「店は跡形もなく消えていました」 休憩は段ボールの上、トイレは倉庫の和式… 従業員を粗末に扱い続けたツケ NEW 2025年11月24日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ 経営センスのない上司が指揮を執ると、現場は混乱し、最終的には組織そのものが立ち行かなくなることがある。大阪府の40代女性は、かつて勤務していた職場の「ダメダメだった」内情を明かした。(文:篠原みつき) 当時、女性は某インフラ系企業の子会社が運営する店で働いていた。そこに親会社から出向でやってきた部長が、「全く販売店のノウハウを知らない人」だったという。その指示は現場を困惑させるものばかりだった。 「予算がないからと商品在庫はスカスカ、更に食品は期限が切れるからと、品数を絞るために、売れたものから扱いを止めるのです」 発注センスが皆無「何十万もかけて怪しい健康食品を増やしたり」 売れ筋商品こそ利益の源泉だ。女性が「いやいや、売れるものこそ補充して、最後まで売れ残った物を処分セールで売り切るべきでしょう」とツッコミを入れたくなるのも無理はない。 さらに部長のお金の使い方も不可解だった。「何万もかけて狭い店内を飾りつけたり、何十万もかけて怪しい健康食品を増やしたり」していたという。一方で、従業員の働く環境は劣悪なまま放置された。 「そのお金があったら、まともなトイレや休憩スペース1畳分でも作れるでしょう。倉庫の一角に、寒風吹き荒ぶ上に音がダダ漏れの和式トイレが1個あるだけなんだから。バイトが納品段ボール箱の上でカップラーメンやパンをかじっているの、知ってるでしょう?」 「私は特別だからぁ~」と働かないパート 部長のえこ贔屓も酷かったようだ。お気に入りのパート女性は、どんなに店内が混雑していても品出しやレジを手伝わず、一人悠々と商品紹介のポップを書いていたという。 「『いや、私は特別だからぁ~』だそうです」 さらに、「売り上げが足りない時は、その分従業員に買わせる」という、いわゆる自爆営業も横行。「物は沢山あっても買いたいものが何もない、そんな店でした」と女性は振り返る。 結局、女性は見切りをつけて退職した。その判断は正しかったようで、 「辞めた2年後、たまたま店の前を通りかかったら、店は跡形もなく消えていました」 倒産したのか撤退したのかは定かではないが、あの経営方針では長く続くはずもなかっただろう。現在はイベントスタッフとして働く女性。当時の経験は反面教師として生きているようだ。 「今の私なら、商談も売り場の提案も販売もできるし、黙って部長の好きにはさせないと思います。ああ、昔にかえってダメダメだった店を仕切りたい!」 と、今なら店を立て直せるという自信をのぞかせた。
「店は跡形もなく消えていました」 休憩は段ボールの上、トイレは倉庫の和式… 従業員を粗末に扱い続けたツケ NEW
経営センスのない上司が指揮を執ると、現場は混乱し、最終的には組織そのものが立ち行かなくなることがある。大阪府の40代女性は、かつて勤務していた職場の「ダメダメだった」内情を明かした。(文:篠原みつき)
当時、女性は某インフラ系企業の子会社が運営する店で働いていた。そこに親会社から出向でやってきた部長が、「全く販売店のノウハウを知らない人」だったという。その指示は現場を困惑させるものばかりだった。
「予算がないからと商品在庫はスカスカ、更に食品は期限が切れるからと、品数を絞るために、売れたものから扱いを止めるのです」
発注センスが皆無「何十万もかけて怪しい健康食品を増やしたり」
売れ筋商品こそ利益の源泉だ。女性が「いやいや、売れるものこそ補充して、最後まで売れ残った物を処分セールで売り切るべきでしょう」とツッコミを入れたくなるのも無理はない。
さらに部長のお金の使い方も不可解だった。「何万もかけて狭い店内を飾りつけたり、何十万もかけて怪しい健康食品を増やしたり」していたという。一方で、従業員の働く環境は劣悪なまま放置された。
「そのお金があったら、まともなトイレや休憩スペース1畳分でも作れるでしょう。倉庫の一角に、寒風吹き荒ぶ上に音がダダ漏れの和式トイレが1個あるだけなんだから。バイトが納品段ボール箱の上でカップラーメンやパンをかじっているの、知ってるでしょう?」
「私は特別だからぁ~」と働かないパート
部長のえこ贔屓も酷かったようだ。お気に入りのパート女性は、どんなに店内が混雑していても品出しやレジを手伝わず、一人悠々と商品紹介のポップを書いていたという。
「『いや、私は特別だからぁ~』だそうです」
さらに、「売り上げが足りない時は、その分従業員に買わせる」という、いわゆる自爆営業も横行。「物は沢山あっても買いたいものが何もない、そんな店でした」と女性は振り返る。
結局、女性は見切りをつけて退職した。その判断は正しかったようで、
「辞めた2年後、たまたま店の前を通りかかったら、店は跡形もなく消えていました」
倒産したのか撤退したのかは定かではないが、あの経営方針では長く続くはずもなかっただろう。現在はイベントスタッフとして働く女性。当時の経験は反面教師として生きているようだ。
「今の私なら、商談も売り場の提案も販売もできるし、黙って部長の好きにはさせないと思います。ああ、昔にかえってダメダメだった店を仕切りたい!」
と、今なら店を立て直せるという自信をのぞかせた。