「1つの職場で、最低どのくらいの期間は働くべきか」 米国Q&Aサイトで議論 2015年3月1日 キャリコネNEWS ツイート より良い仕事を求めて転職することが普通の欧米では、「1つの職場に、どのくらいの期間は留まるべきか」ということが問題になります。2月22日付のBBCには、そんな疑問について答えようとする記事が載っていました。 筆者のマリア・アタナソフ氏は、Q&AサイトのQuoraに寄せられた意見をまとめています。やはり欧米でも、きちんとしたキャリアを積めないほど短い期間での転職は無意味で、次の職場からも評価されない状況が垣間見られます。(文:夢野響子) 4年間で3社は多すぎる「飽きっぽいのか、怠け者か」 回答者のマイクル・チャーチ氏は、「8か月以下での退職は、特別な事情がない限り最悪と見なされる。18か月は社会的に受け入れられる最小限だ」と主張します。その理由は、 「(18か月なら)少なくとも1つのレビューサイクルをやり抜いたことになるから」 何か仕事をやったと主張するためには、その結果を検証し、次に向けた改善に手を打つことが必要だということでしょう。また彼は「1つの職場で4年間働き続ければ、そこで働いたという完全な信用を得ることができる」としています。 「4年の間に業務で達成範囲を広げたり、1回でも昇進したりしたならOK。昇進できずプロジェクトで功績を上げていなくても、この時点ならまだ大丈夫だ。でも次の2年間には何らかの行動を起こさないと、仕事を失うことになりかねない」 まとめると、最低でも1年半は続け、実績を上げられたなら4年で十分。芳しい実績がなければ6年が勝負どころということでしょうか。この感覚は、キャリアアップしたい日本人には共感されるかもしれません。 一方、テオドル・ドゥミトレスク氏は「その仕事が嫌いか、別の好機会が訪れた場合にのみ職場を去るべきだ」と主張します。それ以外の場合には、あえて職場を変える必要がないという考えのようです。マット・ミッキヴィッツ氏も、 「4年間に仕事を3つ変わることほど、採用担当者を警戒させることはない」 と指摘します。その人は飽きっぽいのか、怠けて解雇されたのか。どちらにしても忠実心に欠け、すぐに船を乗り換えることは、企業チームの生産性を破壊することだからです。 「自分の心に従え」と主張する人も ジェフ・ロン氏は、上司が2通の履歴書を比べていたのを思い出します。両者とも8年間の勤務経験を持ち、学歴も同じくらい。A氏は2年ずつ4つの仕事に就き、B氏は4年ずつ2つの仕事に就いていました。上司は転職回数の多いA氏を選んだのだそうです。 「最終的には、4つの職歴を持った人の多様な経験を優先しました。職歴が多いことは柔軟性、汎用性、適応性を示します。もし長期間一つの会社に留まるなら、そこで何かを達成してから、次の職場に移るようにしましょう」 逆にいうと、社歴だけは長いものの社外にアピールできる実績がない人は、社内で活躍する場所を見つけた方がいいのかもしれませんね。 このような意見に対し、「職場に留まるべき最低期間を見極めようなんていうのは意味がない。自分の心に従え」という意見もあります。ステファン・ヴォン・インフォフ氏は、このように言います。 「新しい雇用者に離職理由を聞かれたら、本当のことを言え。自分が求めていること、なぜ前の仕事が最悪だったか、そこで何を学んだか、新しい仕事はそれとどう違うかを説明しろ」 前職の悪口を言うような人は、新しい職場でも悪口を言って辞めるから、採用しない方がよさそうな気もしますが、みなさんはどう思われるでしょうか。 (参照)How long should you stay in a job? (BBC) あわせてよみたい:転職回数は「多い方がいい」という人の言い分 競争優位の終焉 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける 発売元: 日本経済新聞出版社 価格: ¥ 2,160 posted with Socialtunes
「1つの職場で、最低どのくらいの期間は働くべきか」 米国Q&Aサイトで議論
より良い仕事を求めて転職することが普通の欧米では、「1つの職場に、どのくらいの期間は留まるべきか」ということが問題になります。2月22日付のBBCには、そんな疑問について答えようとする記事が載っていました。
筆者のマリア・アタナソフ氏は、Q&AサイトのQuoraに寄せられた意見をまとめています。やはり欧米でも、きちんとしたキャリアを積めないほど短い期間での転職は無意味で、次の職場からも評価されない状況が垣間見られます。(文:夢野響子)
4年間で3社は多すぎる「飽きっぽいのか、怠け者か」
回答者のマイクル・チャーチ氏は、「8か月以下での退職は、特別な事情がない限り最悪と見なされる。18か月は社会的に受け入れられる最小限だ」と主張します。その理由は、
何か仕事をやったと主張するためには、その結果を検証し、次に向けた改善に手を打つことが必要だということでしょう。また彼は「1つの職場で4年間働き続ければ、そこで働いたという完全な信用を得ることができる」としています。
まとめると、最低でも1年半は続け、実績を上げられたなら4年で十分。芳しい実績がなければ6年が勝負どころということでしょうか。この感覚は、キャリアアップしたい日本人には共感されるかもしれません。
一方、テオドル・ドゥミトレスク氏は「その仕事が嫌いか、別の好機会が訪れた場合にのみ職場を去るべきだ」と主張します。それ以外の場合には、あえて職場を変える必要がないという考えのようです。マット・ミッキヴィッツ氏も、
と指摘します。その人は飽きっぽいのか、怠けて解雇されたのか。どちらにしても忠実心に欠け、すぐに船を乗り換えることは、企業チームの生産性を破壊することだからです。
「自分の心に従え」と主張する人も
ジェフ・ロン氏は、上司が2通の履歴書を比べていたのを思い出します。両者とも8年間の勤務経験を持ち、学歴も同じくらい。A氏は2年ずつ4つの仕事に就き、B氏は4年ずつ2つの仕事に就いていました。上司は転職回数の多いA氏を選んだのだそうです。
逆にいうと、社歴だけは長いものの社外にアピールできる実績がない人は、社内で活躍する場所を見つけた方がいいのかもしれませんね。
このような意見に対し、「職場に留まるべき最低期間を見極めようなんていうのは意味がない。自分の心に従え」という意見もあります。ステファン・ヴォン・インフォフ氏は、このように言います。
前職の悪口を言うような人は、新しい職場でも悪口を言って辞めるから、採用しない方がよさそうな気もしますが、みなさんはどう思われるでしょうか。
(参照)How long should you stay in a job? (BBC)
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