• 自分のミスはすぐに忘れる中国人 適切に「大騒ぎ」して伝えるべし

    こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。前回はコンテナへの荷物の積み方について取り上げましたが、今回は中国からの輸入で、実際に届いた商品に問題があった場合の対処法についてお伝えします。

    まず念頭においておくべきなのは、中国人から物を輸入するときに、「日本国内と全く同じ基準で考えることはできない」ということです。ある程度のリスクは覚悟した上で、相手企業には可能な範囲で最善を尽くしてもらい、こちらも改善のために協力する、といったスタンスが求められます。

    「今度から気をつける」は容易に信じられない

    なんじゃこりゃ!なんじゃこりゃ!

    日本国内では、安心して通信販売を利用することができます。なぜなら、様々な理由により商品を返品することが可能だからです。ましてや届いた商品が破損していたなら、当然のこととして返品交換の対象になります。どの過程で破損していたかは二の次で、とにかくお客様を満足させることを第一にするわけです。

    しかし中国から輸入する場合は、そういうわけにはいきません。海を越えるわけですから、クーリング・オフ制度もありませんし、契約内容によっても買主の責任が変わります。

    もちろん、運送中の荷崩れによって商品が破損した場合には、積み方が悪かったことを指摘することはできます。しかし、問題点を指摘できることと、実際に損害を賠償してもらうこととは話が違います。

    メンツを重視する中国人も、謝って済むことなら(つまりお金が関係しない話なら)いくらでも謝ります。「分かった、今度から気をつけるよ」と。しかし、そんな当たり障りのない回答を真に受けてはいけません。

    彼らは良くも悪くも、詫びたことをすぐに忘れてしまう傾向にあります。したがって、相手企業と引き続き取引をする予定があるなら、商品の破損に関しては多少「大騒ぎ」をしなくてはいけないのです。

    異常が分かったら写真をたくさん撮ること

    とはいえ、被害を実際よりも大きく報告することは避けた方がいいでしょう。中国人も馬鹿ではないので、過大な損害報告に関してはそのうち感付きます。

    一度でもそういうことがあると、その後はずっと疑ってかかるようになり、本当の損害に対しても、まともに取り合ってくれなくなります。また、これは難しい所ですが、騒ぐ度合いは損害の程度に応じたものにすべきです。

    それでは実際どう「騒ぐ」のかというと、まずコンテナを開けた時点で異常が分かったなら、はっきり分かる写真をできるだけたくさん撮り、すぐに輸出企業にメールなどで送ります。コンテナを開けた当日中に送るのがベストです。また運送業者、倉庫担当者など第三者の報告なども合わせて添付すると、証拠能力が高まります。

    契約時の条件にもよりますが、損害分を支払いから差し引くことに同意する企業もあります。とはいえ、損害分を差し引く目的は、あくまでも問題の再発防止です。

    なお、商品の販売後、お客様からクレームの形で入ってきた場合には、中国企業に問題点を訴え改善を要求するために、より詳しい報告書が必要になります。写真、具体的な症状、問題の発生している商品のロット、数量等です。

    同じ会社に再発注の予定があるなら、問題の商品を相手に送ることも場合によっては必要かも知れません。しかし現実には、取引が完了した後で賠償を請求するのはかなり難しいと思われます。小規模取引でもそうですが「一度もらったお金は何があろうと返さない」のが大原則のように思われますので、改善しないようなら、取引先を変更するという選択肢になります。

    やっぱり担当者との「信頼関係」が大事

    以前の記事でも取り上げましたが、このような問題が発生した時こそ、相手企業の担当者とのコネクションが重要になってきます。相手の担当者が誠実な人で、なおかつ良い関係を築いているなら、こちらとしても問題点を訴えやすくなります。

    互いに不信感を持っていると(実は中国人同士でもよくあることです)、相手の主張がそもそも真実なのかどうか、というレベルから考えなければいけなくなり、やり取りがややこしくなります。

    経験のある方ならよくご存知だと思いますが、彼らの反応はまさに「暖簾に腕押し」「豆腐にかすがい」「馬耳東風」なのです。現に困っている立場としては、相手の反応に愕然とし、燃え尽き、あるいは力尽きてしまいます。

    逆に、相手に信頼してもらえれば、こちらの主張を真剣に受け止めてくれるので、繰り返し訴える必要がなく、時間と労力および精神力の節約にもなります。(ライター:Hana)

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    【プロフィール】Hana
    九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。

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