30分遅刻してきた面接官「今日は何しに来たの?」――その場で辞退した “史上最悪の面接” ある男性の回想 NEW 2025年10月17日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ 採用面接は、応募者が会社を見極める機会でもある。それにもかかわらず、信じられないような対応をする面接官も存在するようだ。 宮本さん(仮名、40代男性)は、10年ほど前に受けたSIer系企業で、ひどい面接官に当たってしまった。書類選考を通過して1次面談に臨んだが、30分以上も待たされた挙げ句、面接官から衝撃的な言葉を浴びせられたというのだ。 「現職中の転職活動だったので、有休で調整した上で面談に行ったのに、あそこまでひどい会社は1社だけでした」 編集部は宮本さんに当時の面接の状況を詳しく聞いた。(文:天音琴葉) 採用する気なし?ロビーの待合スペースで始まった面接 これは、当時30代だった宮本さんが、初めての転職活動に励んでいた2013年頃の話だ。新卒で入社したPC周辺機器を扱う会社に10年以上勤めていたが、キャリアチェンジを決意。しかし、その会社の上司から「(業界が狭いから)同業他社への転職はNG」と釘を刺されていた。 「経験していたルート営業では、当時は営業経験としてみてもらうこともできず、職歴をどうアピールすればよいかわからない状態でした。そこで、以前から興味があったプログラマーなどの職種へキャリアチェンジしてもよいのではと考え、数社応募し始めたんです」 そんな中、あるSIer系の会社からオファーが届き、面接に臨むことになった。だが、これが悪夢の始まりだった。約束の時間の数分前に会社に到着したものの、応接室ではなく、囲いもないロビーの待合スペースに案内され、そこで30分以上も待たされた。 「受付の方などから担当が遅れるなどの言伝もなく、その後、ようやく来られた面接担当の方は不機嫌そうな態度でしたね」 謝罪の言葉も一切ないまま、面接は始まった。面接官は40代前半くらいの男性で、宮本さんが持参した履歴書に軽く目を通した直後、衝撃の一言を放った。 「『今日は何しに来たの?』と言われました」 着席してから、わずか数分での出来事だったという。 研修中の月給23万円に、「そんな給料でやっていけるの?」 「未経験と言われるのは理解していましたが、初対面でそこまで言われるとは……。それに転職サイトのオファーで頂いた企業だったので、話くらいは聞いてくれるものと期待していたのですが、先方はそんなつもりは全くないということがすぐにわかりました」 その後も、宮本さんの経歴を見下し、採用する気がないことを前提としたかのような、高圧的な質問ばかりが続いたという。 「『(研修中は給料が下がるが)そんな給料でやっていけるのか?』『研修がダメだったらどうする気だ?』などと言われました」 月給30万円のところ、研修中は23万円程に下がるという。だが、この給料を設定したのは会社側なのだから、確認のためとはいえ感じが悪い。 一方で宮本さんは、圧迫されるも「プログラミングは未経験ですが、パソコン自体の経験やHTMLの知識はあります。研修だけでなく自分でも勉強をして追いつけるようにしたいと考えています」などと必死に食い下がった。しかし、面接官の不遜な態度は変わらなかった。 「どうせこの経歴じゃ面接は通らない。今ここで辞退するか?」 面接官は「なんで営業しかしたことがないのに、いきなりプログラマになれると思ったのか」と、小馬鹿にしたような態度で問い詰めてきたそうだ。宮本さんが、オファーの際に「未経験可・研修あり」と書かれていたから応募した旨を伝えるも、面接官は「そんなことのために研修やってんじゃない」と吐き捨てるように言ったという。その後も「基本的に上から目線」で、「小馬鹿にしたような態度と物言い」が続いた。 完全に心が折れた宮本さんに対し、面接官は追い打ちをかけるようにトドメを刺してきた。 「『どうせこの経歴じゃ(今日の)面接は通らないし、通っても続かないと思う。それでも後日の返答を待つか?それとも今ここで辞退するか?』と。この言われようではどうせ通らないだろうと感じ、自分から辞退をしようか考えていたので、逆にラッキーでした」 宮本さんがその場で辞退を伝えると、面接官は「ああ、そうだよね」とあっさりと了承。「じゃあ今回の面談はこれで終了で」と言ってすぐに席を立ち、社内に戻って行った。見送りももちろんなく、履歴書まで「これ、いらないから持って帰っていいよ」とその場で返却されたという。 数年後、その会社は消滅か この一件は、宮本さんのその後の転職活動に大きな影響を与えた。 「プログラマやエンジニアなどの職種に憧れはまだありましたが、この件があって怖くなり、そちらの職種への応募は取りやめました。また、『未経験OK』や『研修あり』といった記載があっても信用しないようになりました」 その後、宮本さんは前職の経験を買われ、通信会社の代理店へ入社。その後も数社を経て、現在は任期付き地方公務員として働いている。 ちなみに、あの面接から数年後、仕事で近くに行く用事があった際に会社のあった場所を訪れてみたが、その会社はなくなっていたそうだ。 「検索してみたところ会社のHPも出てこなかったので、きっと倒産してしまったか、吸収されたのではないかなと……」
30分遅刻してきた面接官「今日は何しに来たの?」――その場で辞退した “史上最悪の面接” ある男性の回想 NEW
採用面接は、応募者が会社を見極める機会でもある。それにもかかわらず、信じられないような対応をする面接官も存在するようだ。
宮本さん(仮名、40代男性)は、10年ほど前に受けたSIer系企業で、ひどい面接官に当たってしまった。書類選考を通過して1次面談に臨んだが、30分以上も待たされた挙げ句、面接官から衝撃的な言葉を浴びせられたというのだ。
「現職中の転職活動だったので、有休で調整した上で面談に行ったのに、あそこまでひどい会社は1社だけでした」
編集部は宮本さんに当時の面接の状況を詳しく聞いた。(文:天音琴葉)
採用する気なし?ロビーの待合スペースで始まった面接
これは、当時30代だった宮本さんが、初めての転職活動に励んでいた2013年頃の話だ。新卒で入社したPC周辺機器を扱う会社に10年以上勤めていたが、キャリアチェンジを決意。しかし、その会社の上司から「(業界が狭いから)同業他社への転職はNG」と釘を刺されていた。
「経験していたルート営業では、当時は営業経験としてみてもらうこともできず、職歴をどうアピールすればよいかわからない状態でした。そこで、以前から興味があったプログラマーなどの職種へキャリアチェンジしてもよいのではと考え、数社応募し始めたんです」
そんな中、あるSIer系の会社からオファーが届き、面接に臨むことになった。だが、これが悪夢の始まりだった。約束の時間の数分前に会社に到着したものの、応接室ではなく、囲いもないロビーの待合スペースに案内され、そこで30分以上も待たされた。
「受付の方などから担当が遅れるなどの言伝もなく、その後、ようやく来られた面接担当の方は不機嫌そうな態度でしたね」
謝罪の言葉も一切ないまま、面接は始まった。面接官は40代前半くらいの男性で、宮本さんが持参した履歴書に軽く目を通した直後、衝撃の一言を放った。
「『今日は何しに来たの?』と言われました」
着席してから、わずか数分での出来事だったという。
研修中の月給23万円に、「そんな給料でやっていけるの?」
「未経験と言われるのは理解していましたが、初対面でそこまで言われるとは……。それに転職サイトのオファーで頂いた企業だったので、話くらいは聞いてくれるものと期待していたのですが、先方はそんなつもりは全くないということがすぐにわかりました」
その後も、宮本さんの経歴を見下し、採用する気がないことを前提としたかのような、高圧的な質問ばかりが続いたという。
「『(研修中は給料が下がるが)そんな給料でやっていけるのか?』『研修がダメだったらどうする気だ?』などと言われました」
月給30万円のところ、研修中は23万円程に下がるという。だが、この給料を設定したのは会社側なのだから、確認のためとはいえ感じが悪い。
一方で宮本さんは、圧迫されるも「プログラミングは未経験ですが、パソコン自体の経験やHTMLの知識はあります。研修だけでなく自分でも勉強をして追いつけるようにしたいと考えています」などと必死に食い下がった。しかし、面接官の不遜な態度は変わらなかった。
「どうせこの経歴じゃ面接は通らない。今ここで辞退するか?」
面接官は「なんで営業しかしたことがないのに、いきなりプログラマになれると思ったのか」と、小馬鹿にしたような態度で問い詰めてきたそうだ。宮本さんが、オファーの際に「未経験可・研修あり」と書かれていたから応募した旨を伝えるも、面接官は「そんなことのために研修やってんじゃない」と吐き捨てるように言ったという。その後も「基本的に上から目線」で、「小馬鹿にしたような態度と物言い」が続いた。
完全に心が折れた宮本さんに対し、面接官は追い打ちをかけるようにトドメを刺してきた。
「『どうせこの経歴じゃ(今日の)面接は通らないし、通っても続かないと思う。それでも後日の返答を待つか?それとも今ここで辞退するか?』と。この言われようではどうせ通らないだろうと感じ、自分から辞退をしようか考えていたので、逆にラッキーでした」
宮本さんがその場で辞退を伝えると、面接官は「ああ、そうだよね」とあっさりと了承。「じゃあ今回の面談はこれで終了で」と言ってすぐに席を立ち、社内に戻って行った。見送りももちろんなく、履歴書まで「これ、いらないから持って帰っていいよ」とその場で返却されたという。
数年後、その会社は消滅か
この一件は、宮本さんのその後の転職活動に大きな影響を与えた。
「プログラマやエンジニアなどの職種に憧れはまだありましたが、この件があって怖くなり、そちらの職種への応募は取りやめました。また、『未経験OK』や『研修あり』といった記載があっても信用しないようになりました」
その後、宮本さんは前職の経験を買われ、通信会社の代理店へ入社。その後も数社を経て、現在は任期付き地方公務員として働いている。
ちなみに、あの面接から数年後、仕事で近くに行く用事があった際に会社のあった場所を訪れてみたが、その会社はなくなっていたそうだ。
「検索してみたところ会社のHPも出てこなかったので、きっと倒産してしまったか、吸収されたのではないかなと……」