結婚できない男性は「不幸」になる? 日本は独身男性が「生きづらい国」なのか 2015年6月9日 キャリコネNEWS ツイート 「独身貴族」という言葉があるとおり、30代超の未婚男性には「気楽」「自由」といったイメージがある。しかし実態を見ていくと、どうやらそんなに良いものでもないらしい。 各国の社会科学者による「世界価値観調査」(WVS)によると、30代~50代の日本人未婚男性の43.5%が「全く幸福でない」と回答したという。この結果を教育統計学者の舞田敏彦氏がブログで紹介し、話題になっている。 日本人男性が不幸なのは「家族に依存」しているから? 同調査によると、既婚の30~50代日本人男性が「全く幸福でない」と回答した比率は6.5%。未婚男性との差は37ポイントとなり、調査対象となった主要国の中で最も大きい。つまりこの結果から見ると、日本は未婚男性が顕著に不幸な社会だということだ。 ちなみに日本人女性の「不幸率」に関しては、既婚(5.3%)と未婚(8.1%)でそれほど差が見られない。舞田氏はこの顕著な差の原因として「男女の役割差」を挙げ、こうまとめている。 「未婚、すなわち家族を持てないことの不幸は、わが国あっては、男性に集中する度合いが高いようです」 「わが国の男性がいかに『家族』に依存しているか、いかに『弱い』存在であるかの証左ともいえましょう」 いまだに日本人男性には「家庭を持って一人前」という刷り込みがあるのかもしれない。ネット上にも「男の方がジェンダーにとらわれてる」「男性稼ぎ手モデル、妻付き男性モデルの価値観に染まりきった世代だからなぁ」といった指摘がある。 また、結婚できないのは収入が低いからで、幸福と感じられないのも当たり前と訴える人も。「独身の貧乏男は自分を惨めで不幸だと感じる」「結婚できないような低スペックだったら、そりゃ当然不幸ですよ」といった書き込みもあった。 年収と既婚率の「比例」が顕著なのも原因か 年収と結婚に関するデータは、2012年度の「国土交通白書」に顕著にあらわれている。20・30代男性の既婚率は、年収と比例して上がっている。お金持ちが必ずしも幸せになるわけではないが、ここまで顕著に差がついていると、持たざる者の「不幸感」は増すかもしれない。 年収:既婚率 ・100~200万円:5.8% ・200~300万円:14.6% ・300~400万円:26.0% ・400~500万円:32.3% ・500~600万円:36.3% 国土交通省「2012年度国土交通白書」より キャリコネニュースでも6月に「キモくて金のないオッサンが増加中」で「弱者男性」の問題を取り上げた。「オッサン」が非正規化などで、年収が低くなり、結婚もできず「キモい」と言われる――。そんな「居場所のない男性」のことだ。ホームレスも孤独死も、男性のほうが顕著に多い。 未婚男性の不幸感の原因には、こうした社会的なプレッシャーもあるかもしれない。ニコニコニュースやBLOGOSなどではこうした男性に対し自力突破を促す厳しい声もあるが、「日本ってできない人に対して差別的だよね」「これを『自己責任』で片付けるところに社会の病理があるじゃねーですか」といった指摘もある。 日本での「不幸感」についての大規模な調査は、少し遡るが2005年に大阪大学社会経済研究所に「なぜあなたは不幸なのか」という論文にまとめられている。 ここでも同じく男性は女性よりも、既婚者より未婚者のほうが「不幸感」があるという結果が出ている。調査結果の分析によって、論文の最後に例示された「不幸なあなたの姿」は、調査から10年経過した現在にも通じるかもしれない。 「職業は販売職、年のせいか健康に優れず、結婚はしなかった。所得も資産も少なく来年増える見込みもないので、借家住まいである」 「他人の生活が気になり、『質素な生活をしたい』と自分に言い聞かせ、『お金を貯めることが人生の目的だ』が信条。無宗教でヘビースモーカー、そしてかなりせっかちで心配性かも」 あわせてよみたい:島崎和歌子がマツコと結婚宣言?
結婚できない男性は「不幸」になる? 日本は独身男性が「生きづらい国」なのか
「独身貴族」という言葉があるとおり、30代超の未婚男性には「気楽」「自由」といったイメージがある。しかし実態を見ていくと、どうやらそんなに良いものでもないらしい。
各国の社会科学者による「世界価値観調査」(WVS)によると、30代~50代の日本人未婚男性の43.5%が「全く幸福でない」と回答したという。この結果を教育統計学者の舞田敏彦氏がブログで紹介し、話題になっている。
日本人男性が不幸なのは「家族に依存」しているから?
同調査によると、既婚の30~50代日本人男性が「全く幸福でない」と回答した比率は6.5%。未婚男性との差は37ポイントとなり、調査対象となった主要国の中で最も大きい。つまりこの結果から見ると、日本は未婚男性が顕著に不幸な社会だということだ。
ちなみに日本人女性の「不幸率」に関しては、既婚(5.3%)と未婚(8.1%)でそれほど差が見られない。舞田氏はこの顕著な差の原因として「男女の役割差」を挙げ、こうまとめている。
いまだに日本人男性には「家庭を持って一人前」という刷り込みがあるのかもしれない。ネット上にも「男の方がジェンダーにとらわれてる」「男性稼ぎ手モデル、妻付き男性モデルの価値観に染まりきった世代だからなぁ」といった指摘がある。
また、結婚できないのは収入が低いからで、幸福と感じられないのも当たり前と訴える人も。「独身の貧乏男は自分を惨めで不幸だと感じる」「結婚できないような低スペックだったら、そりゃ当然不幸ですよ」といった書き込みもあった。
年収と既婚率の「比例」が顕著なのも原因か
年収と結婚に関するデータは、2012年度の「国土交通白書」に顕著にあらわれている。20・30代男性の既婚率は、年収と比例して上がっている。お金持ちが必ずしも幸せになるわけではないが、ここまで顕著に差がついていると、持たざる者の「不幸感」は増すかもしれない。
キャリコネニュースでも6月に「キモくて金のないオッサンが増加中」で「弱者男性」の問題を取り上げた。「オッサン」が非正規化などで、年収が低くなり、結婚もできず「キモい」と言われる――。そんな「居場所のない男性」のことだ。ホームレスも孤独死も、男性のほうが顕著に多い。
未婚男性の不幸感の原因には、こうした社会的なプレッシャーもあるかもしれない。ニコニコニュースやBLOGOSなどではこうした男性に対し自力突破を促す厳しい声もあるが、「日本ってできない人に対して差別的だよね」「これを『自己責任』で片付けるところに社会の病理があるじゃねーですか」といった指摘もある。
日本での「不幸感」についての大規模な調査は、少し遡るが2005年に大阪大学社会経済研究所に「なぜあなたは不幸なのか」という論文にまとめられている。
ここでも同じく男性は女性よりも、既婚者より未婚者のほうが「不幸感」があるという結果が出ている。調査結果の分析によって、論文の最後に例示された「不幸なあなたの姿」は、調査から10年経過した現在にも通じるかもしれない。
あわせてよみたい:島崎和歌子がマツコと結婚宣言?