「管理職ほどタイパ・コスパが悪いものはない」昇格を拒否して転職した男性、その真意とは 2025年7月15日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ かつては多くの働く人が目指した「管理職」というポスト。しかし今、その魅力は薄れ、責任ばかりが重くのしかかる割に合わない役職だと考える人が増えている。「会社の昇格辞令を拒否して転職した」という神奈川県の60代男性から、その理由を明かす投稿が寄せられた。(文:篠原みつき) 男性は自身の経験から「自分の人生の時間価値を考えたとき管理職ほどタイパ・コスパが悪いものはない」と断言する。理由は、こんな理不尽さにあるという。 「微々たる給料UPの見返りとして、理不尽な責任を負わされ大した決定権もなく上下から突き上げを食らい、雑務に忙殺されて気付けば自分のスキルが時代遅れになり、もはや追い付けないほど引き離される現実を目の当たりにする」 「人としての基本も疑わしいレベル」の部下育成に疲弊 管理職の負担をさらに増大させているのが、部下の育成だ。もちろん男性は「一を聞いて十を知るような優秀な部下」に恵まれれば負担は減るが、人手不足の現代ではそうもいかないと指摘する。 「闇雲に採用した人材は社会人としての基礎どころか人としての基本も疑わしいレベルが珍しくない。それを平均レベルまで引き上げるタイムロスは自分にも企業にも無駄金を捨てるようなもの」 社会人としての常識を教えるところから始めなければならず、その労力は計り知れない。さらに、「終身雇用が事実上崩壊して」いる現代、「生涯会社に貢献してくれることを期待する時代が終わっている」とした上で、 「あわよくば才能がある人がいたとして転職が当たり前になった時代、いざ戦力にとなったとたんに退職代行などを使いあっさり辞めていく。それを『引き止められなかった上司の管理能力欠如』などと評価されたらたまったものではない」 最近は転職も当たり前だ。もはや個人のキャリア選択の問題ですら、下手をすれば上司の責任にされてしまう。この理不尽さが、男性が管理職を拒否する決定的な理由となった。 もちろん、好き好んで管理職になる人を否定するつもりはないと男性は言う。それは「その人が選んだ生き方なので」としている。そうした同僚や上司を思い出したのか、 「会社からの昇格辞令を丁重に受ける人もいれば、私のように拒否して『会社の命令には従えない』ことを理由に転職する人もいる」 と、それぞれの人生の選択に思いを馳せていた。
「管理職ほどタイパ・コスパが悪いものはない」昇格を拒否して転職した男性、その真意とは
かつては多くの働く人が目指した「管理職」というポスト。しかし今、その魅力は薄れ、責任ばかりが重くのしかかる割に合わない役職だと考える人が増えている。「会社の昇格辞令を拒否して転職した」という神奈川県の60代男性から、その理由を明かす投稿が寄せられた。(文:篠原みつき)
男性は自身の経験から「自分の人生の時間価値を考えたとき管理職ほどタイパ・コスパが悪いものはない」と断言する。理由は、こんな理不尽さにあるという。
「微々たる給料UPの見返りとして、理不尽な責任を負わされ大した決定権もなく上下から突き上げを食らい、雑務に忙殺されて気付けば自分のスキルが時代遅れになり、もはや追い付けないほど引き離される現実を目の当たりにする」
「人としての基本も疑わしいレベル」の部下育成に疲弊
管理職の負担をさらに増大させているのが、部下の育成だ。もちろん男性は「一を聞いて十を知るような優秀な部下」に恵まれれば負担は減るが、人手不足の現代ではそうもいかないと指摘する。
「闇雲に採用した人材は社会人としての基礎どころか人としての基本も疑わしいレベルが珍しくない。それを平均レベルまで引き上げるタイムロスは自分にも企業にも無駄金を捨てるようなもの」
社会人としての常識を教えるところから始めなければならず、その労力は計り知れない。さらに、「終身雇用が事実上崩壊して」いる現代、「生涯会社に貢献してくれることを期待する時代が終わっている」とした上で、
「あわよくば才能がある人がいたとして転職が当たり前になった時代、いざ戦力にとなったとたんに退職代行などを使いあっさり辞めていく。それを『引き止められなかった上司の管理能力欠如』などと評価されたらたまったものではない」
最近は転職も当たり前だ。もはや個人のキャリア選択の問題ですら、下手をすれば上司の責任にされてしまう。この理不尽さが、男性が管理職を拒否する決定的な理由となった。
もちろん、好き好んで管理職になる人を否定するつもりはないと男性は言う。それは「その人が選んだ生き方なので」としている。そうした同僚や上司を思い出したのか、
「会社からの昇格辞令を丁重に受ける人もいれば、私のように拒否して『会社の命令には従えない』ことを理由に転職する人もいる」
と、それぞれの人生の選択に思いを馳せていた。