現役キャリアコンサル直伝!信頼できる転職エージェントを見極める3つのポイント 2020年11月13日 キャリコネNEWS ツイート 本当に信頼できるエージェントとは? 学生からの就職相談や、特に社会人からの転職相談を受ける際、他のエージェント(人材紹介会社)の愚痴を耳にすることが多々あります。 内容としては、「いやあなたのせいでしょ……」と思うものもあれば、本当に同業として謝りたくなるほど悪質なエージェントである場合もあります。 今回は、私自身もそうならないようにという自戒の念も込めて、信頼できる就職・転職エージェントの見極め方をお伝えします。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介) 数十社も受けて1社も通らない場合、そのエージェントに書類を通すノウハウがない 求職者の不満として多いのが、以下の5点です。 1.ESや志望動機、転職理由を強く否定された 2.勧められた企業全て志望する企業ではなかった 3.短時間(30~60分)の面談をしただけで、30社ぐらいのエントリーを勧められた 4.数十社エントリーして、全て書類で落とされた 5.実際に受けてみるとエージェントから聞いていた条件・職種が違っていた 下に行けば行くほど、悪質なエージェントであるケースです。なぜこのようなことが起こるのか、どのように対処をすればいいのかを説明します。 1.ESや志望動機、転職理由をかなり否定された この場合、学生・社会人側とエージェント側、双方に問題があります。エージェントの否定が“単純な否定“で終わっている場合、「エージェント自身の好みに合わなかった」または「紹介出来る転職先が無いので”“切りにいった”」ケースだと思います。 一方、否定の後に、具体的な改善提案があれば、かなり信頼のおけるエージェントだと言えるでしょう。例えば「~という理由で、もっと現職で頑張った方が良い」「ESはもっとこういう書き方で書いた方がいいです」などです。 2. 勧められた企業全て志望する企業ではなかった この場合も、両者に問題があります。就活・転職希望者のキャリア選択の軸が曖昧であったり、上手くエージェント側に軸を伝えられていなかったりして、両者に“ズレ”があるとこういった事態が発生します。 エージェント側は本来、相手から上手く軸を聞き出し、整理する役割を担っています。ただし、あまりに曖昧だったり、言う事がコロコロ変わったりすると、いくらなんでもプロでも掴みかねることもあるでしょう。 このような場合には、改めてエージェント側に時間を取ってもらい、キャリア選択の軸の整理を行ってもらいましょう。言語化しながら、自分と相手にズレがないかの確認をとるようにしてみてください。 3.短時間(30~60分)の面談をしただけで、30社ぐらいのエントリーを勧められた 新卒採用支援エージェントだと、1人エントリーさせるごとにインセンティブが支払われるという“エントリー課金”の契約を企業とエージェントが結んでいる場合もあります。他にも「◯人紹介して」と企業とエージェントが握っていることもあり、とりあえずエントリーさせるケースもあります。 中途転職エージェントの場合、とりあえずエントリーを数多くさせるタイプということが考えられます。 こういった場合、新卒・転職エージェントともに、原因はエージェント企業というより、キャリアアドバイザーの資質にあることが多いです。アドバイザーが信用できない理由をしっかりとエージェント側に伝え、変更をお願いするのも1つです。 それでも変更してもらえないなら、エージェントは企業を知るための1ツールとして考え、紹介される企業を自分で精査しながら、受ける会社を決めてみてはどうでしょうか。 4.数十社エントリーして、全て書類で落とされた この場合、エージェントは3と同じケースが予想されます。ただ、本来エージェントは書類審査が免除される権利をもっていたり、企業側の採用担当者との関係性上、書類通過させるノウハウを持っていたりします。 なので「1社も通らない」=「そのエージェントに書類を通すノウハウがない」ということになります。この場合、そのエージェントを使うメリットが何一つないため、使用をやめることをおすすめします。 5.実際に受けてみるとエージェントから聞いていた条件・職種が違っていた これは3つのケースが考えられます。「企業が嘘をついている」「エージェント側のキャリアアドバイザーと営業の連携がとれておらず齟齬が発生している」「エージェント側が騙してでもエントリーをさせようとしている」という場合です。 実際にこの状況に陥ったら、聞いていた情報に間違いがあったことをしっかりとエージェントに伝えましょう。企業が嘘をついていたり、エージェントと企業に齟齬があったりする場合は対応をしてくれるはずです。 一方、エージェント側が言い訳をしたり、言いくるめようとしたりしてきたら、残念ながら騙そうとしています。その場合、すぐにそのエージェント使用をやめましょう。 信頼できるエージェントを見極める方法は? では、信頼できるエージェントを見極めるにはどうすればいいのでしょうか。信頼できるエージェントとは、「就職や転職の伴走者になってくれる会社(人)」です。そのために注視したいのは以下のポイントです。 1.しっかりと相談の時間を取ってくれる 時には厳しく指導し、軸にあった会社を本気で探してくれ、その会社に受かる方法を懸命にサポートしてくれる。そういったエージェントで、キャリア選択の軸の整理に真摯に向き合ってくれるエージェントに出会っていただきたいものです。 2.企業によっては自社推薦ではなく、公式サイトなどからの自由応募を勧めてくれる 実は、エージェント経由の方が受かりやすい企業と、自由応募の方が受かりやすい企業があります。その情報をしっかり開示してくれるのであれば非常に信頼できます。推薦された企業に「そのエージェントから何人の人が就職・転職しているのか?」などを確かめることも重要です。 3.そのエージェントで紹介できる企業以外の企業をオススメしてくれる キャリア選択の軸を理解した上で、エージェント側の利益にならなくても本当に自分のことを思って言ってくれる企業・人は非常に信頼がおけます。 以上、3ポイントを紹介しましたが、何より大切なのは、就職・転職どちらでも「自分の人生において重要な環境の選択」であることを理解すること。他人任せにせず自分事として、主体的に自分自身でしっかりと情報収集し判断していくことです。 著者近影 【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント 同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。
現役キャリアコンサル直伝!信頼できる転職エージェントを見極める3つのポイント
学生からの就職相談や、特に社会人からの転職相談を受ける際、他のエージェント(人材紹介会社)の愚痴を耳にすることが多々あります。
内容としては、「いやあなたのせいでしょ……」と思うものもあれば、本当に同業として謝りたくなるほど悪質なエージェントである場合もあります。
今回は、私自身もそうならないようにという自戒の念も込めて、信頼できる就職・転職エージェントの見極め方をお伝えします。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)
数十社も受けて1社も通らない場合、そのエージェントに書類を通すノウハウがない
求職者の不満として多いのが、以下の5点です。
下に行けば行くほど、悪質なエージェントであるケースです。なぜこのようなことが起こるのか、どのように対処をすればいいのかを説明します。
1.ESや志望動機、転職理由をかなり否定された
この場合、学生・社会人側とエージェント側、双方に問題があります。エージェントの否定が“単純な否定“で終わっている場合、「エージェント自身の好みに合わなかった」または「紹介出来る転職先が無いので”“切りにいった”」ケースだと思います。
一方、否定の後に、具体的な改善提案があれば、かなり信頼のおけるエージェントだと言えるでしょう。例えば「~という理由で、もっと現職で頑張った方が良い」「ESはもっとこういう書き方で書いた方がいいです」などです。
2. 勧められた企業全て志望する企業ではなかった
この場合も、両者に問題があります。就活・転職希望者のキャリア選択の軸が曖昧であったり、上手くエージェント側に軸を伝えられていなかったりして、両者に“ズレ”があるとこういった事態が発生します。
エージェント側は本来、相手から上手く軸を聞き出し、整理する役割を担っています。ただし、あまりに曖昧だったり、言う事がコロコロ変わったりすると、いくらなんでもプロでも掴みかねることもあるでしょう。
このような場合には、改めてエージェント側に時間を取ってもらい、キャリア選択の軸の整理を行ってもらいましょう。言語化しながら、自分と相手にズレがないかの確認をとるようにしてみてください。
3.短時間(30~60分)の面談をしただけで、30社ぐらいのエントリーを勧められた
新卒採用支援エージェントだと、1人エントリーさせるごとにインセンティブが支払われるという“エントリー課金”の契約を企業とエージェントが結んでいる場合もあります。他にも「◯人紹介して」と企業とエージェントが握っていることもあり、とりあえずエントリーさせるケースもあります。
中途転職エージェントの場合、とりあえずエントリーを数多くさせるタイプということが考えられます。
こういった場合、新卒・転職エージェントともに、原因はエージェント企業というより、キャリアアドバイザーの資質にあることが多いです。アドバイザーが信用できない理由をしっかりとエージェント側に伝え、変更をお願いするのも1つです。
それでも変更してもらえないなら、エージェントは企業を知るための1ツールとして考え、紹介される企業を自分で精査しながら、受ける会社を決めてみてはどうでしょうか。
4.数十社エントリーして、全て書類で落とされた
この場合、エージェントは3と同じケースが予想されます。ただ、本来エージェントは書類審査が免除される権利をもっていたり、企業側の採用担当者との関係性上、書類通過させるノウハウを持っていたりします。
なので「1社も通らない」=「そのエージェントに書類を通すノウハウがない」ということになります。この場合、そのエージェントを使うメリットが何一つないため、使用をやめることをおすすめします。
5.実際に受けてみるとエージェントから聞いていた条件・職種が違っていた
これは3つのケースが考えられます。「企業が嘘をついている」「エージェント側のキャリアアドバイザーと営業の連携がとれておらず齟齬が発生している」「エージェント側が騙してでもエントリーをさせようとしている」という場合です。
実際にこの状況に陥ったら、聞いていた情報に間違いがあったことをしっかりとエージェントに伝えましょう。企業が嘘をついていたり、エージェントと企業に齟齬があったりする場合は対応をしてくれるはずです。
一方、エージェント側が言い訳をしたり、言いくるめようとしたりしてきたら、残念ながら騙そうとしています。その場合、すぐにそのエージェント使用をやめましょう。
信頼できるエージェントを見極める方法は?
では、信頼できるエージェントを見極めるにはどうすればいいのでしょうか。信頼できるエージェントとは、「就職や転職の伴走者になってくれる会社(人)」です。そのために注視したいのは以下のポイントです。
1.しっかりと相談の時間を取ってくれる
時には厳しく指導し、軸にあった会社を本気で探してくれ、その会社に受かる方法を懸命にサポートしてくれる。そういったエージェントで、キャリア選択の軸の整理に真摯に向き合ってくれるエージェントに出会っていただきたいものです。
2.企業によっては自社推薦ではなく、公式サイトなどからの自由応募を勧めてくれる
実は、エージェント経由の方が受かりやすい企業と、自由応募の方が受かりやすい企業があります。その情報をしっかり開示してくれるのであれば非常に信頼できます。推薦された企業に「そのエージェントから何人の人が就職・転職しているのか?」などを確かめることも重要です。
3.そのエージェントで紹介できる企業以外の企業をオススメしてくれる
キャリア選択の軸を理解した上で、エージェント側の利益にならなくても本当に自分のことを思って言ってくれる企業・人は非常に信頼がおけます。
以上、3ポイントを紹介しましたが、何より大切なのは、就職・転職どちらでも「自分の人生において重要な環境の選択」であることを理解すること。他人任せにせず自分事として、主体的に自分自身でしっかりと情報収集し判断していくことです。
【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント
同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。