• 中国人は自国製品に不信感、しかし輸入モノもあてにならず

    こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。前回は中国のウェブサイトでよい取引先を探すコツについて取り上げましたが、今回は中国企業との価格交渉にまつわるコツを整理してみます。

    中国で買い物をするとき、よく”一分銭一分貨”という諺を耳にします。「一分(時間ではなく通貨の単位、現在のレートで約0.16円)で買った品には、一分の価値しかない」、安物にはそれなりの価値しかないという意味です。

    実際こちらで生活してみると、値段の高いものに必ずしも相当の価値があるというわけではありません。しかし「この条件でこの価格?!」と驚くほど安い商品には、大抵それなりの理由があるということです。

    日本語表示でも「これは違うだろ(苦笑)」

    したがって輸入の際には、安い値段を見ただけで舞い上がって買い急ぐことは避けましょう。販売不可能な商品を輸入してしまった時の損害は計り知れないからです。

    輸入交渉に入る前には、原料の調達先、製造方法・環境などについても細かく確認します。取り引きできそうなら、サンプルを取り寄せ、可能ならば現地の生産現場も視察します。

    中国への輸出に関していえば、「一分銭一分貨」の諺が有利に働きます。何はともあれ日本製の商品や日本企業の名が付いた商品には、信頼性があるからです。

    実のところ中国では、中国国内生産の商品に対する不信感が根強く、多少高くても輸入商品を優先して買い求める客が多くいます。

    電気製品はもちろんのこと、食品でも「中国のものは絶対買わない」という人もいます。悲しいかな、店員の説明も外装の表示も信用できない現状があるからです。

    ただし、日本語らしき表示があったとしても、日本人からみると明らかに「これは違うだろ…(苦笑)」という商品があります。それでも現地の中国人には、偽物か本物か確かめる術がありません。

    私自身も中国で、ハングル表記の商品を韓国製と思い込んで購入した経験がありますが、韓国人の友人に見せると「この言葉は意味不明だから、中国製だろう」と言われました。

    そういうわけで、日本企業が中国で自社商品を販売する際には、中国の消費者に「これは本物です!」と証明する方法と、簡単にコピーされないための工夫も必要です。

    中国人は文章から意味を読み取るのが苦手

    なお、中国から商品を輸入する価格を知りたい場合は、単純に「特定の商品の販売価格」を知らせるよう相手企業に要求すれば十分です。ファクスやメールで、商品規格と単位を記した表を価格の部分だけ空欄にして相手に送ると、大抵はそこに記入して返送してくれます。

    価格は、輸送や商品引渡しの条件で変わります。相手が提示してきた価格表にCIF(運賃・保険料込み)、FOB(本船渡し)などの記載がない場合には、こちらから条件を明記した文書を送るか、相手に送らせます。

    価格表の単位や条件を記した部分は、しつこいほど大きくはっきりと記して、相手に「見落とした」などと言わせないようにします。

    一般的に中国人は、文書から内容を読み取ることが苦手です。どうしても伝えたいことは、一項目ごとに箇条書きにし、なるべく短く簡単な文にします。

    私の個人的な感覚としては、文書だけでなく会話についても「相手が半分聞いてくれたらよしとする」というレベルです。さらに重要な点については、面倒でも、何度も確認する作業が欠かせません。

    ファクスにしろメールにしろ、こちらから送った後で電話をかけ、「さっき送りましたが、見ましたか? こういう内容で間違いありませんか?」と確認します。「見ていない」「受け取ったが、どこにいったか分からない」と相手に言わせないためです。

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    【プロフィール】Hana
    九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。

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