フジにぶつけた日テレの「本気」 イモトのマッキンリー登頂にネットは絶賛の嵐 2015年7月29日 キャリコネNEWS ツイート 7月最後の週末に放送されたフジテレビ系の「FNS27時間テレビ めちゃめちゃピンチってるッ!本気になれなきゃテレビじゃないじゃ~ん!!」。この番組の寒々しさについては別の機会に語るとして、ここに日テレがものすごい「本気」をぶつけていた。 それが26日に放送された「世界の果てまでイッテQ!登山部マッキンリーSPイモト北米大陸最高峰への挑戦!」(日本テレビ系)。フジテレビの安直さが際立ってしようがなくなるほど、日テレとイモトアヤコの本気度がビンビン伝わってきた番組だった。(文:松本ミゾレ) 苦悩のエベレスト中止から1年。高難易度の山に挑む イモトは昨年、同じ番組の企画で標高8,848メートル、世界最高峰のエベレスト登頂に向けて準備を進めていた。しかし現地で発生した不幸な雪崩事故によって中止を余儀なくされてしまった。 折りしも6,000メートル以上の高度に順応するトレーニングを積んでいたイモトは、誰よりも計画の頓挫に悔しい思いをしていたようだ。それから1年。今度は北米大陸最高峰のマッキンリー登頂を目指して計画が始動することとなった。 標高はエベレストよりは低いものの、それでも6,168メートル。登頂を目指して断念した登山家は数知れず。そんな難易度の高い山に挑むこととなった。 6月5日にマッキンリー入りしたイモトら「イッテQ」スタッフ。頂上までの総歩行距離がおよそ25キロあるというだけでも驚きだが、過酷なのがその行程で待ち受ける4,000メートルもの高低差だ。 登って降りてを繰り返し、じわじわ山頂を目指すというのは、気が遠くなるほどの道のりだ。しかもマッキンリーはアラスカに存在し、気圧は極地並に低い。過酷さは実際の標高以上と登山家には認識されているという。さらに、今年は降雪量も多く、登山には適していない状況の中でも挑戦ということも強調された。 ドキュメンタリー企画ならではのハプニングも マッキンリーは雪に隠れたクレバスの存在が脅威とされている中、メンバーたちがそれぞれ仲間を思いやって慎重に進む様子は、素直に感動せざるを得なかった。特にヒヤヒヤしたのが、切り立った稜線(ナイフリッジと呼ぶらしい)を滑落しないように進む場面。 足を踏み外せば100メートルは下に落下する上、ザイルで繋がった他のメンバーも巻き添えにしてしまうという。その稜線をじわじわと進む様子は、視聴者にダイレクトに登山の難易度や恐ろしさを伝える役割を果たしたはず。 さらに、散々順応訓練を積んできたイモトが、高山病によって登山中に意識が飛びかけたり、普段は口にしないような暴言を吐き散らしたりする様子も、本気で挑んだドキュメンタリー企画ならではのハプニングだと感じた。 登山開始から16日目の6月21日。イモトとメンバーのラストスパートに暗雲をもたらしたのが、急激な天候の変化だった。見る間に山頂付近が雲に覆われ、視界はあっという間に奪われてしまう。 しかも最後の最後に待ち受けているのは、これまでよりもさらに切り立った細い稜線。またもや見ているこちらも緊張するような登山の模様を見せられたが、同日13時35分、イモトは見事マッキンリーの頂上、6,168メートルの頂に到達することとなった。 視聴者は「イモトすごいなー」「素直に泣いた」 ここのところ「テレビがつまらない」と言われてきたのは、いみじくもフジテレビが証明したように、テレビでしか見られない本気の番組が見られなくなったからだろう。 テレビのお約束の中で、目も当てられないほど下らないことをやるのが「本気」だなんて、視聴者はそこまでバカじゃない。それが証拠に、ネットではイモトの偉業を絶賛する声ばかりだ。 「イモトすごいなーマッキンリー登頂感動した」 「登山部本当にすごい 素直に泣いた」 中には「フジの27時間テレビがつまらないというスレを見てたら、なぜかイッテQを最後まで見ていた」という人までいた。 もちろん番組の企画もすごいが、それに本気で望むイモトもすごい。特に女芸人の場合、注目されるうちに歯を矯正したり、変なメイクを途中でやめたりするものだけど、イモトにはその卑しさがない。 そんな彼女の人柄があってこそ、日本テレビは今回、イモトで番組を2時間「本気」で突き進むという決断をしたのだろう。本気で困難に立ち向かう人間には、周囲は協力と称賛を惜しまないということを、彼女は僕らに伝えているように思えた。 あわせてよみたい:女性社員に「無理じゃない、もっと本気出せる!」と激励
フジにぶつけた日テレの「本気」 イモトのマッキンリー登頂にネットは絶賛の嵐
7月最後の週末に放送されたフジテレビ系の「FNS27時間テレビ めちゃめちゃピンチってるッ!本気になれなきゃテレビじゃないじゃ~ん!!」。この番組の寒々しさについては別の機会に語るとして、ここに日テレがものすごい「本気」をぶつけていた。
それが26日に放送された「世界の果てまでイッテQ!登山部マッキンリーSPイモト北米大陸最高峰への挑戦!」(日本テレビ系)。フジテレビの安直さが際立ってしようがなくなるほど、日テレとイモトアヤコの本気度がビンビン伝わってきた番組だった。(文:松本ミゾレ)
苦悩のエベレスト中止から1年。高難易度の山に挑む
イモトは昨年、同じ番組の企画で標高8,848メートル、世界最高峰のエベレスト登頂に向けて準備を進めていた。しかし現地で発生した不幸な雪崩事故によって中止を余儀なくされてしまった。
折りしも6,000メートル以上の高度に順応するトレーニングを積んでいたイモトは、誰よりも計画の頓挫に悔しい思いをしていたようだ。それから1年。今度は北米大陸最高峰のマッキンリー登頂を目指して計画が始動することとなった。
標高はエベレストよりは低いものの、それでも6,168メートル。登頂を目指して断念した登山家は数知れず。そんな難易度の高い山に挑むこととなった。
6月5日にマッキンリー入りしたイモトら「イッテQ」スタッフ。頂上までの総歩行距離がおよそ25キロあるというだけでも驚きだが、過酷なのがその行程で待ち受ける4,000メートルもの高低差だ。
登って降りてを繰り返し、じわじわ山頂を目指すというのは、気が遠くなるほどの道のりだ。しかもマッキンリーはアラスカに存在し、気圧は極地並に低い。過酷さは実際の標高以上と登山家には認識されているという。さらに、今年は降雪量も多く、登山には適していない状況の中でも挑戦ということも強調された。
ドキュメンタリー企画ならではのハプニングも
マッキンリーは雪に隠れたクレバスの存在が脅威とされている中、メンバーたちがそれぞれ仲間を思いやって慎重に進む様子は、素直に感動せざるを得なかった。特にヒヤヒヤしたのが、切り立った稜線(ナイフリッジと呼ぶらしい)を滑落しないように進む場面。
足を踏み外せば100メートルは下に落下する上、ザイルで繋がった他のメンバーも巻き添えにしてしまうという。その稜線をじわじわと進む様子は、視聴者にダイレクトに登山の難易度や恐ろしさを伝える役割を果たしたはず。
さらに、散々順応訓練を積んできたイモトが、高山病によって登山中に意識が飛びかけたり、普段は口にしないような暴言を吐き散らしたりする様子も、本気で挑んだドキュメンタリー企画ならではのハプニングだと感じた。
登山開始から16日目の6月21日。イモトとメンバーのラストスパートに暗雲をもたらしたのが、急激な天候の変化だった。見る間に山頂付近が雲に覆われ、視界はあっという間に奪われてしまう。
しかも最後の最後に待ち受けているのは、これまでよりもさらに切り立った細い稜線。またもや見ているこちらも緊張するような登山の模様を見せられたが、同日13時35分、イモトは見事マッキンリーの頂上、6,168メートルの頂に到達することとなった。
視聴者は「イモトすごいなー」「素直に泣いた」
ここのところ「テレビがつまらない」と言われてきたのは、いみじくもフジテレビが証明したように、テレビでしか見られない本気の番組が見られなくなったからだろう。
テレビのお約束の中で、目も当てられないほど下らないことをやるのが「本気」だなんて、視聴者はそこまでバカじゃない。それが証拠に、ネットではイモトの偉業を絶賛する声ばかりだ。
中には「フジの27時間テレビがつまらないというスレを見てたら、なぜかイッテQを最後まで見ていた」という人までいた。
もちろん番組の企画もすごいが、それに本気で望むイモトもすごい。特に女芸人の場合、注目されるうちに歯を矯正したり、変なメイクを途中でやめたりするものだけど、イモトにはその卑しさがない。
そんな彼女の人柄があってこそ、日本テレビは今回、イモトで番組を2時間「本気」で突き進むという決断をしたのだろう。本気で困難に立ち向かう人間には、周囲は協力と称賛を惜しまないということを、彼女は僕らに伝えているように思えた。
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