• 米国版ゆとり世代「ミレニアルズ」が会社に注文 「私たちは20世紀の労働形式を重んじない」

    世代間ギャップは先進国共通

    若い世代が新しい職場に入り、以前から働いている上司や先輩と摩擦を起こす話は以前からよく聞かれます。特に最近の日本企業には「ゆとり世代」と言われる年代が入社し始め、トラブルになることもあるようです。

    このような世代間ギャップに悩んでいるのは、日本だけではありません。英語圏でのネット議論でも、しばしば「Millennials(ミレニアルズ)」という言葉が登場しています。彼らは80~90年代に生まれた世代で、幼少期からデジタル化された生活に慣れています。

    そのため、それまでの世代とは価値観やライフスタイルなどに隔たりがあると米国でも見なされているのです。5月29日付のEntrepreneurには、本人もこの世代に属すというハイテクベンチャーCEOのレイ・ギレンウォーター氏(30歳)が、この世代とどうやって付き合っていくべきかを説いています。(文:夢野響子)

    1.私たちは「20世紀の労働形式」を重んじない

    まずギレンウォーター氏は、ミレニアルズが「周囲に配慮しない」世代だと見られていることに注目します。そして実際「決められた勤務時間」や「決められた服装」「会議のための会議」などは、彼らには向かないといいます。

    職場で物事が行われる理由が「慣習だから」というだけでは不十分。ハッカー世代でもある彼らは、ショートカットを好みます。何事も、最も効率的で論理的なアプローチを求めているのです。

    このような世代をマネジメントする上司ができることは、彼らに「投票」をさせてみることだといいます。業務のどのような点に改善が必要か、会社はどのようにそれを改善できるか、彼らの意見を聞いてみるといいそうです。

    2.私たちは「歯車の1つ」になりたくない

    彼らは「ただ時間を費やすだけの仕事」はしたがりません。彼らの親や祖父の世代は「ワークライフバランスを兼ね備えた生涯のキャリア」が目標になっていたかもしれませんが、彼らが求めているのは「目的」です。

    最近の調査では、10人中6人のミレニアルズが、現在の雇用者の下で働くことを選んだ理由は「目的」にあったと答えています。要するに働く理由が、単に言われたことに従ってお金がもらえればいいというのではなく、何のためにその仕事が行われているのか社会的な価値を含めて重要になっているということでしょう。

    上司にできることは、各チームメンバーの役割がどのように業務目的に貢献するかを明確にして、日々の業務や決定に反映させることです。

    3.私たちは「自分たちの声を聞いてほしい」と思っている

    ギレンウォーター氏は、多くの企業には「全員参加で問題解決をする」という視点が欠けていると指摘します。そしてトヨタを例にあげ、組み立てラインで働く人にも、品質に関する問題を見つけた場合には生産を停止できる権限が与えられていると紹介しています。

    テスラモーターズには「最高のアイデアが勝つ」という文化があり、アマゾンでは誰でも新しい製品コンセプトを売り込めるのと同じように、ミレニアルズの上司は、職場の誰もが発言できる環境を作リ出すべきとギレンウォーター氏は言います。

    4.私たちは「古いビジネスソフトウェア」を好まない

    彼らは使いやすいUIで設計された、最新かつ最高のツールを活用して仕事をしたいと考えています。しかし現実には、会社のIT部門が10年前に購入したソフトウェアを使わされていて、生産性にも大きく影響しているそうです。

    セキュリティや業界固有の理由で最新技術を導入していないのであれば、再検討・再評価して、問題解決に役立つツールを導入して欲しいと彼らは望んでいます。要するに、使いにくいツール環境で非効率かつ快適でない仕事をするのは耐えられない、ということでしょう。

    (参照)Why Millennials in the Workplace ‘Don’t Care,’ and 4 Things You Can Do (Entrepreneur)

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