• 総務省の管理職が1週間の「テレワーク」体験 「まったく問題ない」という人もいたが・・・

    会社のオフィスに出勤しなくても、パソコンやテレビ電話を通じて自宅勤務を可能にする「テレワーク」。国は少子社会における労働力の確保やワークライフ・バランスの実現をねらって、導入に力を注いでいる。

    総務省では先週いっぱい、本省の課長以上160人がテレワークを経験させる試みを行ったという。この様子に7月14日放送の「おはよう日本」(NHK総合)が密着し、総務省で管理職を務める林弘郷さんの1日を取り上げた。

    残業と通勤時間がなく「3時間早く終業」

    テレワークは普及するのか?

    林さんは午前8時15分、テレワークを始める旨をメールして勤務を開始した。通勤時間がないため、いつもより1時間早い始業だ。届いているメールの返信をし、契約書や申請書の電子決裁を行っていく。

    部下が執筆している白書の原稿チェックはテレビ電話で対応。合間に自らの原稿も執筆した。勤務が終了したのは午後5時15分。残業と通勤時間がないため、いつもより3時間早い終業だ。

    「まったく問題なく(テレワークが)できるということを、管理職がやることで示すことができる。ひとつのモデルを示すことができる。そういう意義があったと思う」

    林さんはそう語った。職場から持ち帰ったノートパソコンを使用するものの、データは総務省内のコンピュータに保存されるため、ウイルスや不正アクセスの危険性は低く、盗難にあっても情報流出の心配はないという。

    一方で、テレワークを行うのが難しい部署もある。事業所間のトラブルの仲裁を行う部署の管理職を務める三島由佳さんは、ほぼ毎日会議や打ち合わせが入る。

    可能な限り会議や打ち合わせを同じ日にまとめ、資料作成など自宅で作業できる仕事を固めても、テレワークが行えるのは2週間に1度が限界。週に1度程度は保育園に通う息子との時間が増えると期待していただけに、もどかしいところがあるようだ。

    合間に育児や介護ができず「良さを活かせていない」との声も

    「外部の人との調整が多いところ、スケジュールが読めないところ、突発事項が多いところ、そういうところは(職場に)いないということが他の人に対しての負荷になってしまったり、職責が果たせなかったりすることがある」

    三島さんは、現状の問題をこう説明する。テレワークを体験したほかの職員からも、「育児をしながらの勤務が難しい」という意見があがった。

    現在の制度では、在宅勤務でも決められた時間は勤務に専念しなければならず、合間に育児をしてはいけないことになっている。テレワーク推進窓口の田口幸信課長補佐は、

    「育児とか介護しながらのテレワークというニーズは、これからますます高まると思います。今の制度では難しいですけれども、重要な課題として認識しておりますので何とかしていきたいと思っております」

    と、指摘された点を改善していく姿勢を見せた。

    ツイッターには、現状の運用ルールについて「テレワークの良さを活かせていない」と残念がる人も。通勤時間がない代わりに始業が1時間早まったことについても、労働強化につながりやすいと感じた人から「何そのブラック感」との指摘も出ていた。

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