「Rポイントカード」に勝算あり? 楽天参入で「共通ポイント戦国時代」到来 2015年5月26日 キャリコネNEWS ツイート 異業種のさまざまなお店でポイントを貯めて使える共通ポイントサービス。長らく「Tカード」と「Pontaカード」の2強が占めていたこの市場に、2014年10月、楽天が「Rポイントカード」で参入を果たした。 ユーザーにとって共通ポイントは、加盟店舗数が多いほど貯めやすく、使いやすいといえる。そうした意味では先行者利益の大きい市場ともいえるが、「Rポイントカード」はこの2強にどう太刀打ちしていくのだろうか。 楽天市場で使え、楽天Edyにも交換できる 業界トップの先行者「Tカード」の発行枚数は約1億3000万枚、「Pontaカード」は約6500万枚と、その壁は分厚い。それでも楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、「Rポイントカード」のサービス発表時に「楽天市場を立ち上げた時と同じくらい興奮している」と期待感を語っている。 「Rポイントカード」は現在、サークルKサンクスやポプラ、ミスタードーナツ、大丸、松坂屋、出光などで利用できる。貯まるのは「楽天スーパーポイント」なので、1ポイント1円として楽天市場で使うことも、逆に楽天市場などの利用を通じて貯めたポイントを加盟店で使うことも可能だ。 さらに同ポイントは、楽天Edyに交換して電子マネーとして使うこともできる。これを合わせると利用可能店舗数は約52万店にも及び、Tポイントの約35万店、Pontaの約10万店をしのぐ数字となる。楽天のポイントパートナー事業部・ユーザーマーケティング部の林宏憲さんは、「Rポイントカード」利用の強みをこう説明する。 「2002年の開始以来、楽天スーパーポイントは、楽天市場や楽天トラベルなど、楽天が提供する様々なインターネット上のサービスでご利用頂ける共通ポイントとして、多くのお客さまに大変ご好評いただいております」 「『Rポイントカード』を展開することで、インターネット上だけではなく、実店舗においても楽天スーパーポイントを貯めたり、使って頂けるようになり、利用環境が広がりました。現在も、より多くのお客さまにご利用頂けるよう、日々、お得なキャンペーンの企画や、利便性向上に取り組んでいます」 アプリを使った積極的なマーケティングに特徴 「Rポイントカード」は多くの店で「100円につき1ポイント」が還元されるが、この5月からは火・水・金・土曜日に条件を満たせばポイントを2倍獲得できるキャンペーンが始まった。さらにアプリのダウンロードと初回ログインだけで100ポイントをもらえるキャンペーンも実施中だ。 コンビニでの利用で比較すると、ファミリーマートのTカードは200円につき1ポイント。一方、サークルKサンクスやポプラ・生活彩家の「Rポイントカード」は、キャンペーン対象日に利用すれば100円につき2ポイントと、4倍のポイントを獲得できる。 「アプリでは、実際のカードがなくても、バーコードを表示させるだけでポイントを貯めることができます。また、アプリならではのお得な情報を発信し、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に取ってまいります」(林さん) それ以外にも現在、ミスタードーナツでは、抽選で1万人にドーナツ1個分相当のポイント(200ポイント)が当たるキャンペーンや、サークルKサンクスでは、焼きとりを3本以上で「80万ポイントを山分け」するキャンペーンも実施している。 利用者目線での「サービス競争」激しくなりそう また、三木谷氏は「オープンなプラットフォーム」を標榜し、1業種1社という従来の慣習に囚われないことを表明している。さらに、提携先の店舗などで、他のポイントプログラムとの「併用」も認める考えを表している。 仮にコンビニで、楽天スーパーポイントとTポイントのどちらを貯めるかを選べるとしたら、ユーザーはどちらを選ぶだろうか。そのとき勝負になるのは、「ポイント自体の魅力」だ。 楽天スーパーポイントは楽天の多様なサービスでの利用や、楽天Edyへの交換など用途は広いが、その「魅力」を拡充することで共通ポイント市場での「勝算」が増すかもしれない。 「今後も、アプリの利便性向上や、新しいサービスの展開も積極的に行っていきます。ユーザーがコンビニで買い物をするときに『楽天スーパーポイントが貯まるから…』という理由で、加盟店を選んでいただけるように、『Rポイントカード』をいっそう魅力的なものにしていければと思っております」(林さん) 「Rポイントカード」の新規参入で、共通ポイントの加盟店やユーザーは一層増えてゆくと思われる。今後、利用者目線でのサービス競争がいっそう激しくなっていきそうだ。
「Rポイントカード」に勝算あり? 楽天参入で「共通ポイント戦国時代」到来
異業種のさまざまなお店でポイントを貯めて使える共通ポイントサービス。長らく「Tカード」と「Pontaカード」の2強が占めていたこの市場に、2014年10月、楽天が「Rポイントカード」で参入を果たした。
ユーザーにとって共通ポイントは、加盟店舗数が多いほど貯めやすく、使いやすいといえる。そうした意味では先行者利益の大きい市場ともいえるが、「Rポイントカード」はこの2強にどう太刀打ちしていくのだろうか。
楽天市場で使え、楽天Edyにも交換できる
業界トップの先行者「Tカード」の発行枚数は約1億3000万枚、「Pontaカード」は約6500万枚と、その壁は分厚い。それでも楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、「Rポイントカード」のサービス発表時に「楽天市場を立ち上げた時と同じくらい興奮している」と期待感を語っている。
「Rポイントカード」は現在、サークルKサンクスやポプラ、ミスタードーナツ、大丸、松坂屋、出光などで利用できる。貯まるのは「楽天スーパーポイント」なので、1ポイント1円として楽天市場で使うことも、逆に楽天市場などの利用を通じて貯めたポイントを加盟店で使うことも可能だ。
さらに同ポイントは、楽天Edyに交換して電子マネーとして使うこともできる。これを合わせると利用可能店舗数は約52万店にも及び、Tポイントの約35万店、Pontaの約10万店をしのぐ数字となる。楽天のポイントパートナー事業部・ユーザーマーケティング部の林宏憲さんは、「Rポイントカード」利用の強みをこう説明する。
アプリを使った積極的なマーケティングに特徴
「Rポイントカード」は多くの店で「100円につき1ポイント」が還元されるが、この5月からは火・水・金・土曜日に条件を満たせばポイントを2倍獲得できるキャンペーンが始まった。さらにアプリのダウンロードと初回ログインだけで100ポイントをもらえるキャンペーンも実施中だ。
コンビニでの利用で比較すると、ファミリーマートのTカードは200円につき1ポイント。一方、サークルKサンクスやポプラ・生活彩家の「Rポイントカード」は、キャンペーン対象日に利用すれば100円につき2ポイントと、4倍のポイントを獲得できる。
それ以外にも現在、ミスタードーナツでは、抽選で1万人にドーナツ1個分相当のポイント(200ポイント)が当たるキャンペーンや、サークルKサンクスでは、焼きとりを3本以上で「80万ポイントを山分け」するキャンペーンも実施している。
利用者目線での「サービス競争」激しくなりそう
また、三木谷氏は「オープンなプラットフォーム」を標榜し、1業種1社という従来の慣習に囚われないことを表明している。さらに、提携先の店舗などで、他のポイントプログラムとの「併用」も認める考えを表している。
仮にコンビニで、楽天スーパーポイントとTポイントのどちらを貯めるかを選べるとしたら、ユーザーはどちらを選ぶだろうか。そのとき勝負になるのは、「ポイント自体の魅力」だ。
楽天スーパーポイントは楽天の多様なサービスでの利用や、楽天Edyへの交換など用途は広いが、その「魅力」を拡充することで共通ポイント市場での「勝算」が増すかもしれない。
「Rポイントカード」の新規参入で、共通ポイントの加盟店やユーザーは一層増えてゆくと思われる。今後、利用者目線でのサービス競争がいっそう激しくなっていきそうだ。