ビジネスホテルに入社して最初の配属は「レストラン」 オムレツ作れず大苦戦… 2014年8月23日 ユズモトの「ホテルの裏側、教えます」 ツイート 私がビジネスホテルにフロントスタッフとして入社後、最初に配属された職場は「レストラン」でした。フロントスタッフは本来、接客が中心ですが、時には清掃や駐車場内の交通誘導、それにレストランでの調理なども任されることもありました。 とはいえ、仕事は基本的にローテーションで、フロントスタッフがレストラン業務のみ長期間行うことは珍しいのですが、配属された当時はレストランの人不足。私は1か月半という異例の長さの「専属勤務」を命じられたのです。(ユズモト) バイトから「こんなキレイな三角形」とバカにされ (イラスト:ユズモト) 調理業務は野菜を切ったり煮物を作ったり、忙しく大変でしたが、どうにかこなせる内容のものが大半でした。しかし一つだけ、どうしてもできないことがありました。それは「オムレツを作ること」です。 オムレツはホテルの朝食バイキングの目玉商品で、スタッフが一つひとつ手作りをするのが売りだったのですが、不器用な私はそれがなかなかうまくできませんでした。本来ならラグビーボール型であるべきオムレツが、なぜか二等辺三角形になってしまうのです。 レストランにはT橋君という、オムレツ作りがとても上手な大学生アルバイトがいたのですが、彼は私の作るオムレツを、 「こんなキレイな三角形にできるなんて、逆にすごいですね!」 と、からかっていました。そんなネタにされるオムレツしか作れないことを悔しく思った私は、T橋君を目標にオムレツ作りを極めることを決意したのです。 T橋君の作るオムレツは見た目がキレイな上に、中はふわとろの半熟で味も絶品でした。実際、彼が担当になった日は、オムレツの食数が他の日よりも伸びていたのです。 そんなT橋君のオムレツと同じクオリティのものを作るために、業後に廃棄予定の卵液で練習したり、彼の手つきをこっそり観察したり、自宅のパソコンで「オムレツ ふわとろ コツ」といった単語を検索してみたり…。ありとあらゆる努力をしました。 男性から得意料理を聞かれても迷わない それでもうまくいかず、「不器用な私には無理だ!!」と思うことも何度もありましたが、諦めずやり続けているうちに、次第にコツをつかめるように。そして、いつの間にかキレイなラグビーボール型のふわとろオムレツを作れるようになったのです。 私なりにつかんだオムレツづくりのコツは、次の3つ。 ・フライパンをゆすりながら、かき混ぜながら成形していくこと ・フライパンはしっかりと温めた状態で卵を流し入れること ・思ったよりも強めの火で手早く焼くこと 作るスピードも速くなり、最初は1個作るのに1分半くらい掛かっていたのが、30秒程度で焼き上げることができるようになりました。 すると面白いもので、オムレツの食数もどんどん伸びていったのです。お客様200名に対して、オムレツの食数が180食という日もありました。さらには、私のオムレツを笑いものにしていたT橋君にも、 「ユズモトさん、うまいじゃん!」 と、ほめてもらえるようになったのです。精一杯オムレツ作りに励み、苦手を克服したこの経験から、レストラン業務は私にとって、とても思い入れのある大好きな仕事となったのでした。 余談ですが、レストランでオムレツ作りの技術を習得した私は、今でも男性から得意料理を聞かれた際には、自信を持って「オムレツです」と言っています。 あわせてよみたい:夜勤のときに必ず掛かる「不審電話」の怪 【プロフィール】ユズモト20代半ばの現役OL。就活中に内定をもらったブラック企業に入るのがどうしてもイヤで、何の予備知識もない「ビジネスホテル業界」に新卒で飛び込む。社会人1年目から日本各地を転々とし、接客から営業、経理、調理まで、さまざまな業務を経験する。その後、一般企業に転職し、初めて描いたマンガを2ちゃんねる「ホテルの裏側(?)のマンガかいてみたwww」にアップして一躍時の人に。
ビジネスホテルに入社して最初の配属は「レストラン」 オムレツ作れず大苦戦…
私がビジネスホテルにフロントスタッフとして入社後、最初に配属された職場は「レストラン」でした。フロントスタッフは本来、接客が中心ですが、時には清掃や駐車場内の交通誘導、それにレストランでの調理なども任されることもありました。
とはいえ、仕事は基本的にローテーションで、フロントスタッフがレストラン業務のみ長期間行うことは珍しいのですが、配属された当時はレストランの人不足。私は1か月半という異例の長さの「専属勤務」を命じられたのです。(ユズモト)
バイトから「こんなキレイな三角形」とバカにされ
調理業務は野菜を切ったり煮物を作ったり、忙しく大変でしたが、どうにかこなせる内容のものが大半でした。しかし一つだけ、どうしてもできないことがありました。それは「オムレツを作ること」です。
オムレツはホテルの朝食バイキングの目玉商品で、スタッフが一つひとつ手作りをするのが売りだったのですが、不器用な私はそれがなかなかうまくできませんでした。本来ならラグビーボール型であるべきオムレツが、なぜか二等辺三角形になってしまうのです。
レストランにはT橋君という、オムレツ作りがとても上手な大学生アルバイトがいたのですが、彼は私の作るオムレツを、
と、からかっていました。そんなネタにされるオムレツしか作れないことを悔しく思った私は、T橋君を目標にオムレツ作りを極めることを決意したのです。
T橋君の作るオムレツは見た目がキレイな上に、中はふわとろの半熟で味も絶品でした。実際、彼が担当になった日は、オムレツの食数が他の日よりも伸びていたのです。
そんなT橋君のオムレツと同じクオリティのものを作るために、業後に廃棄予定の卵液で練習したり、彼の手つきをこっそり観察したり、自宅のパソコンで「オムレツ ふわとろ コツ」といった単語を検索してみたり…。ありとあらゆる努力をしました。
男性から得意料理を聞かれても迷わない
それでもうまくいかず、「不器用な私には無理だ!!」と思うことも何度もありましたが、諦めずやり続けているうちに、次第にコツをつかめるように。そして、いつの間にかキレイなラグビーボール型のふわとろオムレツを作れるようになったのです。
私なりにつかんだオムレツづくりのコツは、次の3つ。
作るスピードも速くなり、最初は1個作るのに1分半くらい掛かっていたのが、30秒程度で焼き上げることができるようになりました。
すると面白いもので、オムレツの食数もどんどん伸びていったのです。お客様200名に対して、オムレツの食数が180食という日もありました。さらには、私のオムレツを笑いものにしていたT橋君にも、
と、ほめてもらえるようになったのです。精一杯オムレツ作りに励み、苦手を克服したこの経験から、レストラン業務は私にとって、とても思い入れのある大好きな仕事となったのでした。
余談ですが、レストランでオムレツ作りの技術を習得した私は、今でも男性から得意料理を聞かれた際には、自信を持って「オムレツです」と言っています。
あわせてよみたい:夜勤のときに必ず掛かる「不審電話」の怪
【プロフィール】ユズモト
20代半ばの現役OL。就活中に内定をもらったブラック企業に入るのがどうしてもイヤで、何の予備知識もない「ビジネスホテル業界」に新卒で飛び込む。社会人1年目から日本各地を転々とし、接客から営業、経理、調理まで、さまざまな業務を経験する。その後、一般企業に転職し、初めて描いたマンガを2ちゃんねる「ホテルの裏側(?)のマンガかいてみたwww」にアップして一躍時の人に。