• 女性社員が妊娠 → 父親は自分!? 課長と両親に恫喝された男性 「DNA検査しますか」と返してみた結果

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    元部下の妊娠をめぐり、いきなり父親だと決めつけられた男性。しかし、全く身に覚えがなかった――。

    40代男性の高田さん(仮名)は今から数年前、かつての部下の妊娠をめぐって、会社で呼び出しをくらい、一方的に恫喝されるというひどい目に遭った。編集部では、高田さんに当時の詳しい状況について詳しく話を聞いた。(文:長田コウ)

    「あっ!結婚なさったんですね」→「なんだその言いぐさは!」両親に激怒される

    その日、上司から「本店に行って課長に会ってくれ」と言われて、「やっと私も評価されて本店に返り咲きなのか~」と胸を躍らせていた高田さん。いざ案内された会議室に入ると、課長の他に中年の男女一組がいた。

    そして、中年男性が高田さんを睨みつけ一言こう告げた。

    「同じ会社の女性社員〇〇の両親です!」

    高田さんは「はあ、はじめまして」と返すも、状況の理解が追い付かない。すると課長が、困惑する高田さんの前に紙を置いてきた。それは休業届で、女性社員の名前と「出産育児の為」という理由が書かれていた。

    それを見た高田さんが咄嗟に「あっ!結婚なさったんですね。言ってくれれば良いのに、おめでとうございます」と言ったところ、「なんだその言いぐさは!」と両親は激怒。課長は「〇〇さんと交際してたんだろ」と問い詰めてきた。

    そこで、高田さんはようやく「妊娠に私が関係していると考えているのか」と気付いた。どうやら3人は高田さんがお腹の子の父親だと思い込んでいるようだった。両親からは、

    「娘は毎日、楽しそうにあなたの事を話していた。『父親なのか』と聞くと、否定も肯定もしなかった」

    と言われたそうだ。しかし、高田さんには思い当たる節がなかった。女性社員と高田さんは、以前に1年ほど一緒に働いていて、あくまでも上司と部下の関係性だった。部署が変わってからもメールでやり取りしていたが、「飼い猫や野良猫の写真」といった他愛もない内容だったという。

    その女性社員からは「高田さんがいて良かった、いなかったら辞めてました。助かり
    ました」といったことを言われたことはあったが、高田さんにとってはあくまでも部下の一人で、妊娠云々はまさに寝耳に水だ。

    「今回の件に関して一切口外しない」という誓約書

    やましいことのない高田さんが「彼女とは1年以上会ってないし、DNA検査でもしますか」と聞くと、両親と課長は押し黙ってしまった。そして何かを考え込むように、高田さんから視線をそらしたという。

    すると、課長が一度退出して、紙を持って戻ってきた。それは「今回の件に関して一切口外しない云々」という誓約書で、高田さんにサインするよう求めてきた。

    さすがにこれは我慢できなかった。

    「『はぁ、なんですかこれは! 勝手に誤解して問い詰めて、何も言うなって。真相が分かったら、ちゃんと報告して謝罪してください』とサインせずに退室しました」

    部屋を出た後は、本社の知り合いに会うと詮索されそうだったため、すぐに支店に戻ったという。帰ってから上司にだけことの経緯を伝えたが、「へーそーなんだー」と無関心な様子だった。

    「この件で、会社に居づらくなると言ったことは特にありませんでした。そもそも知っているのはごく少数のようで、他から話を一切聞きませんでした」

    「女性社員から一切連絡がないことも悲しく思っています」

    会議室での理不尽な叱責の中でも、高田さんが最も納得いかなかった瞬間をこう振り返る。

    「最初から『自白しろ!』といった態度と言葉、課長の『交際してたんだろ』、父親の『なんだその言い草は』といい、もう恫喝でした。事態が呑み込めていない私は、『結婚を祝った事で怒っているのか?なぜ?』と思いましたが、父親の『なんだその言い草は』発言からはムッとし続けていました。」

    そもそもなぜ、課長は高田さんに直接確認する前に、両親を同席させたのだろう。高田さんによると、まず両親が「直接本社に来て社長に会いたい」と会社に連絡してきた。

    「その話が課長に回ってきたときには、既に私が父親であるという勝手な筋書きが出来上がっていたようです。そのため、私本人が両親に直接誠意を見せることで早急に解決しようとしたんだと思います」

    全くの濡れ衣だったわけだが、会社から謝罪がなかったことについては、どう感じているのだろう。

    「謝罪や説明は無いだろうと思っていました。何かトラブルがあっても会社や役員が非を認めた事はないので通常営業といった感じです。ただ、女性社員がお腹の子の父親について最初に否定も肯定もしなかったことは残念ですし、この一件の後、女性社員から一切連絡がないことも悲しく思っています」

    確かに、女性社員からも謝罪の一言があってもいいだろう。なお、この女性社員はほどなくして退職したという。いまだに何が真実か分からず、高田さんは依然スッキリしない思いを抱えたままだ。

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