• 美人店長が激怒するクレーマー客を一喝「もう来なくていいよ」 女子大生バイトを守った神対応 NEW

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    接客中に客が理不尽に怒りをぶつけてきたとき、店長が毅然とした態度で守ってくれたら心強い。関東圏に住む佐久間さん(仮名:20代女性)は、学生時代に個人経営のバーでアルバイトをしていた時の衝撃的な体験を語ってくれた。

    店内は、バーカウンターとテーブル席が6つほどのこぢんまりとした作りだった。ガールズバーというわけではないが、従業員とアルバイト数名は女性ばかりで、男性スタッフはいなかったという。

    「いかがわしい接客は全くありませんでした。時々、強引に隣に呼ばれて肩を抱かれることもありましたが、そういう時は店長が『〇ちゃん!手伝って!ごめんなさいねえ〜』とすぐに割って入って引き剥がしてくれましたね」

    客層は大学生から60代と幅広く、ほとんどがサラリーマン。中には海外からの出張ついでに立ち寄る外国人もいたという。

    そんな人気店に、時折姿を見せる「自称セレブのおばあさん」がいた。佐久間さんは、ある時その人から激しいクレームを浴びてしまったというが……。編集部では、佐久間さんに直接話を聞いた。(文:篠原みつき)

    「ものすごい剣幕で怒鳴り始めたんです」

    そのおばあさんは、数か月に一回ていど来店する常連客だったが、「このお客さんが本当にクセのある人で……」と振り返る。

    「スタッフの中でも新人のことはほぼ無視するのに、一度でも気に入った相手とはニコニコと話す、とても気難しい方でした。大盤振る舞いをするタイプではありませんでしたが、いつも派手な格好で身なりは良く、お酒の飲み方も悪くはなかったので、店長からは『気難しいから大変だけど、なるべく愛想良くして、好かれるように努力してほしい』と言われていました」

    しかし、ある日、佐久間さんは致命的な失言をしてしまう。その日、セレブおばあさんが身に着けていたのは、大ぶりの宝石がジャラジャラと連なったデザインのネックレスだった。

    「つい、『すごいですねー!こんなに沢山!全部本物ですよね?』と言ってしまったんです。もちろん、おばあさんに『フフン!当然本物よ~!』と得意になってもらえれば、と思っての発言でした」

    だが、その言葉を聞いた瞬間、セレブおばあさんの怒りが爆発した。

    「『アタシのネックレスが偽物だって言うの~!?』と、ものすごい剣幕で怒鳴り始めたんです」

    突然の怒声に、店内にいた他のお客さんも驚き、佐久間さんは慌てた。「いえ、そういう意味ではなくて…こんなに立派な宝石、見たことがなくて…」としどろもどろに弁解するも、おばあさんの怒りは収まらない。

    「『そりゃアンタみたいな小娘には見ても分からないでしょうねえ~!』と吐き捨て、私が着けていた小さなダイヤモンドのネックレスを指さして、『そ~んなオモチャみたいな“石クズ”しか着けられないアンタとアタシは違うのよ!人を疑うなんて失礼すぎるわ!!恥を知りなさい!!』と言われました。そのネックレスは、当時付き合っていた社会人の彼がクリスマスにプレゼントしてくれた大切なものだったので、とても悲しかったです」

    あまりの剣幕に、佐久間さんはひたすら頭を下げるしかなかった。見かねた優しい常連客が「まあまあ、せっかく来たんだから楽しく飲みましょうよ」と間に入ってなだめようとしてくれたという。

    「スタイルが良くて切れ長の目をした美人」な店長が神対応

    最終的に、事態を見かねた女性店長が割って入った。店長は当時40歳くらいで、「スタイルが良くて切れ長の目をした美人で、外見だけでなく、とても周りをよく見ていて優しくて物怖じしない、凛とした強い女性」だったそう。

    その店長は佐久間さんに後ろ手で「行きなさい」と合図し、まだ怒りが収まらないおばあさんと対峙。クレームをひとしきり聞いた後、毅然とした態度でこう言い放った。

    「そうだよ、あの子は小娘だよ。まだ若いし世の中もよく知らない。だったらあなたが『違うよ、本物だよ』でいいじゃない。小娘、小娘って言うならね、何でその小娘にそこまで怒るわけ?うちのスタッフが気に入らないなら、うちの店に来てももう面白くないでしょう。タクシー呼ぶから帰ったら?もう来なくていいよ」

    そう言って、おばあさんを無理やり追い返したという。おばあさんは去り際に「アタシだって二度と来ないわ!アンタ達の顔なんか二度と見たくもない!恥知らず!」と捨て台詞を吐いていたが、店長は「はいはい、それでいいよ。うん。それでいいから。ごめんね〜」と意に介さない様子で受け流していたという。

    「あんなばあさん、来なくなっても変わんないから」と店長

    閉店後、佐久間さんが「店長…迷惑かけてすみませんでした…」と謝罪すると、店長は煙草をふかしながらこう言ったそうだ。

    「いいのいいの。あんなばあさん、来なくなっても変わんないから。それに、そんなに金が余ってるなら高級ラウンジやホストクラブにでも行けばいいのに、って思わない?…うち、他店に比べたらうんと安いでしょ。あのばあさん、わざわざうちの客や若い店員に宝石見せびらかして、“ウワ〜スゴ〜イ”って思われたいのよ」

    その言葉通り、このおばあさんがその後店に現れることは、少なくとも佐久間さんが辞めるまでは一度もなかった。

    この一件以来、店長は佐久間さんたちアルバイトに様々な身の上話をしてくれるようになり、スタッフ同士で接客のノウハウについて話し合う機会も増えた。その結果、店は週末になると常連客すら入れないほど繁盛するようになったという。

    「締め作業が終わった後、店長がよく『ラーメン行こう!』とみんなを誘ってくれて、ラーメンを奢ってもらったのはいい思い出です。店長には大学卒業まで本当にお世話になりました」

    信頼できる店長の適切な対応のおかげで、この一件も「学生時代のいい経験」に昇華されたようだ。

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