• 育休を取れる旦那は情けない? 「2か月も会社を休める」なんて小物すぎなのか

    現代社会の様々なハラスメントを描いたドラマ「エイジハラスメント」(テレビ朝日系)。第6話となる8月20日の放送では、育休を取りたいイクメンパパを襲う「パタハラ」(パタニティハラスメント)をテーマに展開された。

    内容は普段からイクメンで有名な男性社員に、ロンドン本社転勤で部長の座という出世チャンスが来るというもの。激戦ポジションを勝ち取ることに本人はやる気をみせていたが、妻が3人目の子どもを妊娠していたことが発覚し、それをきっかけにロンドン行きを断ってしまう。(文:みゆくらけん)

    「家庭を優先させる男」に重責は任せられない

    将来の親子関係にも影響

    理由は「日に日に成長していく我が子を生まれた瞬間からずっと側で見ていたい」というもの。つまり、父親としての自分を優先したわけである。彼は「一度逃したら二度と得られない喜びだから」と子育ての重要性を話すが、上司はこれに大反対だ。

    ロンドン行きを断れば出世に響くだけではなく「家庭を優先させる男」と判断され、今後重要な仕事を任せられなくなると説明する。「妻子を守るために戦場で戦うのが父親ってもんだ」という部長の声もあった。

    さらに彼はもうひとつお願いがあると言い、3人目が生まれたら1年間の育児休暇を取りたいと申し出る。これに対し上司らは、口ぐちに不満を並べる。

    「転勤を断った上に1年間の育休をとるとは、法律では認められてはいるものの、常識の範囲というものがある」 「1年間も休まれたらいないも同然。残された者の仕事の負担が大変だ」
    「好きなだけ子育てしたいというのは、育休ではなくリフレッシュ休暇だ」

    独身の同僚、後輩らも、産休や育休は「出産や子育てする人にのみに与えられた特権」であって、「独身男女には何のメリットもない不平等な長期休暇」などと不満を爆発させる。

    「ひとりもんでいるお前が悪い、特権受けたければ結婚するればいいという意見もあるかもしれないが、まずは(仕事の負担が増える残された者への)感謝の心だろ!」
    「1人目できて1年間の育休取ってまたすぐ2人目できたりして、2年も3年も顔見ない人もいますよね!」

    「戻ってきてから仕事ないかも」と上司

    このようにドラマでは、それぞれの立場から様々な声が飛び交っていたが、実際の社会でもイクメンパパの育休取得問題は多いようだ。あるQ&Aサイトでは、男性会社員が2か月の育児休暇を取ろうと会社に申請したところ「上司から脅された」という相談があった。

    「2か月という長期間(休みを)取るわけだから、戻ってきたらする仕事がないかもなって。ワークライフバランス唱えてるんですが、この言い方ってどうなんですか??」

    これに対し、回答者のほとんどが男性の育休取得に反対はしていないものの、「権利主張は当然!」とするものはないようだ。

    「私が今働いている会社では、女の人でもまだ育児休暇をとれた実績がありません。社長や上司も一応、育児休暇をとれるような会社にしていきたいとは思っているらしいのですが、何年先になるかわからない状況」
    「2か月ですかぁ・・・。ちょっと長い気はしますね。まだまだ日本はそういう所に寛大ではない」
    「個人的な意見からして、いくら認められていても、仕事に支障をきたしたり、周りに迷惑がかかるようなら、休みの取り方を考えた方が良いと思う」

    中には、妻側から「自分の旦那が会社で2か月も育児休暇取れるような立場って、なんか情けなくなるなぁ~」なんていう意見もあった。

    部下のためにも「自分が取る」という夫

    ちなみに、うちの夫にこの件について聞いてみたところ、「子どもができたら育休は取るつもり」だと話している。とはいえ会社の現状としては、いくら法律で認められていても男性が堂々と育休取得できる環境ではないらしい。

    それでも夫は「だからこそ中堅の自分らが取らなければ、ますます部下が取りにくくなる」という意見であった。妻として育児に参加、協力する心があるのは大変有難いが、期待半分にしておこう。

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