• 「目の前のシューカツ」をこなすだけで、あなたの人生は本当に幸せなのか?

    就活が始まると、「自分が何をしたいのか分からない…」と悩む方をよく見かけます。偏差値だけで進学先を決めてきた人なら、なおさらそうでしょう。ブログやSNSでも同様の投稿を目にしますし、私のツイッターに相談が来ることも少なくありません。

    彼らの共通点は、「就職(就社?)すること」が当たり前で、あとは「入社先を決める」ことしか頭にないことです。これは就活生に限りませんが、あなたは本当に就職したいのかどうか、今一度考えた方が良いと思っています。(文:河合浩司)

    学校では教えないから自分で考えざるをえない

    就職先には「偏差値」はない

    あまりに当たり前すぎるので誰も言わないのですが、就職とは「あくまでも生き方の一つの手段」でしかありません。まずは「自分がどんな生き方をしたいのか?」「どんな人生を歩みたいのか?」を考えるのが先ではないでしょうか。

    残念ながら今の学校教育は、これらを考える機会を作っていません。作ったところで、学校しか知らない教師には、他の生き方の提案はできないでしょう。だからこそ、自分で考えざるをえないのです。

    世の中には、寸暇を惜しんで仕事に打ち込む人もいますし、仕事とプライベートをきっちり分けている人もいます。そうかと思うと、仕事なのか趣味なのか分からないことをし続けている人もいます。「いつ仕事しているんだろう?」と不思議に思う人が、それなりに稼いでいる場合もあります。どの生き方が良くて、どれが悪いということはありません。

    こういう話をすると「そんな人がいるはずはない」「資本主義社会の日本では無理だ」という反論もありそうですが、それは上記のような生き方をしている人に会ったことがないだけです。もし「自分もそんな生き方をしたいなぁ」と思う生き方があるのであれば、実践している人に会って話を聞いてみてください。

    私の友人に、大手ゲームメーカーでテストプレイヤーをしている人がいます。彼は高校生の時からゲームセンターに通い始め、大学生になってからは入り浸るようになっていきました。彼はそこで、いろいろな大人と初めて人間関係を築いたのだそうです。

    学生のうちに大人に会って「自分の生き方」を考えよう

    彼は好きなゲームにのめり込んでいきましたが、全国大会などでは結果を残せず、ローカル大会で入賞する程度でした。それでもゲーム会社から声がかかり、今はテストプレイヤーとして仕事をしています。決して収入は多くはないそうですが、大きな不満はない日々を過ごしているようです。

    他にも、学生時代に個人で事業を営む大人に会い、無償で仕事を手伝っているうちに「一緒に仕事しないか?」と誘われた人もいます。結果的に一度は就職したものの、彼はいま個人事業主となり、その方と一緒に仕事をしています。

    こういった人たちの生き方は学校内にだけいると、知る機会はほとんどありません。それこそ、皆無と言ってもいいでしょう。

    当然ながら、それぞれの生き方にメリット・デメリットの両方があります。それは何ごとにおいても、全て同じです。しかし私には「自分の生き方を一度も考えることなく、就職を選ばせられること」の方が、ずっと大きなデメリットだと思えてなりません。

    就職先を考える前に、自身の生き方をどうしたいのかを考えてください。何の材料もなく考えてもただ悩むだけでしょうから、人に会いに行ってください。

    きっかけは何でもかまいません。アルバイトであったりボランティアであったり、インターンシップでもいいでしょう。学外の社会人が集まるイベントやセミナー、講演会などの開催情報も、今はネットですぐに入手することが可能です。まずは自身の興味関心の赴くままに動いてみてください。「学生だから」というだけで、会ってくれる大人は意外と多いものですよ。

    あわせてよみたい:国際自動車が「仮面就職でもいいから正社員に!」

     
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