが一番でしょう。

    商品名の後ろに「進口」「出口」と入れて検索

    最初に忘れてはならないのは、いわずもがなですが、セキュリティ対策は万全にすることです。うかつにデータをダウンロード(中国語で「下載」)すると、一緒に得体の知れないソフトがインストールされたり、検索エンジンが変わってしまったりすることがあります。

    まずは有名な百度(バイドゥ。http://www.baidu.com)から、輸入したい商品を扱っているサイトまたは企業を探します。有名なサイトに阿里巴巴(アリババ。http://www.1688.com)があり、商品や産地から検索をかけることができます。

    検索にはコツがあり、商品名の後ろに「進口(輸入の意味)」と付けて検索を掛けます(輸出の場合は「出口」)。他のウェブサイトでも構いませんが、なるべく信頼性のあるサイトで調べた方が安全です。

    ちなみに中国のネットに掲載されているのは、あくまでも中国国内情報です。輸出可能な企業であるかどうかは、別の話。会社紹介の文面に「出口」という言葉が入っていれば、海外輸出経験があると思われますが、商品によっては日本向けの輸出基準が非常に高いものもあり、注意が必要です。

    なお、金額欄には「¥(円)マーク」が表示されていますが、これは実は中国の「人民元」です。1人民元は16.4円(2014年4月25日現在)なので、「これが¥500なんて安い!」と飛びつくと、実は8200円だったというようなことが起こります。

    取引における通貨を何にするかは、商談で決めます。商品によっては「この商品は通常日本円」「これはドル建て」などと業界内のルールで決まっているものもあります。さらに運送、引渡しの条件などでも単価が変わってきます。

    「だからやりたくなかった」と言われないように

    ちなみに、良くも悪くも連絡を密に取る日本人と考え方が違い、中国人は話が折り合わないと思えば、放って置くのが普通です。「オファーしてみたけど中国側から返事がない」ときは、期待して待つと損なので、返事をいつまでも待たないようにしましょう。

    忙しくて見ていない、あるいはメールまたはFAXが届いていないということも有り得ますが、可能性として高いのは“興味がないので無視”というケースです。当日中に何も回答がなければ、同じ文面をまた送るか、それでも返事がなければ電話で確かめます。

    相手がやる気がないことが分かったなら、ゴリ押しせずに手を引いたほうが懸命です。実力があっても誠意がない相手に、高い品質を要求することは難しいからです。いざ問題が起きても「だから、やりたくないって言ったじゃない」といった態度を取られる恐れがあります。

    ということで、中国文化をあまり理解していない状態で、一から取引を始めるというのは、やはり不安な部分もあります。購買価格は抑えたいが、品質はどうしても譲れないという場合、仲介業の日本企業を通して取引するという方法もあります。

    商品の生産代行や、検品代行のサービスを提供している日本資本の会社を利用することにより、一定レベルの製品を確保することができます。相手企業の担当者は当然日本人なので、コミュニケーションに困らないのも安心できます。

    あわせてよみたい:中国人は3人だと「豚」になる

    【プロフィール】Hana
    九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。

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