何度も逮捕され懲戒解雇 その後、元職場に嫌がらせした「2つの事件」 2014年5月26日 今週の「懲戒処分ウォッチ」 ツイート 兵庫県警は22日、器物損壊容疑などで元県警巡査部長のU容疑者(31)を逮捕した。昨年12月24日から今年1月26日まで、県警本部に侵入。地下駐車場にあった捜査車両10台のタイヤに穴を開けパンクさせ、うち1台のドアに傷をつけた疑いが持たれている。 U容疑者は、昨年5月に懲戒免職となり、裁判で強制わいせつなどの罪で懲役4年の実刑判決を受けたが、その後控訴して当時は保釈中だった。 大学の女子トイレでのぞき、女子浴場にも侵入 事件の動機については報じられていないが、被害車両のうち5台が、かつてU容疑者の所属していた警備課の車だったという。懲戒解雇された逆恨みだったのかもしれない。 懲戒解雇の理由について過去に報じられたものを調べると、およそ警察官とは思えないほどひどいものであった。U容疑者は昨年4月15日、地元の大学のキャンパス1階にある女子トイレに侵入、用を足していた女性を覗いたとして逮捕されている。 それだけではない。4月25日には、同大の寮の女子浴場に侵入し、大学関係者の体を触ったとして再逮捕。5月22日、12月に兵庫県内の施設に侵入し、20歳代の女性に抱きつくなどして3度目の逮捕をされた。 さらに、同年6月には県内の大学やマンションなどへ、計3回にわたって侵入。のぞきやわいせつ行為をしようとしたとして追送検されている。女子浴場に侵入するなどかなり大胆なうえ、常習的な犯行だったといえるだろう。 ストーカーで懲戒解雇された元記者が人事に 懲戒解雇されたことを逆恨みし、職場に嫌がらせする事件は、他にもあった。大手新聞社を懲戒解雇された42歳の元記者が、会社の人事部に計35回、しつこく電話や無言電話をかけて昨年秋に逮捕された。 元記者は一昨年、取材を通じて知り合った女性にストーカー行為をしたとして解雇。昨年にも女性とその上司にストーカー行為や脅迫を行った容疑などで3回逮捕され、有罪判決を受けて執行猶予中だった。 U容疑者の事件と共通するのは、粘着質ともいえるしつこさだ。何度逮捕されても犯罪を繰り返すだけでなく、裁判の合間や後に逆恨みで嫌がらせをしているところも似ている。U容疑者の裁判で、弁護人は被告の精神鑑定を請求したが、裁判官は却下したという。 U容疑者の名前で検索すると、彼の母校である県立高校で2年前に開催されたOB会の様子がヒットする。彼は現役部員とOBとの合同練習や懇親会の様子を短く綴っており、そこにはおかしな様子は見られない。最初の事件を起こしたのは、その1年後だが、その間に何があったのだろうか。(懲戒処分ウォッチャー・ムライセツオ) あわせてよみたい:今週の「懲戒処分ウォッチ」バックナンバー
何度も逮捕され懲戒解雇 その後、元職場に嫌がらせした「2つの事件」
兵庫県警は22日、器物損壊容疑などで元県警巡査部長のU容疑者(31)を逮捕した。昨年12月24日から今年1月26日まで、県警本部に侵入。地下駐車場にあった捜査車両10台のタイヤに穴を開けパンクさせ、うち1台のドアに傷をつけた疑いが持たれている。
U容疑者は、昨年5月に懲戒免職となり、裁判で強制わいせつなどの罪で懲役4年の実刑判決を受けたが、その後控訴して当時は保釈中だった。
大学の女子トイレでのぞき、女子浴場にも侵入
事件の動機については報じられていないが、被害車両のうち5台が、かつてU容疑者の所属していた警備課の車だったという。懲戒解雇された逆恨みだったのかもしれない。
懲戒解雇の理由について過去に報じられたものを調べると、およそ警察官とは思えないほどひどいものであった。U容疑者は昨年4月15日、地元の大学のキャンパス1階にある女子トイレに侵入、用を足していた女性を覗いたとして逮捕されている。
それだけではない。4月25日には、同大の寮の女子浴場に侵入し、大学関係者の体を触ったとして再逮捕。5月22日、12月に兵庫県内の施設に侵入し、20歳代の女性に抱きつくなどして3度目の逮捕をされた。
さらに、同年6月には県内の大学やマンションなどへ、計3回にわたって侵入。のぞきやわいせつ行為をしようとしたとして追送検されている。女子浴場に侵入するなどかなり大胆なうえ、常習的な犯行だったといえるだろう。
ストーカーで懲戒解雇された元記者が人事に
懲戒解雇されたことを逆恨みし、職場に嫌がらせする事件は、他にもあった。大手新聞社を懲戒解雇された42歳の元記者が、会社の人事部に計35回、しつこく電話や無言電話をかけて昨年秋に逮捕された。
元記者は一昨年、取材を通じて知り合った女性にストーカー行為をしたとして解雇。昨年にも女性とその上司にストーカー行為や脅迫を行った容疑などで3回逮捕され、有罪判決を受けて執行猶予中だった。
U容疑者の事件と共通するのは、粘着質ともいえるしつこさだ。何度逮捕されても犯罪を繰り返すだけでなく、裁判の合間や後に逆恨みで嫌がらせをしているところも似ている。U容疑者の裁判で、弁護人は被告の精神鑑定を請求したが、裁判官は却下したという。
U容疑者の名前で検索すると、彼の母校である県立高校で2年前に開催されたOB会の様子がヒットする。彼は現役部員とOBとの合同練習や懇親会の様子を短く綴っており、そこにはおかしな様子は見られない。最初の事件を起こしたのは、その1年後だが、その間に何があったのだろうか。(懲戒処分ウォッチャー・ムライセツオ)
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