何をやっても自分ばっかり怒られて… 後になれば「あれは優しさ」と気づくこともある 2015年5月13日 キャリコネNEWS ツイート GWを終えて、そろそろ会社を辞めたいと思っている新入社員もいるでしょう。嫌なこともあると思いますが、それは一連の過程の1ステップでしかなく、後になってみれば「あそこで辞めなくてよかったな」と思うことがあるかもしれません。 私もワタミの新入社員だった頃、色々と苦労をしたものですが、その頃に教えてもらったことは「これは今でも大事なことだな」と思えることがあります。 ある日、働いていた店の店長に「営業終了後に社員たちで店舗の外の階段を清掃しよう」と呼びかけられました。働いていた店は2階にあり、エレベーターはありませんでした。お客様は階段を利用し店に来るので、営業時間中は清掃できません。だから、営業終了後に掃除をしようというのです。(文:ナイン) サービス残業にウンザリしていた態度を叱られる ワタミでの仕事は、外食部署の社員だと夕方から朝方までになります。店の営業時間は12時間ほどで、長時間労働は避けにくい環境でした。この状況で、さらに営業終了後に清掃すると言われたのです。私は、やっていられない気持ちになりました (マジかよ。営業終了後って朝の4時くらいになるぞ。仕事終わりにこんなことしなきゃいけないのかよ) とはいえ、店長という上司からの命令に新入社員の私が断れるはずもなく、清掃する羽目になりました。他の皆はいろいろ話しながら清掃をしていたのですが、私は黙々と、そして嫌々やっていました。私にとっては、やらされ仕事以外の何物でもなかったのです。 すべての階段が終わったのは、清掃を始めて3日後。私は、ようやく解放された気になりましたが、その後すぐに店長に呼び出され、こう注意されました。 「お前の掃除の態度はなんだ。仕事終わりでつらいのはわかるが、やる気がないなら、やらなくていい。俺はお客様のために掃除していたから、つらくもなんともなかったぞ。お前は社員としての自覚が足りない」 正直、言われていることは分かるのですが、すぐには受け入れられない指摘でした。営業終了後に掃除させられ、労働時間も12時間を超えることも。さらにいえば階段清掃分の時給も発生していません。無給のサービス残業だったので、余計に嫌だったのです。 「名誉挽回」と思ったらまたしても怒鳴られる そうはいっても、私1人でダラダラした態度をとっていたことも事実で、皆で頑張ろうという雰囲気を壊してしまったことは間違いありませんでした。店長の注意でそこに気が付いて、「その点は良くなかったかな」と反省するようになりました。 そんなある日、名誉挽回のチャンスがやってきました。監査の話が入ってきたのです。ワタミの監査とは、ホールの営業状態や店の清掃状況を本部の社員がチェックする機会のことです。 私はこの「店の清掃状況」に着目しました。「ここでしっかりと清掃に取り組めば、以前の階段清掃で叱られた件を挽回できる」。そのように考えました。こうして私は監査対策の清掃を、ある日の営業終了後に1人でやっていました。 キッチンにいた私に、店長が「あれっ、何やってるの?」と話しかけてきました。私は「そろそろ監査が来るので清掃を」と答えました。「そうか。心を入れ替えて頑張ってるな。営業後なのに感心だな」と褒めてもらえると思ったのですが、現実は全くの逆でした。 「お前は何で1人でやるんだよ! 清掃のことを他の誰かに相談したか? 頼んだか? 誰が1人で全部やれって言った? そうやって1人で抱え込んでると、処理しきれなくなって潰れるんだよ! そうやって辞めていった奴を、俺は何人も見てきた。だから二度と1人でやろうとするな!」 経験豊かな上司は自分のタイプを見抜いていた 前の階段清掃の件を取り返そうと頑張ったのに、なぜまた怒られるのか。私は何をやっても怒られるのか。当時はかなり憤りました。しかし今にして思えば、それも店長の優しさだったと理解できます。 店長は7~8年ほど社歴のある人で、課長経験もある人でした。きっと色んな社員を見てきたのだろうと思います。私は、コミュニケーションがあまりうまくないタイプなので、何かあっても誰にも相談できず、1人で抱え込んで潰れるタイプと見抜いていたのです。 1人でする仕事もありますが、組織で動いている以上、周りの人たちと協力していく仕事も多くあります。店長は、周りの人たちを巻き込んで仕事をする大切さを教えてくれたのでした。 あわせてよみたい:「愛される上司」になるための秘訣、知りたくありませんか?
何をやっても自分ばっかり怒られて… 後になれば「あれは優しさ」と気づくこともある
GWを終えて、そろそろ会社を辞めたいと思っている新入社員もいるでしょう。嫌なこともあると思いますが、それは一連の過程の1ステップでしかなく、後になってみれば「あそこで辞めなくてよかったな」と思うことがあるかもしれません。
私もワタミの新入社員だった頃、色々と苦労をしたものですが、その頃に教えてもらったことは「これは今でも大事なことだな」と思えることがあります。
ある日、働いていた店の店長に「営業終了後に社員たちで店舗の外の階段を清掃しよう」と呼びかけられました。働いていた店は2階にあり、エレベーターはありませんでした。お客様は階段を利用し店に来るので、営業時間中は清掃できません。だから、営業終了後に掃除をしようというのです。(文:ナイン)
サービス残業にウンザリしていた態度を叱られる
ワタミでの仕事は、外食部署の社員だと夕方から朝方までになります。店の営業時間は12時間ほどで、長時間労働は避けにくい環境でした。この状況で、さらに営業終了後に清掃すると言われたのです。私は、やっていられない気持ちになりました
とはいえ、店長という上司からの命令に新入社員の私が断れるはずもなく、清掃する羽目になりました。他の皆はいろいろ話しながら清掃をしていたのですが、私は黙々と、そして嫌々やっていました。私にとっては、やらされ仕事以外の何物でもなかったのです。
すべての階段が終わったのは、清掃を始めて3日後。私は、ようやく解放された気になりましたが、その後すぐに店長に呼び出され、こう注意されました。
正直、言われていることは分かるのですが、すぐには受け入れられない指摘でした。営業終了後に掃除させられ、労働時間も12時間を超えることも。さらにいえば階段清掃分の時給も発生していません。無給のサービス残業だったので、余計に嫌だったのです。
「名誉挽回」と思ったらまたしても怒鳴られる
そうはいっても、私1人でダラダラした態度をとっていたことも事実で、皆で頑張ろうという雰囲気を壊してしまったことは間違いありませんでした。店長の注意でそこに気が付いて、「その点は良くなかったかな」と反省するようになりました。
そんなある日、名誉挽回のチャンスがやってきました。監査の話が入ってきたのです。ワタミの監査とは、ホールの営業状態や店の清掃状況を本部の社員がチェックする機会のことです。
私はこの「店の清掃状況」に着目しました。「ここでしっかりと清掃に取り組めば、以前の階段清掃で叱られた件を挽回できる」。そのように考えました。こうして私は監査対策の清掃を、ある日の営業終了後に1人でやっていました。
キッチンにいた私に、店長が「あれっ、何やってるの?」と話しかけてきました。私は「そろそろ監査が来るので清掃を」と答えました。「そうか。心を入れ替えて頑張ってるな。営業後なのに感心だな」と褒めてもらえると思ったのですが、現実は全くの逆でした。
経験豊かな上司は自分のタイプを見抜いていた
前の階段清掃の件を取り返そうと頑張ったのに、なぜまた怒られるのか。私は何をやっても怒られるのか。当時はかなり憤りました。しかし今にして思えば、それも店長の優しさだったと理解できます。
店長は7~8年ほど社歴のある人で、課長経験もある人でした。きっと色んな社員を見てきたのだろうと思います。私は、コミュニケーションがあまりうまくないタイプなので、何かあっても誰にも相談できず、1人で抱え込んで潰れるタイプと見抜いていたのです。
1人でする仕事もありますが、組織で動いている以上、周りの人たちと協力していく仕事も多くあります。店長は、周りの人たちを巻き込んで仕事をする大切さを教えてくれたのでした。
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