お金より「子どもといる時間」増やすため 広がる「ママ向けビジネス」の起業 2015年4月28日 キャリコネNEWS ツイート 子育て中の女性による「ママ向けビジネス」が増えているという。2015年4月24日放送のワールドビジネスサテライト(テレビ東京)では、起業した女性たちを取材していた。 東京・港区に住む中原麻衣子さんは、マンションの一室で子ども向けの料理教室「Heartful Kitchen」を開いている。小学3年生と5歳の子どもの母親で、子育て中の経験やママ友を通じて、野菜嫌いの子どものために料理を教えるニーズを感じたという。 SNSやブログを使い、低コストで集客 中原さんは大手企業に勤務していたが、震災をきっかけに「悔いのない人生を送ろう」と決意して起業。フェイスブックを通じて口コミが広がり、雑誌の執筆や企業の講演に呼ばれることもあり、いまでは前職と同じくらいの収入になったそうだ。 習い事や資格取得の情報誌「ケイコとマナブ」は、主婦の購読者が5年前と比べて倍増しているそう。根岸菜穂子編集長によれば「主婦のスマホ所持率が上がり、SNSやブログで費用をかけず集客できる」ことが主婦起業の動きに影響しているという。 3歳の娘をもつ菅原美貴さんは、出産前は不動産会社で営業をしていたが、子どもと接する時間を増やすため、去年11月にパーティーグッズの販売店「マシェリ」を開業した。 「バースデープランナー」の資格を生かして「飾り方教室」も開いており、ベビーシッター付きが好評で保育園のママ友たちの間で人気を呼び、集客につながっている。収入は正社員の時の3分の1ぐらいだというが、心は充実しているという。今後は売り上げを3倍に伸ばし、もう1店舗もつのが目標だ。 この資格を作ったのは、バースデープランナー協会理事の吉田采都子さん。彼女も女性起業家のひとりだ。吉田さんは、11年続けた営業の仕事を4年前に辞め起業した。菅原さんと同じように、忙しすぎて子供と過ごす時間を持てなかったからだ。 政府の「女性向け起業支援策」も追い風に 最初に手がけたのは、欧米では1兆円を超える市場があるパーティーグッズのネット販売。しかし「飾り方が分からない」というお客の声が多く、それに応えて「教えるビジネス」としてバースデープランナーという資格を作った。 資格はSNSで評判が広まり、取得した人は180人を超えた。ある日の講座には全国から14人が集まり、そのうち6人が起業を目指していた。 吉田さんは「ビジネスをしたい人がこんなに多いとは予想しなかった」と語る。すそ野を広げることで日本にパーティー文化を広め、市場の拡大も期待している。 2014年のリクルートジョブズの調査によると、20~49歳の子供がいる既婚女性で未就業の人は6割近くにのぼるが、そのうち約9割が「働きたい」と答えた。政府が女性向け起業支援として、無担保で300万円まで融資する政策を打ち出したことも追い風となっている。 親のニーズをしっかり捉えたサービスが必要 番組では「友人知人だけのつながり」を強調していたが、それだけではやっていけないだろう。本当にビジネスとして軌道に乗せるには、子どもを持つ親のニーズをしっかり捉えたサービスを提供することが必要であり、簡単なことではない。 紹介された人たちは、生活に困窮しているというよりは「子どもとの時間を大切にしたい、生きがいを持ちたい」という女性たちに見えた。ママどうしのネットワークを生かし、子育て中のニーズに合ったビジネスを展開する様子にたくましさを感じた。(ライター:okei) あわせて読みたい:子どもと過ごす時間は「長さ」より「質」が大切です
お金より「子どもといる時間」増やすため 広がる「ママ向けビジネス」の起業
子育て中の女性による「ママ向けビジネス」が増えているという。2015年4月24日放送のワールドビジネスサテライト(テレビ東京)では、起業した女性たちを取材していた。
東京・港区に住む中原麻衣子さんは、マンションの一室で子ども向けの料理教室「Heartful Kitchen」を開いている。小学3年生と5歳の子どもの母親で、子育て中の経験やママ友を通じて、野菜嫌いの子どものために料理を教えるニーズを感じたという。
SNSやブログを使い、低コストで集客
中原さんは大手企業に勤務していたが、震災をきっかけに「悔いのない人生を送ろう」と決意して起業。フェイスブックを通じて口コミが広がり、雑誌の執筆や企業の講演に呼ばれることもあり、いまでは前職と同じくらいの収入になったそうだ。
習い事や資格取得の情報誌「ケイコとマナブ」は、主婦の購読者が5年前と比べて倍増しているそう。根岸菜穂子編集長によれば「主婦のスマホ所持率が上がり、SNSやブログで費用をかけず集客できる」ことが主婦起業の動きに影響しているという。
3歳の娘をもつ菅原美貴さんは、出産前は不動産会社で営業をしていたが、子どもと接する時間を増やすため、去年11月にパーティーグッズの販売店「マシェリ」を開業した。
「バースデープランナー」の資格を生かして「飾り方教室」も開いており、ベビーシッター付きが好評で保育園のママ友たちの間で人気を呼び、集客につながっている。収入は正社員の時の3分の1ぐらいだというが、心は充実しているという。今後は売り上げを3倍に伸ばし、もう1店舗もつのが目標だ。
この資格を作ったのは、バースデープランナー協会理事の吉田采都子さん。彼女も女性起業家のひとりだ。吉田さんは、11年続けた営業の仕事を4年前に辞め起業した。菅原さんと同じように、忙しすぎて子供と過ごす時間を持てなかったからだ。
政府の「女性向け起業支援策」も追い風に
最初に手がけたのは、欧米では1兆円を超える市場があるパーティーグッズのネット販売。しかし「飾り方が分からない」というお客の声が多く、それに応えて「教えるビジネス」としてバースデープランナーという資格を作った。
資格はSNSで評判が広まり、取得した人は180人を超えた。ある日の講座には全国から14人が集まり、そのうち6人が起業を目指していた。
吉田さんは「ビジネスをしたい人がこんなに多いとは予想しなかった」と語る。すそ野を広げることで日本にパーティー文化を広め、市場の拡大も期待している。
2014年のリクルートジョブズの調査によると、20~49歳の子供がいる既婚女性で未就業の人は6割近くにのぼるが、そのうち約9割が「働きたい」と答えた。政府が女性向け起業支援として、無担保で300万円まで融資する政策を打ち出したことも追い風となっている。
親のニーズをしっかり捉えたサービスが必要
番組では「友人知人だけのつながり」を強調していたが、それだけではやっていけないだろう。本当にビジネスとして軌道に乗せるには、子どもを持つ親のニーズをしっかり捉えたサービスを提供することが必要であり、簡単なことではない。
紹介された人たちは、生活に困窮しているというよりは「子どもとの時間を大切にしたい、生きがいを持ちたい」という女性たちに見えた。ママどうしのネットワークを生かし、子育て中のニーズに合ったビジネスを展開する様子にたくましさを感じた。(ライター:okei)
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