採用バブル再来か? 丸亀製麺「ハワイで入社式」に氷河期世代が涙目 2015年5月1日 キャリコネNEWS ツイート うどんチェーンの丸亀製麺を運営するトリドールが、2016年4月の新卒入社式をハワイで行うと発表した。このニュースはネットで「採用バブルの再来か?」と話題になっている 1980年代後半から90年代初頭には、人材確保のために大手企業が内定者に高級ブランドバックを与えたり、温泉旅行やハワイをはじめとする海外旅行に連れて行ったりすることも珍しくなかった。トリドールの取り組みが、それを思い出させるというのだ。 説明会を「米大型客船」で開催する会社も トリドールは各紙に対し、海外入社式はあくまで「今後の海外事業を頑張るという気持ちを新入社員と一つにしたい」というねらいと説明。バブル期のような「人材拘束」「流出防止」を目的としたものとはアナウンスしていない。 しかし「ハワイに連れていってもらえるのであれば」と、入社を前向きに考える就活生もいるだろう。同社は2016年卒の採用予定者数を、前年比180%に増やすことを予定していると発表しており、やはりバブル期のような景気のよさが感じられる。 優秀な人材を確保しようと必死なのは、他社も同じだ。3月23日付の日経MJには「新卒採用、バブルの香り 豪華客船に『招待』も」という記事で、人材確保に向けた各社のさまざまな取り組みを紹介している。 記事によると、国内旅行商品の企画・販売を行うJTBメディアリテーリングは、今年5月6日に開催される就活生向け会社説明会を、米大型客船「ボイジャーオブシーズ」を使用して行うという。 同船が東京港に寄港するタイミングで行うものだが、同社社長の大谷美文氏は「少しでも変わった取り組みをして学生の注目を集めよう」と社員に発破をかけているという。こちらも1990年前後の雰囲気を彷彿とさせる。 このほか記事では、学生席を企業が回る「逆求人フェスティバル」の様子を取材。学生約40人の前に、約20社の企業の社長らが「うちはベンチャー企業だけれど、いろんなことに挑戦できますよ」などと「スカウト」に殺到する様子を取り上げた。「売り手市場」になっていることをうかがわせる。 「本当にあんなに採用絞る必要あったの?」と怨み節 就活生には明るいニュースだが、これに苛立ちを隠さないのが「失われた25年」で苦渋をなめた就職氷河期世代の人たちだ。卒業時の不況のあおりを受けて、新卒時に思うような会社に入れなかったうらみがある。 「俺たちはなんだったんだ。狭間に生まれた虫けらか」 「ミレニアム卒だけど、受かる落ちる以前に採用がなかったよ^^ おかげでニートおいしいです」 「11卒で現在契約社員です。民主党政権や震災など本当ロクでもない時に卒業したわ、ハァ」 大卒の就職内定率(12月1日現在)が75%を下回ったのは、2000年卒と、04年~05年卒、10年卒~12年卒で、その後の人生でも苦労が多かったようだ。 特に11年卒は68.8%と大幅落ち込み。それから数年しか経っていないのに、これほどにも就活環境が変動するのはおかしい、と不満を漏らす人も少なくない。 「20年も30年も経ったわけでもないのに、この待遇の差は一体…。氷河期世代ってなんだったの。本当にあんなに採用絞る必要あったの? 会社の中に30代だけすっぽり抜けてる状態なんだが」 せめて景気が回復したときに、人材の大移動が起きればよいのだが、依然として「新卒一括採用」に頼る会社が多く、中途入社での「大逆転」は望めない。とはいえ大量採用された世代は、同期入社間での競争も激しくなる。16年卒も決して楽観はできないだろう。 あわせて読みたい:新卒学生に焼肉おごる「ニクリーチ2016」がオープン
採用バブル再来か? 丸亀製麺「ハワイで入社式」に氷河期世代が涙目
うどんチェーンの丸亀製麺を運営するトリドールが、2016年4月の新卒入社式をハワイで行うと発表した。このニュースはネットで「採用バブルの再来か?」と話題になっている
1980年代後半から90年代初頭には、人材確保のために大手企業が内定者に高級ブランドバックを与えたり、温泉旅行やハワイをはじめとする海外旅行に連れて行ったりすることも珍しくなかった。トリドールの取り組みが、それを思い出させるというのだ。
説明会を「米大型客船」で開催する会社も
トリドールは各紙に対し、海外入社式はあくまで「今後の海外事業を頑張るという気持ちを新入社員と一つにしたい」というねらいと説明。バブル期のような「人材拘束」「流出防止」を目的としたものとはアナウンスしていない。
しかし「ハワイに連れていってもらえるのであれば」と、入社を前向きに考える就活生もいるだろう。同社は2016年卒の採用予定者数を、前年比180%に増やすことを予定していると発表しており、やはりバブル期のような景気のよさが感じられる。
優秀な人材を確保しようと必死なのは、他社も同じだ。3月23日付の日経MJには「新卒採用、バブルの香り 豪華客船に『招待』も」という記事で、人材確保に向けた各社のさまざまな取り組みを紹介している。
記事によると、国内旅行商品の企画・販売を行うJTBメディアリテーリングは、今年5月6日に開催される就活生向け会社説明会を、米大型客船「ボイジャーオブシーズ」を使用して行うという。
同船が東京港に寄港するタイミングで行うものだが、同社社長の大谷美文氏は「少しでも変わった取り組みをして学生の注目を集めよう」と社員に発破をかけているという。こちらも1990年前後の雰囲気を彷彿とさせる。
このほか記事では、学生席を企業が回る「逆求人フェスティバル」の様子を取材。学生約40人の前に、約20社の企業の社長らが「うちはベンチャー企業だけれど、いろんなことに挑戦できますよ」などと「スカウト」に殺到する様子を取り上げた。「売り手市場」になっていることをうかがわせる。
「本当にあんなに採用絞る必要あったの?」と怨み節
就活生には明るいニュースだが、これに苛立ちを隠さないのが「失われた25年」で苦渋をなめた就職氷河期世代の人たちだ。卒業時の不況のあおりを受けて、新卒時に思うような会社に入れなかったうらみがある。
大卒の就職内定率(12月1日現在)が75%を下回ったのは、2000年卒と、04年~05年卒、10年卒~12年卒で、その後の人生でも苦労が多かったようだ。
特に11年卒は68.8%と大幅落ち込み。それから数年しか経っていないのに、これほどにも就活環境が変動するのはおかしい、と不満を漏らす人も少なくない。
せめて景気が回復したときに、人材の大移動が起きればよいのだが、依然として「新卒一括採用」に頼る会社が多く、中途入社での「大逆転」は望めない。とはいえ大量採用された世代は、同期入社間での競争も激しくなる。16年卒も決して楽観はできないだろう。
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