コールセンターは「会社の顔」! 内製化で「試着代行サービス」を実現する女性通販ドゥクラッセ 2015年4月13日 キャリコネNEWS ツイート 独自のサイズ感や特徴あるサービスで、アラフィフ女性を中心に支持を受けるアパレル会社のドゥクラッセ。カタログ通販やネット販売に加え、首都圏を中心に18店舗の直営店を展開してブランド力を強化している。 そんなドゥクラッセが大事にしているのは、一般的にはコスト削減のため外注することも多い「コールセンター」だという。担当者に権限移譲を図り、ユニークなサービスにも発展させた。広報担当の工藤芽生さんに、その実態をレポートしてもらった。 ガレージでの創業から100席以上の「お客様サービスセンター」に 当社は「40代からの大人、輝く服。」というキャッチフレーズを掲げ、女性のファッションの悩みに向き合い続けるアパレル製造販売会社です。創業は2007年、いまでは通販カタログ会員が120万人を超えました。 代表は、米国最大手の通販アパレルブランド、ランズエンドの日本支社長を務めた林恵子。ウォールストリートジャーナル・アジア版にて「アジアで最も注目すべき10人の女性」に選出されたこともあります。56歳のいまでも、商品会議には必ず出席。企画や製品をくまなくチェックし、納得のいくまで作り直しを命じます。 当社の特徴として、 お客様との接点であるコールセンターを「会社の顔」と位置付け、内製化していることがあげられます。商品の注文やカタログリクエスト、返品・交換など、お客様からのあらゆるお問い合わせをここで受け付けます。 今や100席以上の「お客様サービスセンター」も、創業時は東京・自由が丘にある林の自宅ガレージにじゅうたんを敷き、4席の机を並べただけのものでした。そこに近所の主婦が交代で電話注文を手伝ってくれ、口コミで求人が広まっていきました。 狭い空間の中、電話受注の横で商品開発やカタログ作りを行っており、お客さまからのお電話に一喜一憂しながら、その声を商品作りに反映してきたといいます。 その延長線上にできたのが、オペレーターによる「試着代行サービス」です。実際に着てみないと確かめられないサイズ感や微妙な生地感、色具合などを、オペレーターがお客様に代わって試着しながら細かく伝えるというものです。 40~50代のオペレーターが「親友ポリシー」で対応 お客様サービスセンターには、いつしかこのサービスが定着し、サンプルを持って小走りに走りまわるオペレーターの姿が日常の風景となりました。 「届いた商品が思ったものと違っていた」「パンツの裾上げを間違え短く切りすぎてしまった」「洗濯機で洗ったら思った以上に縮んでしまった」 など千差万別なお悩みも、個々の裁量の範囲内で対応しています。これが可能なのは、あえて接客マニュアルは作らず、お客様を自分の親しい友人と思って対応する「親友ポリシー」でスタッフに権限を委譲しているからです。 このほか当社では、「商品返品は無期限で返金」「交換は何度でもOK」「丈詰めした商品も翌日配送」などのサービスを行っています。 オペレーターのほとんどがお客様と同じ40代以上の女性ということもあり、体のお悩みに合う洋服選びやコーディネートのアドバイスなど、同世代だからこそできることもあります。本社オフィスともガラス1枚でしか隔たりがなく、お客様の声がいち早く商品開発やカタログづくりに届くようになっています。 スタッフの西田有希は、40代に入ってからご近所さんにオフィスへ連れられてきた主婦でした。サービスセンターでの手伝いから始まり、店舗事業のスタートと同時に店舗スタッフに抜擢されると、眠っていた才能が開花していきました。 社長とスタッフが毎月「ランチ会」を開催 彼女は47歳で店長となり、自由が丘の外れにあった店舗を、あっという間に人気店にのし上げます。マネジメントも経験し、52歳の今では店長を統括するスーパーバイザーとして全国を駆け回る多忙な日々を送っています。 西田のように活躍する40~50代の女性は、他にもたくさんいます。当社では、毎月の目標数字を全社員で共有し、目標達成時やお客様からのお葉書などを元に毎月表彰を行っています。社長、本社社員とのランチ会は毎月開催され、自由に意見を交換することも、皆のモチベーションアップにつながっているのだと思います。 2014年7月には過去最高の売り上げを記録したものの、計画には達せず、インフラ面の投資などを行ったこともあって創業以来の赤字となりました。しかし必要な手はすでに打っており、これからも成長を続けていけると確信しています。 【プロフィール】ドゥクラッセ 広報・PRマネージャー 工藤 芽生:1983年生まれ、青森市出身。大手玩具メーカーで商品・企業広報に従事。おもちゃのプロモーションがきっかけで2009年エアギター日本チャンピオンとなり世界大会に出場。ベンチャー企業の広報立ち上げなどを経て2011年より現職。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・ 東京PRアカデミー代表)に参加している。
コールセンターは「会社の顔」! 内製化で「試着代行サービス」を実現する女性通販ドゥクラッセ
独自のサイズ感や特徴あるサービスで、アラフィフ女性を中心に支持を受けるアパレル会社のドゥクラッセ。カタログ通販やネット販売に加え、首都圏を中心に18店舗の直営店を展開してブランド力を強化している。
そんなドゥクラッセが大事にしているのは、一般的にはコスト削減のため外注することも多い「コールセンター」だという。担当者に権限移譲を図り、ユニークなサービスにも発展させた。広報担当の工藤芽生さんに、その実態をレポートしてもらった。
ガレージでの創業から100席以上の「お客様サービスセンター」に
当社は「40代からの大人、輝く服。」というキャッチフレーズを掲げ、女性のファッションの悩みに向き合い続けるアパレル製造販売会社です。創業は2007年、いまでは通販カタログ会員が120万人を超えました。
代表は、米国最大手の通販アパレルブランド、ランズエンドの日本支社長を務めた林恵子。ウォールストリートジャーナル・アジア版にて「アジアで最も注目すべき10人の女性」に選出されたこともあります。56歳のいまでも、商品会議には必ず出席。企画や製品をくまなくチェックし、納得のいくまで作り直しを命じます。
当社の特徴として、 お客様との接点であるコールセンターを「会社の顔」と位置付け、内製化していることがあげられます。商品の注文やカタログリクエスト、返品・交換など、お客様からのあらゆるお問い合わせをここで受け付けます。
今や100席以上の「お客様サービスセンター」も、創業時は東京・自由が丘にある林の自宅ガレージにじゅうたんを敷き、4席の机を並べただけのものでした。そこに近所の主婦が交代で電話注文を手伝ってくれ、口コミで求人が広まっていきました。
狭い空間の中、電話受注の横で商品開発やカタログ作りを行っており、お客さまからのお電話に一喜一憂しながら、その声を商品作りに反映してきたといいます。
その延長線上にできたのが、オペレーターによる「試着代行サービス」です。実際に着てみないと確かめられないサイズ感や微妙な生地感、色具合などを、オペレーターがお客様に代わって試着しながら細かく伝えるというものです。
40~50代のオペレーターが「親友ポリシー」で対応
お客様サービスセンターには、いつしかこのサービスが定着し、サンプルを持って小走りに走りまわるオペレーターの姿が日常の風景となりました。
など千差万別なお悩みも、個々の裁量の範囲内で対応しています。これが可能なのは、あえて接客マニュアルは作らず、お客様を自分の親しい友人と思って対応する「親友ポリシー」でスタッフに権限を委譲しているからです。
このほか当社では、「商品返品は無期限で返金」「交換は何度でもOK」「丈詰めした商品も翌日配送」などのサービスを行っています。
オペレーターのほとんどがお客様と同じ40代以上の女性ということもあり、体のお悩みに合う洋服選びやコーディネートのアドバイスなど、同世代だからこそできることもあります。本社オフィスともガラス1枚でしか隔たりがなく、お客様の声がいち早く商品開発やカタログづくりに届くようになっています。
スタッフの西田有希は、40代に入ってからご近所さんにオフィスへ連れられてきた主婦でした。サービスセンターでの手伝いから始まり、店舗事業のスタートと同時に店舗スタッフに抜擢されると、眠っていた才能が開花していきました。
社長とスタッフが毎月「ランチ会」を開催
彼女は47歳で店長となり、自由が丘の外れにあった店舗を、あっという間に人気店にのし上げます。マネジメントも経験し、52歳の今では店長を統括するスーパーバイザーとして全国を駆け回る多忙な日々を送っています。
西田のように活躍する40~50代の女性は、他にもたくさんいます。当社では、毎月の目標数字を全社員で共有し、目標達成時やお客様からのお葉書などを元に毎月表彰を行っています。社長、本社社員とのランチ会は毎月開催され、自由に意見を交換することも、皆のモチベーションアップにつながっているのだと思います。
2014年7月には過去最高の売り上げを記録したものの、計画には達せず、インフラ面の投資などを行ったこともあって創業以来の赤字となりました。しかし必要な手はすでに打っており、これからも成長を続けていけると確信しています。
【プロフィール】ドゥクラッセ 広報・PRマネージャー 工藤 芽生:1983年生まれ、青森市出身。大手玩具メーカーで商品・企業広報に従事。おもちゃのプロモーションがきっかけで2009年エアギター日本チャンピオンとなり世界大会に出場。ベンチャー企業の広報立ち上げなどを経て2011年より現職。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・ 東京PRアカデミー代表)に参加している。