• あなたの職場は大丈夫? 会社を蝕む「大企業病」10の兆候

    リンクトインのウェブサイトより

    「待遇がよくて、厳しい仕事が少ない大企業に入りたい」と考える就活生が多いと思いますが、「大企業病」に蝕まれた会社で貴重な時間を過ごすのは、いくら会社が大きくてもオススメできるものではありません。それは年長の社会人にとっても同じことでしょう。

    2月14日付のリンクトインに、SATOグローバル・ソリューションズのジェフ・ファッジ氏が、大企業病に蝕まれている会社の「10の兆候」を挙げています。ちなみにファッジ氏の会社は、日系機械メーカーのグループ会社です。(文:夢野響子)

    1.きちんとした議題のない会議に、時間の8割方を費やしている。

    出席者の半数が、議論より携帯のメールチェックに気をとられています。次のステップの責任やフォローアップについては一切論じられません。ある部門の出席者が現行プロセスの改善法について話しても、他部門がほとんどそれに反応しません。

    2.「チームとしての勝ち負け」が、部門レベルの勝利にすり替えられている。

    「確かに会社は今年度赤字だった。でもうちの部署は必要なことはすべてやった。他部署の生産性が上がらなかったのは私の責任じゃない。私は去年より多額のボーナスに値する」という会話が頻繁に聞かれませんか。要するに、会社や事業としてうまく行ったとは言えないのに、社内の別のチームよりマシだという話になっていないか、ということです。

    3.「改革・戦略変更・プロセスの改良」が「官僚主義・隠蔽・優柔不断」に置き換わっている。

    原文の「CYA activities」とは、英語のスラングで「Cover your ass」、つまり言い逃れや隠蔽のことを指します。「意思決定を先延ばしすることは安全で確実な方法である」と誤って考えている企業がたくさんあります。誤って決定を下すことへの恐れは、製品やサービスの停滞、市場シェアの損失、トップ従業員の離脱に結びつきます。間違えることよりも、迅速に対応し修正することを優先すべきだ、ということですね。

    4.議論が、顧客のニーズや関心から離れる傾向がある。

    大企業病に蝕まれると、社員たちは会社がどのように収益を上げているのかを忘れ、焦点が「どのように社内政治を生き残るか」に移っていきます。自分の出世だけに意識を奪われていても、会社が傾いてしまっては元も子もありませんね。

    5.中途採用するとき、同じ業界にいた候補者を選んでしまう。

    新しい従業員は同一、または同じような業界から選ばれるようになります。「採用した人がもし活躍しなかったとしても、責任を問われることはないだろう」と安全性を求める動機からです。大企業の生え抜き社員が、中小やベンチャーからではなく、同じような大企業から人を採りたがるのと似ていますね。

    6.現在の貢献度にかかわらず、長期従業員への揺るぎない忠誠心が見られる。

    こうして営利企業は、成長を犠牲にして慈善団体に移行していきます。

    7.リーダーにならないことが安全なキャリア選択と見なされる

    みんなリーダーよりフォロワーになりたがるということです。原文の「Whack-A-Mole」とは「もぐら叩きゲーム」のこと。通常は場当たり的な対応という意味に使われますが、ここでは「出る杭は打たれる」と解釈した方がいいかもしれません。減点主義が蔓延すれば、危険を冒して頭を上げる者がいなくなります。

    8.企業戦略が、ただただ失敗を避けることになる。

    プロジェクトの失敗を恐れるあまり、プロジェクトの成功を奨励する代わりに、失敗が一番少なかった人に昇進が与えられるようになります。失敗して、その後でそれを改善することが、本質的にはより良い戦略的オプションなのですが。

    9.最高経営陣以外には、責任がなくなる。

    波風立てたり現状を疑問視したりしない限り、雇用はほとんど保証されています。すべては上の組織全体が「無責任体制」になってしまうということです。

    10.戦略的な意思決定と解決法が、戦術的なプロジェクトの結果として作られる。

    やや分かりにくいのですが、戦略とは本来、戦術に先立って作られるものであって、戦術レベルのプロジェクトの都合のよいように作られるものではない、という意味なのでしょう。ファッジ氏は「戦略は理想的には、戦術的実行力の強い者ではなく、深い思想家によって作り出されるべきものだ」と言っています。

    また記事の終わりには、シャープ代表取締役社長、高橋興三氏の「財務トラブルの原因の一つは、傲慢、うぬぼれ、自己に挑戦する精神の下落、顧客の視点の欠如に特徴づけられる『大企業病』にある」という言葉を引用しながら、大企業病は治療も予防も可能であると締めくくっています。

    「我々は会社の兆候を認識して、大企業病への衝動に抵抗しなければならない。そして企業にスタートアップの情熱、革新性、前向きなエネルギーを導入することを恐れないでほしい」

    (参考)10 Signs of “Big Company Disease”

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