「まずは社員が幸せに」と多彩な社内制度設ける 結婚式場クチコミサイトのウエディングパーク 2015年6月22日 キャリコネNEWS ツイート 結婚式を挙げない「なし婚」を選ぶ若者が増えるなどウエディング業界が苦戦する中、数々の新しいサービスを打ち出し、ユニークユーザー数を昨年比で約3倍に伸ばしている会社がある。結婚式場探しのクチコミサイトなどを運営するウエディングパークだ。 2004年の創業以来、毎日投稿されるカップルからの書き込みに向き合い、現在国内最大級のクチコミ数を誇る。ユーザーからは雑誌やパンフレットではわからないリアルな情報が寄せられている。広報の瀬川由絵さんに、会社の様子をレポートしてもらった。 「営業妨害」とお叱りを受けた創業期から10年 当社の中核事業は「ウエディングパーク」というクチコミサイトで、全国の結婚式場から自分にぴったりの式場を探せると評判です。クチコミの投稿は結婚式を挙げたカップルはもちろん、ゲスト(参列者)からも受け付けています。 社長の日紫喜誠吾(ひしき・せいご)は「クチコミはカップルとウエディング業界に必要なもの」と考え、信念を曲げず10年間サービスを運用してきました。 創業当初はサービスの浸透に苦戦しました。リアルなクチコミの中には「柱が邪魔で新郎新婦が見えにくい」「目的地の式場まで坂道が多くて年配の人は大変」などネガティブなものも当然含まれていたためです。 それを見たクライアントからは毎日のように電話がかかってきて、「営業妨害なので今すぐ削除して!」とお叱りを受けたこともありました。しかし簡単に削除に応じては、クチコミサイトの意義がなくなります。 日紫喜が説明に当たったものの、契約の解除に至ることもあったようです。しかし当社のスタッフたちが、全国の結婚式場に「公平なクチコミ」の重要性を説明して回り、そのような考え方が少しずつ浸透することで、以前解約したクライアントからも「また載せてもらえないかな?」とお声をいただけるまでになりました。 最近では、式場で撮影した写真をクチコミとして投稿する「フォトコミ」がカップルから重宝されています。また芸能人やモデルも登場する顔が見えるクチコミ「花嫁体験談」は、自分の趣味嗜好に合った人の情報がわかる人気コンテンツになっています。 新入社員が「働きやすい制度」考えるイベント開催 当社は商材がウエディングとおめでたいこともあり、「社員が幸せでないと幸せなサービスを世の中に送り出すことはできない。まずは社員が幸せに」という考えを大事にしています。そして「幸せ」を軸にしたオリジナルの社内制度がいろいろあります。 「祝って22(ふうふ)」は、結婚記念日に会社からお祝い金が出る制度です。1周年は1万円が2人分で2万円、10周年は3.5万円が2人分で7万円、25周年は6.5万円が2人分で13万円もらえます。どれも2で割り切れない金額であることと、全ての金額を足し合わせると22(ふうふ)万円にすることにこだわりました。 「家族へありが10(とう)」は、自分の家族へ感謝の気持ちを伝える特別休暇(1日)が取得できる制度です。その日は社員がフェイスブックやブログなどで、家族への「ありがとう」の気持ちをシェアします。 「8活(はちかつ)」は、朝8時までに出社すると専用アプリにポイントが貯まり、パンやコーヒーなどが支給される「8活パーティ」に参加できる制度です。業務効率化や社内コミュニケーションの活性化につながると好評です。 この3つの制度は、新入社員が提案した新制度。毎年新入社員が制度を考える「せどつく」という社内イベントがあり、「働きやすい会社は自分たちでつくる」をモットーにした制度を役員にプレゼンし、認められるとその場で導入が決定されます。 本社オフィスを「トレンドの中心」表参道へ移転 このほか当社では、半年に一回「N1(エヌワン)」という新規事業プランコンテストを開催しています。全社員からアイデアを募集し、優秀なものを事業化。若い世代の方がユーザーの気持ちが分かるので、社歴はあまり関係ありません。 昨年のN1でグランプリを獲得したのは、フォトウエディング(写真撮影のみの結婚式)や前撮り(結婚式を開く前に行う別撮り)ができる結婚式場やスタジオの情報サイト「Photorait(フォトレイト)」は、今年1月にサービスがスタートしましたが、入社3年目の女性が事業責任者となっています。 今年の4月には、本社オフィスを渋谷から表参道へ移転。ウエディングのトレンドはもちろん、将来のユーザーとなる若い世代のライフスタイルやカルチャーを社員が肌で感じ、より愛されるものづくりがしやすい環境を整えることを目的としています。 表参道の雰囲気が気に入っている社員も多く、早朝出勤をする社員も増えました。「これから結婚式を挙げる全てのカップルに、最高の結婚式を挙げてほしい」と社員一同、日々サービスづくりに奮闘しています。 【プロフィール】ウエディングパーク広報 瀬川 由絵:1983年生まれ。東京都出身。2007年度新卒でサイバーエージェント入社。広告代理事業部から子会社のウエディングパークへの異動を自ら希望し、2008年秋に出向。事業戦略室を経てメディア本部ディレクター。2010年より広報を兼任。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。 あわせてよみたい:なでしこ広報がゆく!バックナンバー
「まずは社員が幸せに」と多彩な社内制度設ける 結婚式場クチコミサイトのウエディングパーク
結婚式を挙げない「なし婚」を選ぶ若者が増えるなどウエディング業界が苦戦する中、数々の新しいサービスを打ち出し、ユニークユーザー数を昨年比で約3倍に伸ばしている会社がある。結婚式場探しのクチコミサイトなどを運営するウエディングパークだ。
2004年の創業以来、毎日投稿されるカップルからの書き込みに向き合い、現在国内最大級のクチコミ数を誇る。ユーザーからは雑誌やパンフレットではわからないリアルな情報が寄せられている。広報の瀬川由絵さんに、会社の様子をレポートしてもらった。
「営業妨害」とお叱りを受けた創業期から10年
当社の中核事業は「ウエディングパーク」というクチコミサイトで、全国の結婚式場から自分にぴったりの式場を探せると評判です。クチコミの投稿は結婚式を挙げたカップルはもちろん、ゲスト(参列者)からも受け付けています。
社長の日紫喜誠吾(ひしき・せいご)は「クチコミはカップルとウエディング業界に必要なもの」と考え、信念を曲げず10年間サービスを運用してきました。
創業当初はサービスの浸透に苦戦しました。リアルなクチコミの中には「柱が邪魔で新郎新婦が見えにくい」「目的地の式場まで坂道が多くて年配の人は大変」などネガティブなものも当然含まれていたためです。
それを見たクライアントからは毎日のように電話がかかってきて、「営業妨害なので今すぐ削除して!」とお叱りを受けたこともありました。しかし簡単に削除に応じては、クチコミサイトの意義がなくなります。
日紫喜が説明に当たったものの、契約の解除に至ることもあったようです。しかし当社のスタッフたちが、全国の結婚式場に「公平なクチコミ」の重要性を説明して回り、そのような考え方が少しずつ浸透することで、以前解約したクライアントからも「また載せてもらえないかな?」とお声をいただけるまでになりました。
最近では、式場で撮影した写真をクチコミとして投稿する「フォトコミ」がカップルから重宝されています。また芸能人やモデルも登場する顔が見えるクチコミ「花嫁体験談」は、自分の趣味嗜好に合った人の情報がわかる人気コンテンツになっています。
新入社員が「働きやすい制度」考えるイベント開催
当社は商材がウエディングとおめでたいこともあり、「社員が幸せでないと幸せなサービスを世の中に送り出すことはできない。まずは社員が幸せに」という考えを大事にしています。そして「幸せ」を軸にしたオリジナルの社内制度がいろいろあります。
「祝って22(ふうふ)」は、結婚記念日に会社からお祝い金が出る制度です。1周年は1万円が2人分で2万円、10周年は3.5万円が2人分で7万円、25周年は6.5万円が2人分で13万円もらえます。どれも2で割り切れない金額であることと、全ての金額を足し合わせると22(ふうふ)万円にすることにこだわりました。
「家族へありが10(とう)」は、自分の家族へ感謝の気持ちを伝える特別休暇(1日)が取得できる制度です。その日は社員がフェイスブックやブログなどで、家族への「ありがとう」の気持ちをシェアします。
「8活(はちかつ)」は、朝8時までに出社すると専用アプリにポイントが貯まり、パンやコーヒーなどが支給される「8活パーティ」に参加できる制度です。業務効率化や社内コミュニケーションの活性化につながると好評です。
この3つの制度は、新入社員が提案した新制度。毎年新入社員が制度を考える「せどつく」という社内イベントがあり、「働きやすい会社は自分たちでつくる」をモットーにした制度を役員にプレゼンし、認められるとその場で導入が決定されます。
本社オフィスを「トレンドの中心」表参道へ移転
このほか当社では、半年に一回「N1(エヌワン)」という新規事業プランコンテストを開催しています。全社員からアイデアを募集し、優秀なものを事業化。若い世代の方がユーザーの気持ちが分かるので、社歴はあまり関係ありません。
昨年のN1でグランプリを獲得したのは、フォトウエディング(写真撮影のみの結婚式)や前撮り(結婚式を開く前に行う別撮り)ができる結婚式場やスタジオの情報サイト「Photorait(フォトレイト)」は、今年1月にサービスがスタートしましたが、入社3年目の女性が事業責任者となっています。
今年の4月には、本社オフィスを渋谷から表参道へ移転。ウエディングのトレンドはもちろん、将来のユーザーとなる若い世代のライフスタイルやカルチャーを社員が肌で感じ、より愛されるものづくりがしやすい環境を整えることを目的としています。
表参道の雰囲気が気に入っている社員も多く、早朝出勤をする社員も増えました。「これから結婚式を挙げる全てのカップルに、最高の結婚式を挙げてほしい」と社員一同、日々サービスづくりに奮闘しています。
【プロフィール】ウエディングパーク広報 瀬川 由絵:1983年生まれ。東京都出身。2007年度新卒でサイバーエージェント入社。広告代理事業部から子会社のウエディングパークへの異動を自ら希望し、2008年秋に出向。事業戦略室を経てメディア本部ディレクター。2010年より広報を兼任。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。
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