• 原因は分かっても「カイゼンできない」中国の工場 日本のスゴさを改めて知る

    こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。今回はちょっと地味な話題になりますが、中国製商品の包装事情について考えてみたいと思います。

    中国製の包装の一種は、私たちの身近なところにも実はあります。スーパーのレジ袋がその例です。自治体指定のごみ袋も、その多くが中国で印刷されています。しかも余った袋をこちらで売りさばくため、中国の個人商店で買い物をすると「○○ストア」「スーパー○○」などと大きく印刷された袋に入れてくれることがよくあります。

    地元中国人も、彼らにとっては意味不明な外国の文字にそれほど違和感がなくなっているようです。日本人としては、最初かなりびっくりするのですが…。

    食品用の袋は「日本から輸入」する会社もある

    一度こちらの火鍋(普通に鍋物のことを指す。特に辛いとかいう意味はない)店で、食事を終えて、店の人が余った具材を袋に入れてくれたのですが、その袋がなんと北海道某都市の指定ごみ袋で、さすがにちょっと引きました。

    ごみ袋はともかく、食品の包装については輸入各社それぞれ苦労があると思います。私も貿易の仕事を通して知ったことですが、レトルトパックに使用する袋は大手食品会社も独自に技術研究を進めており、輸入商品にも高いレベルが求められます。

    中国の大手印刷工場でも、一見とても綺麗で質の良い袋を提供しています。その多くが日本産の原料に頼っており、フィルムやインク、印刷機械もすべて日本製。場所と人員が違うだけなのですが、どういう訳だか問題がよく起こるのです。

    真空包装の場合、例えば針ほどの小さな穴でも大きな問題となります。ピンホールはピン状のもので突いた場合だけでなく、摩擦や折れ曲がりでも発生します。また、熱不足によりシール部分の破れが起こる場合もあります。

    穴や破れの原因が分かっているのに、なぜそれが中国からの商品で多発するのか。真面目な日本人としては、理由を探って対策を講じたいところです。しかし私の会社の場合、中国の印刷工場と製品の生産現場と長い時間をかけて幾度も話し合ってみたものの、残念ながら解決には至りませんでした。

    おそらくこれを実現しようと思うと、教育や国民文化の問題にまで着手しなければならないのでしょう。改善するとの根拠が見出せない以上、リスクを負うことはできません。結局、中国国内で別の印刷工場に変更するという決断をしました。

    「ダンボールは頑丈な箱」という思い込みは禁物

    日本の工場では、改善ができないという事態はまず起こりません。したがって企業によっては、食品用の袋はすべて日本から送ることにしているところもあります。その場合は「袋の輸出」という扱いになりますので、余分の費用が掛かります。

    中国から商品を輸入する際には、外箱にも注意を払うべきです。普通日本人は「ダンボールは頑丈な箱」と考えていますが、中国製の安いダンボール箱を見ると、その既成概念が打ち破られます。限りなく薄く、紙質も粗悪で弱いからです。

    そういう「なんちゃってダンボール箱」に缶詰などを詰めて、コンテナに積んで輸出しようとすると、到着した商品のかなりの部分が売り物にならなくなることは言うまでもありません。

    中国から輸入する際には、個々の商品包装について確認するだけでなく、必ず外箱の質についても回答を得るようにしましょう。

    特に食品などで、冷蔵コンテナを利用する場合は注意が必要です。外気との気温差でコンテナ内部に結露が発生し、箱が濡れて強度が落ちるからです。中国にも探せば丈夫なダンボールは存在するのですから、そこはケチらせないように。(ライター:Hana)

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    【プロフィール】Hana
    九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。

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