短期離職ばかりで"職歴ボロボロ20代"の生存戦略は? まずは過去の職場で「何が合わなかったか」を考えて 2020年12月18日 キャリコネNEWS ツイート 職歴ボロボロ20代はどうすれば? 入社先がブラック企業だった、職場の風土に馴染めなかったなど、若いのにさまざまな理由で早期退職を繰り返してしまった人がいます。そんな人から今後のキャリアについて「自分の職歴で転職出来るのか」と相談を受けることが多いです。 実は私自身、現在20代後半ですが、この3年間で早期退職(3か月以内での退職)を2度経験しています。自身の転職活動での経験や、人事・キャリアアドバイザーとしての立場から「職歴ボロボロの20代はどうすれよいのか」についてお伝えします。(文:キャリアコンサルタント 渡邉元士) 「転職できるか」より、「どういった環境であれば頑張れるのか」を考えて まずは、これまでの転職理由を振り返ってみてください。「転職経験がある=合わない環境にいた」ということですので、「どういう点が合わなかったのか」と考えると「自分に合った頑張れる環境」が見えてくるはずです。 また、社会人経験だけでなく、大学時代やそれ以前のエピソードも参考にしてみましょう。この振り返りは、転職経験を次に繋げるためにも大切です。「自分が頑張れる環境」を明確化し、今後選んでいくための指標にしてみてください。 早期退職を繰り返す人はどうしても「転職できるかどうか」に意識が向きがちです。しかし、その前に冷静になって「どういった環境であれば頑張れるのか」ということを考えてみてください。 私は2回目の早期退職後は2か月間ほどほとんど誰とも会わない生活を送っていました。その中で時間をかけて深く内省をしました。 次の職場は「自分が頑張れる環境かどうか」を会社選びの最優先事項に 一般的に私のように短期間で早期退職を2度も繰り返している場合、「希望通りの転職」は難しいです。 まずは雇用形態、給与、福利厚生など、希望する条件がほぼ満たされないことは覚悟しましょう。その上で、「自分が頑張れる環境かどうか」を最優先事項とすることをオススメします。 これは「希望の仕事に就くことを諦めろ」ということではありません。直後の転職先で希望を全て叶えようとせず、以下の2点を意識してください。 ・その次の転職先で成果を生み出し、入社後の活躍を評価してもらい希望を叶えていく(正社員登用、昇給などを狙う) ・転職後そこで実績(成果×勤続年数×スキル)を作り、次の転職先で希望を叶える これらを達成するには、「そこで頑張れるかどうか」が最も重要になるので、次の会社選びはそれを最優先事項にしてください。 早期退職した知り合いは、大学時代に働いていた大手コーヒーチェーン店でアルバイトとして3年間勤務した後、有名メガベンチャーに就職しました。アルバイトとは言え、そこで培った対人能力やマネジメント能力が評価されたといいます。 また、スタートアップやベンチャー企業であればアルバイトや長期インターンの採用をしている所も多くあり、今後の就活を見据えて、そこで頑張ることも1つの手段だと思います。 私自身、スタートアップで長期インターンの採用担当をしていましたが、会社の理念や価値観に共感していて、すごくコミットしてくれそうな人であれば採用したいです。少なくとも「職歴がボロボロだから」という理由だけで不合格にすることはありません。 現実をどう捉え、これからどう生きていくか。 日々、キャリアコンサルタントとして色々な人の人生について話を聞きます。早期退職や不登校、中退など、普通の道から外れた経験を持つ人ともたくさん出会いますが、そうした人は自身を動かす原動力が非常に強く、素晴らしい実績を持つ傾向にあると感じています。 それは「退路が断たれているからこそ、レールの上を順調に進んできた人よりも強い意志と覚悟を持っている」ということが大きく影響しているのではないでしょうか。 早期退職を繰り返している人は「もう自分のキャリアはどうにもならない」と諦めるのではなく、「人一倍努力することでしか道は拓けない」という現実をまずは受け止めてください。 そして、その事実を「普通の人とは異なる強い原動力を持っている」と肯定的に捉え、仕事に真摯に向き合っていくことで、自分らしいキャリアが拓かれていくのではないかと思います。 著者近影 【プロフィール】関西学院大学商学部卒。在学中に創業期のキャリア教育系スタートアップ(株)STORYに参画。採用責任者として、約400人の面接・約50人の採用に携わる。その後、ベンチャー複数社にて新卒採用、EdTech・人材サービスの立ち上げを経験。2020年9月より(株)STORY CAREERにてキャリアアドバイザーとして活動。
短期離職ばかりで"職歴ボロボロ20代"の生存戦略は? まずは過去の職場で「何が合わなかったか」を考えて
入社先がブラック企業だった、職場の風土に馴染めなかったなど、若いのにさまざまな理由で早期退職を繰り返してしまった人がいます。そんな人から今後のキャリアについて「自分の職歴で転職出来るのか」と相談を受けることが多いです。
実は私自身、現在20代後半ですが、この3年間で早期退職(3か月以内での退職)を2度経験しています。自身の転職活動での経験や、人事・キャリアアドバイザーとしての立場から「職歴ボロボロの20代はどうすれよいのか」についてお伝えします。(文:キャリアコンサルタント 渡邉元士)
「転職できるか」より、「どういった環境であれば頑張れるのか」を考えて
まずは、これまでの転職理由を振り返ってみてください。「転職経験がある=合わない環境にいた」ということですので、「どういう点が合わなかったのか」と考えると「自分に合った頑張れる環境」が見えてくるはずです。
また、社会人経験だけでなく、大学時代やそれ以前のエピソードも参考にしてみましょう。この振り返りは、転職経験を次に繋げるためにも大切です。「自分が頑張れる環境」を明確化し、今後選んでいくための指標にしてみてください。
早期退職を繰り返す人はどうしても「転職できるかどうか」に意識が向きがちです。しかし、その前に冷静になって「どういった環境であれば頑張れるのか」ということを考えてみてください。
私は2回目の早期退職後は2か月間ほどほとんど誰とも会わない生活を送っていました。その中で時間をかけて深く内省をしました。
次の職場は「自分が頑張れる環境かどうか」を会社選びの最優先事項に
一般的に私のように短期間で早期退職を2度も繰り返している場合、「希望通りの転職」は難しいです。
まずは雇用形態、給与、福利厚生など、希望する条件がほぼ満たされないことは覚悟しましょう。その上で、「自分が頑張れる環境かどうか」を最優先事項とすることをオススメします。
これは「希望の仕事に就くことを諦めろ」ということではありません。直後の転職先で希望を全て叶えようとせず、以下の2点を意識してください。
これらを達成するには、「そこで頑張れるかどうか」が最も重要になるので、次の会社選びはそれを最優先事項にしてください。
早期退職した知り合いは、大学時代に働いていた大手コーヒーチェーン店でアルバイトとして3年間勤務した後、有名メガベンチャーに就職しました。アルバイトとは言え、そこで培った対人能力やマネジメント能力が評価されたといいます。
また、スタートアップやベンチャー企業であればアルバイトや長期インターンの採用をしている所も多くあり、今後の就活を見据えて、そこで頑張ることも1つの手段だと思います。
私自身、スタートアップで長期インターンの採用担当をしていましたが、会社の理念や価値観に共感していて、すごくコミットしてくれそうな人であれば採用したいです。少なくとも「職歴がボロボロだから」という理由だけで不合格にすることはありません。
現実をどう捉え、これからどう生きていくか。
日々、キャリアコンサルタントとして色々な人の人生について話を聞きます。早期退職や不登校、中退など、普通の道から外れた経験を持つ人ともたくさん出会いますが、そうした人は自身を動かす原動力が非常に強く、素晴らしい実績を持つ傾向にあると感じています。
それは「退路が断たれているからこそ、レールの上を順調に進んできた人よりも強い意志と覚悟を持っている」ということが大きく影響しているのではないでしょうか。
早期退職を繰り返している人は「もう自分のキャリアはどうにもならない」と諦めるのではなく、「人一倍努力することでしか道は拓けない」という現実をまずは受け止めてください。
そして、その事実を「普通の人とは異なる強い原動力を持っている」と肯定的に捉え、仕事に真摯に向き合っていくことで、自分らしいキャリアが拓かれていくのではないかと思います。
【プロフィール】関西学院大学商学部卒。在学中に創業期のキャリア教育系スタートアップ(株)STORYに参画。採用責任者として、約400人の面接・約50人の採用に携わる。その後、ベンチャー複数社にて新卒採用、EdTech・人材サービスの立ち上げを経験。2020年9月より(株)STORY CAREERにてキャリアアドバイザーとして活動。