NEC社員の平均給与はいくら？これだけもらえる優良企業

これだけもらえる優良企業の社員

大企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は日本電気（東京・港区。以下NEC）をとりあげます。

NEC社員の平均年収は815万円

最新データ（2020年3月期）によると、NEC社員の平均年間給与は814万8125円。2018年3月期から700万円台に落ち込んでいましたが、2期ぶりに800万円台を回復しています。

この額には、賞与や基準外賃金（手当など）も含まれています。なおNECでは、ボーナス（年間一時金）の額は業績連動方式で決まっており、企業口コミサイト「キャリコネ」への投稿によると、直近で5ヶ月分程度は支給されているようです。

このデータはNEC単体のもので、連結子会社などのグループ会社は含まれていません。なお、この金額はNECの1.7倍の営業利益をあげている富士通の803万6835円を上回る高水準となっており、この背景が気になるところです。

次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

NEC社員の平均年齢は43.7歳。ざっくり言うと、40歳ちょっとで800万円台に乗る人が多いということになるでしょう。

ここ数期で従業員数は減少傾向にあり、その一方で平均年齢がやや上がっています。2001年からリストラを繰り返すNECは、2019年3月期にもグループ全体で3000人を希望退職で削減。対象は45歳以上かつ勤続年数5年以上の社員でしたが、若手の退職もあったのかもしれません。

グループ全体の従業員数は11万2638人で、NEC本体（単体）が占める割合は17.9％。現業に関わる社員を本体で多く抱えています。なお、富士通はこの割合が25.2％とさらに高く、本体の年間平均給与がNECを下回ることに影響していると考えられます。

最後に、NECの今後の見通しについてまとめてみましょう。

NECは、パソコンや携帯電話などのコンシューマー分野から、政府などの公共分野や大企業向けのITサービスへのシフトを果たすことで事業の収益性を高め、23年ぶりの最高益を更新しました。

先日、NTTがNECに5％近い出資を行い、第3位の大株主となることを発表。次世代通信規格「5G」と、2030年ごろの実用化が見込まれる「6G」の分野で協力を深めるとしています。これも社会インフラ整備に深く関わる事業ですが、今後もこの路線を引き続き堅持していくものと思われます。

新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした社会的変化は大きく、業務の「オンライン化」や「無人化」「自動化」「在宅勤務」といった流れもできています。この実現にはIT技術の活用が欠かせません。

NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所（NIST）によるベンチマークテストで世界1位を5回連続で獲得しています。セキュリティを確保した在宅勤務など、NECの技術優位性が活かせる分野は今後増えていく可能性があります。

菅内閣での「デジタル庁」新設など、公共分野や大企業におけるデジタル化の動きがより活発になるのは確実です。NECへの転職で大きなキャリアアップを図るとすれば、この分野に貢献できる経歴やスキルなどをアピールすることが考えられます。