• 部下の進捗確認、どのくらいの頻度でやればいい? コツは? マネージメントの専門家が解説

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    部下に任せたあの仕事、どこまで進んだかな。一応確認しておきたいけど、自分も仕事が忙しいし、あまり口を挟みすぎるのも本人に良くないかな――。

    部下の進捗確認について、こうした悩みを持っている管理職も多いのではないでしょうか。私の担当する管理職研修でも同様の悩み、相談がよく寄せられます。

    上司として部下の仕事をしっかり管理したいというのは当然でしょう。ただ、細かく管理しすぎると、マイクロマネジメントになり部下の自己効力感を下げてしまい、成果につながりにくくなります。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

    進捗確認は何のためにするのか、2つの目的を抑える

    では、どうすればいいのでしょうか。まず部下と時間を設けます。ただそこで注意したいのは、最終的な目的は進捗確認ではない、ということです。

    最近は、1ON1ミーティングを導入する企業が多いですが、時間が取られるだけで、成果や部下の成長にプラスになっていない、といった声も聞かれます。その原因の一つは、1ON1ミーティングそのものが目的となり、その時間を過ごすことで仕事をした気になってしまっている、というケースが挙げられます。

    1ON1ミーティングで進捗確認する場合も、それ自体が目的になってしまうと、お互いの不毛な時間になっていってしまいます。次に説明する、本来の目的を抑えながら、部下とコミュニケーションを取っていきましょう。

    第一の目的は、組織成果達成のために部下の成果創出を支援することです。部下の目標に対する現状を確認し、適切な支援をしていくための場にしていきましょう。

    第二の目的は、部下の成長を支援することです。部下が自身のキャリア目標に対して現状をどう感じているのかを確認し、日々の仕事を通じて成長を実感できるような、モチベーション向上につなげる時間としましょう。では、その進捗確認の頻度は、どのくらいが適切なのでしょうか?

    “部下のスキル”や“やる気”のレベルに合わせたコミュニケーション機会を用意する

    部下の進捗確認の頻度は、業務の性質や部下の能力レベルによって異なりますが、一般的な目安として以下のように言われています。

    ・草創期の部下(経験が浅く能力レベルが低い部下や新入社員):3回/週
    ・成長期の部下(ある程度仕事を自分で回すことができる部下):1回/週〜2週
    ・成熟期の部下(仕事を自分で回すことができるし、他者に指導できる部下):1回/月

    1ON1ミーティングを導入している企業では、頻度を1回/2週間〜1ヶ月に設定しているところが多いです。ただ、草創期の部下にはそれ以上の関わりが必要になります。(※1ON1ミーティングでは、仕事の話はしないとのルールを作っている企業もありますので、ルールに則った活用をしてください。)

    人は理屈ではなく感情で動く生き物です。本人の能力だけで判断するのではなくやる気のレベルでも進捗確認の頻度を柔軟に変えていく必要があります。部下の日頃の状況を観察しながら、能力とやる気の軸で、以下の4つのタイムに分けて確認頻度を考えてみましょう。

    ・能力もやる気も高いタイプ:1回/2週〜1ヶ月
    ・能力は高いけど、やる気を見失っているタイプ:1回/週〜2週
    ・やる気は高いのだけど、能力が伴っていないタイプ:1回/週〜2週
    ・やる気も能力も低いタイプ:1回〜2回/週

    以上、今回は、部下の進捗確認をどのような頻度で進めていけばいいのかについて、ご紹介しました。進捗確認の頻度に正解はありません。仕事の特性や部下の能力ややる気、その時の心理状態によって柔軟に対応していく必要があります。

    そのため、組織のメンバーと共に進捗確認頻度のルール作りをしていくことが大切です。進捗確認の場を、ただの確認だけの場に終わらすのではなく、部下の能力ややる気が上がる場にし、組織成果向上に繋げていきましょう。

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