スマホの充電が30秒、電気自動車も5分で完了! イスラエルの「ストア・ドット」が鋭意開発中 2015年4月16日 キャリコネNEWS ツイート 私たちは日常生活の中で、スマートフォンなど様々なデジタルデバイスに囲まれています。それらをうっかり充電し忘れたら、活動に支障をきたしますよね。 そこで現在、世界中の技術者が競争しているのが、高速充電できるバッテリー製品の開発です。イスラエルのベンチャー企業、StoreDot(ストア・ドット)社が開発した製品なら、電気自動車の充電が5分で可能なのだとか。スマホの充電も30秒で完了します。 「ナノテクノロジー」を使った新技術で実現 これを可能にしたのは、ストア・ドット社のナノテクノロジー。物質をナノメートル(10億分の1メートル)、すなわち原子や分子の大きさで自在に制御する技術のことです。同社にはエレクトロニクスや工学だけでなく、物理学や化学、生物学のエキスパートが集まって開発を行っています。 「ナノテクノロジー」という言葉は、元東京理科大学の谷口紀男教授が1974年に提唱。80年代に米国の工学者K・エリック・ドレクスラーの著書「創造する機械―ナノテクノロジー」によって、世界的に使われるようになりました。 ストア・ドット社の技術が生まれたきっかけは、イスラエルの大学におけるアルツハイマー病の医療研究の過程で、原因となるペプチド分子を発見したこと。この分子は高い静電容量を持っており、それが2つ結合されると2ナノメートルの結晶を作りだします。 この結晶が「ナノドット」だということです。同社はこれを「自然からのインスピレーションを受けた技術」と呼んでおり、社名もナノドットに電荷を保持(store)できるという意味から来ていると思われます。 同社の充電器は、このナノドット7000個を使って電気自動車を充電。現時点では5分間の充電で240キロほど走れるまでになったそうです。 充電容量の問題も2018年までに解決 同社が初めて高速充電器を発表したのは、2014年4月のこと。当時はノートパソコンの充電器並みの大きさでしたが、いまではスマートフォンの後ろに取り付けられるまでに小型化しました。 ただ、課題はまだあります。同社のバッテリー充電容量は、平均的なスマートフォンのバッテリーよりもずっと小さい900mAhであること。待ち受け時間も、標準的なスマートフォンに比べて3分の1ほど短く、頻繁に使用する人は日中に1回は充電しなければならないことです。 同社は2000mAhという大きめのバッテリーもすでに開発していますが、「それでは充電に約3分もかかってしまう。そんな無駄な時間のある人はいませんよね」とコメントしています。とりあえず、まずは3分でも十分なのではないかと思いますが…。 ともあれ充電容量の問題も2018年までに解決するということなので、その頃にはまったく新しい感覚のモバイル生活が来るのかもしれません。最高経営責任者のドロン・マイエスドルフ氏は、電気自動車用電池の開発にもかなり意欲的で、すでにいくつかの企業とコンタクトをとっているそうです。 (参照)StoreDot has improved its impressive 30-seconds-to-charge phone battery(techradar) あわせて読みたい:解凍した4年前のタコが吸い付く!驚異の「鮮度保持技術」
スマホの充電が30秒、電気自動車も5分で完了! イスラエルの「ストア・ドット」が鋭意開発中
私たちは日常生活の中で、スマートフォンなど様々なデジタルデバイスに囲まれています。それらをうっかり充電し忘れたら、活動に支障をきたしますよね。
そこで現在、世界中の技術者が競争しているのが、高速充電できるバッテリー製品の開発です。イスラエルのベンチャー企業、StoreDot(ストア・ドット)社が開発した製品なら、電気自動車の充電が5分で可能なのだとか。スマホの充電も30秒で完了します。
「ナノテクノロジー」を使った新技術で実現
これを可能にしたのは、ストア・ドット社のナノテクノロジー。物質をナノメートル(10億分の1メートル)、すなわち原子や分子の大きさで自在に制御する技術のことです。同社にはエレクトロニクスや工学だけでなく、物理学や化学、生物学のエキスパートが集まって開発を行っています。
「ナノテクノロジー」という言葉は、元東京理科大学の谷口紀男教授が1974年に提唱。80年代に米国の工学者K・エリック・ドレクスラーの著書「創造する機械―ナノテクノロジー」によって、世界的に使われるようになりました。
ストア・ドット社の技術が生まれたきっかけは、イスラエルの大学におけるアルツハイマー病の医療研究の過程で、原因となるペプチド分子を発見したこと。この分子は高い静電容量を持っており、それが2つ結合されると2ナノメートルの結晶を作りだします。
この結晶が「ナノドット」だということです。同社はこれを「自然からのインスピレーションを受けた技術」と呼んでおり、社名もナノドットに電荷を保持(store)できるという意味から来ていると思われます。
同社の充電器は、このナノドット7000個を使って電気自動車を充電。現時点では5分間の充電で240キロほど走れるまでになったそうです。
充電容量の問題も2018年までに解決
同社が初めて高速充電器を発表したのは、2014年4月のこと。当時はノートパソコンの充電器並みの大きさでしたが、いまではスマートフォンの後ろに取り付けられるまでに小型化しました。
ただ、課題はまだあります。同社のバッテリー充電容量は、平均的なスマートフォンのバッテリーよりもずっと小さい900mAhであること。待ち受け時間も、標準的なスマートフォンに比べて3分の1ほど短く、頻繁に使用する人は日中に1回は充電しなければならないことです。
同社は2000mAhという大きめのバッテリーもすでに開発していますが、「それでは充電に約3分もかかってしまう。そんな無駄な時間のある人はいませんよね」とコメントしています。とりあえず、まずは3分でも十分なのではないかと思いますが…。
ともあれ充電容量の問題も2018年までに解決するということなので、その頃にはまったく新しい感覚のモバイル生活が来るのかもしれません。最高経営責任者のドロン・マイエスドルフ氏は、電気自動車用電池の開発にもかなり意欲的で、すでにいくつかの企業とコンタクトをとっているそうです。
(参照)StoreDot has improved its impressive 30-seconds-to-charge phone battery(techradar)
あわせて読みたい:解凍した4年前のタコが吸い付く!驚異の「鮮度保持技術」